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Life was Beatiful, Certainly(確かに、本当に人生は美しかった)

こんなに純粋な人間がいるでしょうか?

ぼくは以下の文を、この会見を見る前に書きました。だから実際には事実と若干のずれが散見する部分もあり、見比べることも(未来のぼくからしたら)楽しそうに思えます。必要な部分には想像の範疇である旨を記載してあるはずです。

そしてまた改めて、会見を意識した内容をまた別日に書かせてもらいたくなってきました。特に渡辺が長谷川の胸の中で何をしていたかにはきちんとした事実があった。

ぼくはM1にドラマなんてあるわけないと思っていました。強いて言えば敗者組から全員ぶち抜き返したアンタッチャブルにドラマチックなものを感じたぐらいでしょうか?こちらも関東芸でした。

錦鯉

おめでとうございました。

ここからは実際に観た人向けの表現が続きます。

まず20時の針も重力を強く感じ始めてきた頃、画面に5つの「錦鯉」の文字が顕れて、錦鯉の優勝が確定した瞬間の渡辺に泣かされました。

渡辺

は、長谷川の旨に縋り付いていた。

「抱き合って喜びを分かち合う」のではなく、大の大人が、おそらくはここnoteにおられるような利用者の大半のような年齢層よりも上の渡辺が、自分の表情を見せずに長谷川の胸で(おそらく)長谷川以外には見せられない顔をしていた。

もちろん、そんなことはぼくの想像でしかありません。

そしてその想像の中の渡辺は、長谷川の胸の中で泣いていた。

「長谷川をコンビに持つ」という特殊な環境下にあるから、「とにかく自分が理性的に振る舞わなければならない」「長谷川の奇天烈な持ち味を最大に活かすために、長谷川が持っていった空気を俺が論理的に軌道修正して、司会者なりテレビの中央に返却していなければならない」と日々考えているはず。

そのため渡辺の脳は同世代のそれよりもフル回転している機会が異常に多いとぼくは思います。すべては長谷川を自由に羽ばたかせるため、現場に呼ばれなくなるような失態を避けるため。

つまり錦鯉というブランドの価値を地に落とさないためですね。錦鯉をずっと経営していかなければならない。

想像なので根拠を書く必要もないですが、これは渡辺が一人で出演した番組なんかを観ているとわかります。恐ろしく反応が早く、圧倒的な語彙で返答する。

超人女子戦士ガリベンガーVのスピンオフ系列に一人で出ている渡辺を観ているとそれは顕著です。もちろん同番組は渡辺の趣味とするバーチャルYouTuberを取り扱うため、職業を意識せずとも言葉が浮かんでくるのかもしれない。こればかりは本人に聴かないとわかりませんが、渡辺はガチ目にバーチャルYouTuberの世界観を大切に思っていることは日々のSNS運用から伝わってきます。

普段の渡辺は、自分たちが関わっているようなイベント情報の引用をしつつよろしくお願いする旨を添えるだけです。宗谷いちかさんとは共演したことがあり、宗谷さんも渡辺の優勝祈願へメッセージを寄せた上に、優勝を喜んでいた。

もちろん渡辺と共演した方々はバーチャルYouTuberの世界にもかなりの数いて、それぞれが錦鯉の優勝を祈願していた。そちらについてはまた触れたく思います。

そして渡辺は思い出す。

長谷川の一張羅を自分の涙で汚したことと、長谷川の涙腺が決壊していることをです。

自分の涙はテレビに映す必要など感じていなかった。もちろん、そんなこと何も考えていなかったのかもしれない。あの渡辺がです。

「長谷川を活かし、すぐに軌道修正するためにモニタから目を離さない」ことを使命としている渡辺が、完全にテレビであることなんて優先しなかった唯一の状況が長谷川の胸に飛び込むことだった。これほどの男同士の友情が観られる機会なんてあるだろうか?

上で話した渡辺のスイッチは、長谷川の代わりにこの場を引き受けることと、王者として振る舞うことに切り替わったことでしょう。

一瞬で涙を引っ込めて、両腕を上げて渡辺は勝鬨を上げました。

長谷川はもう前が向けなかった。ずっと泣きながらお辞儀をしていた。

「渡辺がまずしたことが、長谷川の胸で泣きじゃくることだった」という事実に泣きそうになったぼくは、何もこらえることができずに泣き始めた長谷川を観てついに、本当に泣かされてしまった。

こんなに純粋な人間がいるでしょうか?

ともすれば、自分の年齢を気にして萎縮してしまいそうな晴れの日の舞台です。いわばこの場を足がかり、スタート地点としてまだ飛び続けなければならない。

そこへ身体ひとつで飛び出してきて、ギラギラした何歳も年下の連中が跋扈する中、勝ちを掻っ攫う。そして人目をはばからず号泣する。こんなに純粋な男がいるでしょうか。ぼくの周りにはいない。

実際には、長谷川が号泣した原因は渡辺が長谷川にしか聞こえない声で「ありがとう」と言ったことでした。

投票が開示される前段階では「長谷川をこの場所につれてこられて良かった」と自分の戦績を誇るような余裕さえ見せていた渡辺がまずしたことは、実は長谷川に対する感謝を述べることだった。

……

今回の錦鯉はすべてが完璧だったことに勝因があるようにぼくは思っています。

それはこの直後、長谷川のインタビューにも現れています。次回に続きます。お読みくださりありがとうございました。

公式チャンネルから、本番の内容(今回記載したような幕間はなし)が再映されています。これは別に宣伝とかではなく、本文を補完する意味でまた次回も引用させて頂く予定です。



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