見出し画像

「いつだってやめられる」、だからあと一回だけ!!!!

 いつだって辞められる!だからあと少しだけおやつを食べたい!いつだって辞められる!だからあと一本タバコを吸いたい・・・。「いつだってやめられる 7人の危険な教授たち」はそんな映画だ。

 すぐにやめられる、今すぐにでも辞められると口では言えるが、実際にはやめられないもの。タバコだってそう。間食だってそう。合法麻薬の販売だってそう・・・!

 主人公はさえない大学教授。雇用の機会を逃した彼は変わり者の塾の生徒の話からヒントを得て、合成麻薬の製造を始める。

 麻薬がテーマだからなのだろうか。画面の色は映画が始まってから終わるまで、なんだかどぎつい。音楽も叫ぶ系のパーティミュージックなので、かなりハイテンションなエネルギーが生まれている。
 また、極彩色に彩られて流れるナレーションは、早口巻き舌のイタリア語である。まさにドラッグをキメた世界観とはこんなものじゃないのか。(と、やったことのない自分が想像してみる)

 主人公たちは元、優秀な大学教授だから、ちょっとした犯罪(すれすれの行為)も楽々とこなしてしまう。ここら辺は見ていてスカッとする。が、さすがにお金を手にした主人公一味がスーツにサングラスでスローモーションをかけながら歩く場面はべた過ぎて恥ずかしい。この映画唯一ハズしているところじゃないだろうか。また、カメラが手持ちで不安定なのも、繊細な心の動きを描く映画とかじゃないので、似合わない気がする。

 しかしそんな欠点を覆い隠してしまうパワーのある映画だ。7人の教授のうち、特に一押ししたいのがバルトロメオ。ノエルギャラガーとリアムギャラガーを足して2で割ったような顔を持つこの男はひもでギャンブル依存症であるがほかの教授とは違う独特な雰囲気を放っている。そのくせ無理やり結婚させられたり鼻を折られたりと体を張っている。見るべし!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?