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高所で会いましょう。まとめ

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オリジナル小説の高所で会いましょう。まとめです。
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オリジナル小説 高所で会いましょう。#6

オリジナル小説 高所で会いましょう。#6

そこには――

――グチャッ!
――ベチョ!
――ビチ!
――ドサッ!
――バタン!

――ゴトッ! 大量の血痕があった。その中には先ほど倒した魔物の死体もあった。しかし、不思議なことに死体の数は4体しかなかった。
その光景を見て、ケントは違和感を覚える。
なにせ、魔物の死体の数は全部で5つあったはずだからだ。
しかし、その場所には他の4体の魔物の死体があった。
(どういうことだ?)
不思議に思っ

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オリジナル小説 高所で会いましょう。#5

オリジナル小説 高所で会いましょう。#5

「ふぅ……結構歩いたな……。」
「そうですね……。」
「疲れたか?」
「はい……少しだけですが……。」
「じゃあさっきの休憩所に戻るか?」
そう提案するとサーシャは小さく首を振る。
「いえ、そこまでする必要は無いと思います。まだ時間はありますし……。」
「そうか……でもあまり無理をするなよ。」
「ええ、分かっていますわ。」

そう言うとサーシャは再び歩き出す。
そんなサーシャを見て、ケントは思うの

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オリジナル小説 高所で会いましょう。#3

オリジナル小説 高所で会いましょう。#3

ユバの話が終わると、今度はタツヤが話し始めた。
「俺の名前はタツヤ! 勇者だ! いつか魔王を倒して世界を救うんだ!」
タツヤの言葉を聞いたケントは思わず苦笑する。
「……まあ、お前はそういう奴だよな。」
「あ、そうだ!お前は魔王を倒すんだろ? だったら俺たちと一緒に来ないか?」
タツヤは唐突にケントに向かってそう言った。
「……は? 何でだよ?」
「だってお前は仲間がいないだろ?」
「うぐっ……」

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オリジナル小説 高所で会いましょう。#2

オリジナル小説 高所で会いましょう。#2

あれはまだワシらが幼い時だった。
ある日突然両親が家を出て行ったきり帰ってこなくなった。
それからというもの、ワシと妹は二人だけで生きていくことになった。
幸いにも働き手を失ったことで生活に困窮することはなかったが、それでも子供二人で生きるには厳しかった。
そんな中でも何とか今までやってこれたのは、妹の頑張りのおかげだろう。
妹はとても明るく元気な性格をしており、いつも笑顔を絶やさなかった。
そん

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オリジナル小説 高所で会いましょう。 #1

オリジナル小説 高所で会いましょう。 #1

ケント「俺の名前はケント。へイワー村という村に住んでいる。」
ケントが何か言いかけると、シーナの後ろに隠れていた小さな女の子が顔を出し、大きな声で自己紹介を始めた。
「わたしはねー! ククリって言うんだよー!」
ククリと名乗った少女はニパッと笑うとシーナの後ろにまた隠れてしまった。
それを見たシーナは苦笑しつつ、今度は自分から話しかけた。
「私はシーナよ。よろしくね、ククリちゃん。」
「うんっ!

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