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「くっさぁ♡」に性的興奮を覚える事を正当化できたほうがいいのか解らない

さすがにヘッダ画像を借りて書く気になれませんでした。ぼくの中にほんのひとかけらの良心が残っていたのだろうか。


くっさぁとは

これはいわゆる二次元媒体における性癖……の話に該当するんでしょうか。近年、といいますか00年代、10年代、20年代と徐々に顕著になり始めた表現であるように思う。

その科白が示すとおり、何かしらに対する嗅覚的感想を述べている。おそらく性行為に準ずる行動を興している最中に、何かしらの嗅覚的特徴を架空のキャラクタたちがキャッチして発するものと思われる。

それは主に男女問わず発せられるように思えます。ぼくはその起源を見ていないため、男女どちらが先か、まではわからない。あるYouTuber(性別的には多分女の人、当アカウントでその方に触れたこともあります)が言っていたように、野郎の科白にハートマークをつける文化をぼくも同様に良しとしないため、竿役つまり男の側に端を発するものではないことを祈りたい。

つって起源をマジで辿ろうとすると、いわゆるかなり特殊な性癖の分野では90年代どころか80年代以前からあってもおかしくない気がする。でもそちらはさすがに趣味的にも年代的にもぼく自身が触れたことがなさすぎるため言及を避けたい。

で結局なんなのか

自分で話題にしといて言いづらいんですけど、この科白は主に性的興奮を覚える身体の部位から発せられる香りに対しての感想として述べられ、基本的には(相手やその場に対して)性的な羞恥を与えるために発露するだろう(何を真面目に語っているのだろう?)。

つまり相手の身体の香りをしてくっさーと言っているわけですね。これってよくよく考えると、濡れ場じゃなかったら単なる悪口ですよね。

ぼくは自分の身の回りに統合失調症患者さんがいたことはないのですが、いわゆる友達の友達、みたいな間柄についてその先に当該患者さんと関わりがある人がいて、そのお話を聞く機会がそれなりにありました。

統合失調症になると、症状のひとつとして幻覚があるらしい。さらに幻覚症状のひとつには「自分の身体から妙な香りがしているっぽい」みたいな妄想にかられてしまうというものがあるらしい。

ぼくはこれを聞いた時に、香りで人をばかにしちゃいけない、からかってすらいけないと思うようになってしまった。ぼく自身が言われてTraumaになったとかみたいな経験があるわけでもなく、偽善でしかないとは思っています。

しかしながら……あんたくせーよ、と、どストレートに伝えてしまうことで症状が悪化してしまう深刻な病気があると知って以降、「性的興奮を覚えがちな身体のパーツ、感覚器官に対して『嗅覚的な感想を述べる』ことで性的興奮を得る趣味嗜好」について笑えなくなってしまった。

香りと背徳感

香りとは記憶としてめっちゃくちゃ長期に渡って残っているという。幼少の頃体験して、落ち着いたことがある香りを大人になってからかぐと同様に安心するらしい。

これぐらい、五感の中でも香りとは特殊なものであるといえよう。同様にそれぐらい嗅覚とは人によっては受け止め方の重さがダンチであるともいえるだろう。

だから性行為に嗅覚を持ち出すことに拠る性的興奮も背徳的でひとしお……という向きもあるのかも知れないし、だからこそ実際もうそのへんのエロ漫画での濡れ場おもに前戯シーンとかでは当然のように書かれているんじゃないかと思う。主に「ムチッ♡ムチッ♡」という、初めて見た人にはなんの効果音なのかさっぱりわからない系の趣味嗜好の二次元系メディアではセットで描かれることが顕著であるように思える。

上記の趣味嗜好では、性的興奮を覚える部位がより特徴的に描写されがちである。つまり二次元メディアでありながら性的対象は幻想的な体型(この場合幻想的な体型とは痩せてたり均整が取れすぎた格好であると定義されると思う)を越え、現実で強調されていると興奮しやすい部分がそのまま強調されていることが多い。

つまり生生しい。生々しいつまりリアルっぽい感覚に相乗するのが何を隠そう嗅覚だろう。だから生々しい描写とともにくっさーとかみたいな科白が同時に書かれることで、エロを求める読者や視聴者の没入感はより深度深く進行するだろう。

このように、二次元性的メディアにおいてくっさーが導入されゆく結果を招いたことはそれなりに根拠があるように思える。しかしながら2段落ぐらい前で書いた様に、傷つく人のことを思うと単純に性的魅力を感じることに抵抗を覚えざるを得ない。そんなことを考えずに絶頂できる人は何よりも幸せなのだろうと思う。

あとナチュラルに先天的に特殊な汗腺を持って産まれてきた人もいる。そういう方々は自分のそれに対して性的興奮を覚えられることを嫌悪するとも聞いたことがある。人によってまちまちかも知れないが……

答えが出ないままペンを置かざるを得ない。一生答えは出ないんじゃないだろうか?

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