見出し画像

「漢方」とは


みなさんこんにちは。
今日は「漢方」についてお話しいたします。

「漢方」と聞いたら、薬のイメージを持たれるかたが多いかと思いますが、実は「漢方」は、鍼灸や食養生も含めた医学を意味しており、医薬品として処方されるものを「漢方薬」と言います。

そして、「漢方」は日本独自に発展したものだとご存知でしたか?
元々は中国から中国医学が伝わってきたのですが、日本において、日本人の体や気候に合わせて改良された日本の伝統医学のことを「漢方」と呼ぶようになったのです。

現代、「医学」と言われているものは4つあります。

現代の四大医学は
①西洋医学 ②東洋医学(中国・韓国・日本) ③アーユルヴェーダ ④ユナーニ

そして、
「中医学」「韓医学」「漢方」などの「東洋医学」はその一つなのです。


では西洋医学と東洋医学の違いは何でしょうか?


検査して基準値以内だと西洋医学では「病気」とは診断されません。
東洋医学では「人間の体も自然の一部」という考えのもと、体の一部分だけにスポットをあてるのではなく、体全体の状態のバランスを総合的に診るといった特徴があり、生体内の陰陽バランスが崩れることによって病気が発生すると考えます。また、なんとなくの体の不調を「未病」と捉えて、体質や生活習慣などから見直し、整えていくことができる点も特徴です。



東洋医学では
①望診(舌診、動作、姿勢、顔色) 
②聞診(せき、声、口臭、体臭)
③問診
④切(接)診
さらに生活習慣も含めてその人の「証」を見極めて治療方針を決めます。

「証」とは、漢方的な病名のことを指します。
漢方では、風邪などの急性症状を除き、慢性的な病気は五臓(内臓)のどこかが弱っていると考えます。内科疾患だけでなく、精神科・婦人科・耳鼻科・眼科、そして神経痛など多岐にわたる病気が五臓の何処かに原因があると考えます。

*漢方での五臓とは、肝・心・脾・肺・腎の5つのことです(ここでいう脾とは胃腸全般のこと)。これら5つの臓腑は他の臓腑や、体の各部位と一定の関係性を持っています。この両者が協力や抑制をし合って、体全体の正常な働きを保っています。


漢方治療に向いている症状としては、
頭痛・肩こり・疲労といった検査上ではわからない症状や、足の冷え・胃腸虚弱などの慢性病、月経前症候群・不定愁訴症候群、疲労やストレスが原因とされている自律神経失調症、過敏性腸症候群、予防が治療となるようなアレルギー性の各疾患、花粉症、痔などです。

ただし、漢方治療に向いてない症状もあります。
それは、緊急の処置・手術が有効な症状や、一時的に抑えるだけで良い症状、検査で異常があっても自覚症状がない時などです。


舌診について
中医学では体の異変のサインを診るために舌の状態も観察します。
舌苔の色や着き具合や舌の色や形(厚み・大きさ)から体調が分かります。
ちなみに、健康な人は「淡紅色」で薄白い苔、適度な潤いがあります。


漢方の診断の基本としては、
①「寒証」か「熱証」か。
・寒証
外気の冷えや冷飲食により、体調が悪くなります。冷めると悪化し、温めるとよくなります。
・熱証
体の中に余分な熱がある状態です。温めると悪化し、冷ますとよくなります。

②「虚証」か「実証」か。
・虚証
正気(免疫力)が弱っているので、補って治します。
・実証
体に何か余分なもの(邪気や血液の滞り)があるので、取り除いて治します。

③「気」「血」「水」の質が良好か。
・気とは体内を流れる「エネルギー」
・血とは、全身に栄養を運び潤す「血液」
・水とは体内すべての生理的な水液の総称「体液」

④その症状の原因は「五臓」(肝・心・脾・肺・腎)のどこにあるか

①〜④を考えた上で、診断ができます。

気血水や五臓については別途記事にします。

血液検査の結果などで病名を出す西洋医学と違い、
漢方では上記のように、症状と臓器の関係を照らし合わせて病名を診断します。
西洋医学的に問題がなくても、漢方的には問題があることがあります。

お困りの症状がある方は、漢方専門の外来に寄ってみてください。


漢方について漫画でわかりやすく解説しているおすすめ本↓



#漢方 #漢方薬 #東洋医学 #中医学 #薬膳 #和漢ハーブ   #植物療法


もし気に入って頂けたらサポートよろしくお願い致します💫🌟