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芙蓉歌句集

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わたくしが詠みました短歌・俳句をこちらでご紹介させて頂きます。
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#短歌

しづしづと石畳縫ふ秋の雨

しづしづと石畳縫ふ秋の雨

皆さまごきげんよう。本日は旧暦の9月9日ということで「御九日(おくんち)」と申すそうでしてよ。「9」が重なるということで、簡単に申しますと重陽の節句なのですけれども、例えば「長崎くんち」はちょうど今日からではないかしら。
この「長崎くんち」一説では「くんち」の由来が「御九日」だとされておりますわ。

わたくし、長崎くんち自体は拝見したこと無いのですけれども、何やら異国の趣がある祭りだそうですわね。

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甘栗の抜け殻軽き三時半

甘栗の抜け殻軽き三時半

甘栗の抜け殻軽き三時半

おほかみも書斎に居りて銀杏の実

手づつなる吾を見上ぐる甘栗のあはむる顔や抜け殻軽し

撞木打つ鐘に茜の急ぎたる

撞木打つ鐘に茜の急ぎたる

皆さま、ごきげんよう。
本日はこのようなお便りを頂きましたので少し検証してみたく存じますわ。

少々解説の必要なお便りかと存じますので、補足説明いたしますわね。

「水無瀬三吟百韻」というのは室町時代の有名な連歌でして、後鳥羽院への鎮魂の祈りが込められた連歌の傑作とされておりますわ。
このお便りでは、その「第七句をもし自分が詠むのであればどう付けるか」という宿題が出たと仰られておりますわ。

ちな

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明易し炎火を纏ふ本能寺

明易し炎火を纏ふ本能寺

ごきげんよう。
本日6月21日は、1582年に本能寺の変が起きた日だそうですわ。
旧暦ですと天正10年6月2日、最早語るまでもない戦国史に残る大事件が起きた訳ですけれども、このような蒸し暑い季節の出来事でしたのね。

最も夜の短い夏至の時期ですから、ということは本能寺の変も「短い夜」に時代が大きく動いたのですわね――。明け方ほとんど日の出の時間に討ち入りまして朝には終わっていたそうですわ。

なん

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