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「ライト・オフ」あなたの恐怖はどこから~?暗闇から~!

あなたの恐怖はどこから~!?私は暗闇から~!

映画「ミッドサマー」は、ホラー映画なのにもかかわらず、真昼間のシーンがほとんどであることで話題を集めた作品だった。真昼間であることが話題となるのなら、逆に言えばホラーの基本は暗闇のシーンとなる。「ミッドサマー」の監督アリ・アスターの前作、「へレディタリ―継承」も、暗闇の映画であった。

「ライト・オフ」は暗闇というホラーのいろはを武器として使った。「ライト・オフ」の恐怖ーその名もダイアナーは、暗闇しか移動ができない。扉の向こう、闇の中にダイアナの暗い影を見つけても、パっと明かりをつけてしまえばダイアナは消えてしまうのである。

これが視覚芸術である映画にぴったりであった。「ダイアナが消えるルール」を理解していない人が電気をつけたり消したりしているうちにどんどん彼女は近づいてくる。これほど恐ろしい恐怖表現もなかなかないだろう。

ホラーには悪霊の発生した原因、倒し方を見つけるというミステリー要素が不可欠だが、本作はそれをきちっと描いている。

そのうえで見るあのラストは、やけにあっさりしていると思ってしまう。しかしまるで電気を消すようにパチッと消えてしまったダイアナは、その存在にふさわしい最期を迎えたのではないか。

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