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『キッチン』人間の死とファンタジー【読書感想文】

うわ!もうこんな時間。
この間、Twitterのフォロワーさんがオススメしてくれた『キッチン』がたのしくてたのしくて…夜更かしして読んでしまいました。
「aiko好きなら、是非!!」
とのことで…言われてすぐに買いに走りました。
はい、そうです。わたしは生粋のaikoファンです。
もう、すごいの。
本当にそう。aikoファンには是非読んでほしいって思っちゃった。
世界観がまさにそれ。
読書好きのフォロワーさん、本当すぎょい、、、。(震え)

登場人物の深いところが映し出される。白・黒・透明な中から感じられる鮮やかな色、暗いところから明るい場所へ連れていかれる感覚。
すべてが綺麗に浮かびあがってきて、読んでいる最中、ずうっと、うっとりしてしまう。

だいすきな表現がいっぱいあって、書いても書いても止まらない。

綺麗な情景が多すぎて、涙がすぐそこまで押し寄せてきているの。
もう、何度も何度もトビラを叩いて、「いつでもそこに行くからね。」ってわたしに言っている感じがする。

光が空の青に溶けて、かすかな輝きが空気の層を白く照らす。

吉本ばなな『キッチン』

はぁ〜〜〜〜!なんて美しいのって、、、泣いた。(涙)
その一節だけ読むのも良いんだけれど、物語のここぞという場面で、キレキレの言葉を選んでくるあたりが、もう…「やられた〜〜〜」ってなった…本当に好き。感謝してもしきれない。
(もう、感動しすぎて、好きすぎて、こんな感情もりもりの読書感想文になっている自分が気持ち悪い。笑)

『キッチン』のなかの物語は、死とそれと隣りあう登場人物の日常や感覚、人の流れる様などが書かれた小説。
『死』を取り扱っているので、終始暗い内容なのかな、と思うんだけれども、そんなことはなくて。

冷たさを感じるんだけれどほんのりあたたかくて、初雪が降った頃にマフラーや手袋で体を温めてくれるような。
恋人のポケットに右手だけ入れて、暖をとるような、そんなぬくもりを感じさせてくれる言葉が多かったなぁ。
やさしさで、胸がきゅーっとなったり、抱きしめられたりする。

全然怖くないの。
不思議なんだけれども。

もう1作品も『死』を取り扱っている作品なんですが、ファンタジーな要素もあるからか…読了後は、幸福感が溢れてくる。


人間関係において、『この人の考えていることが、今なんとなくわかる。』という感覚、たまにありません??
わたしは、何となく思う時があって…。

そうゆう時って、「気づかないフリしておこうかな。」とか「こう言ったら迷惑になるかな…」とか、「少し時間をおいて考えよう」とか思ったりするんですよね。


小説の中でも、『きっとこう考えているんだろうな。』と主人公が相手の絶望感や孤独感を感じとる瞬間がある。
しかもそれは大体当たっていて。
1度目は考えて、【行動しない】道に行く。


けれども、【相手を考えて行動しなかったこと】よりも【自分の直感的な行動】のほうが、より良い結果を生む場合がある。


考えて考えて、「やっぱり辞めようかな」って思うことってたくさんある。

けれども、「なんとなくこうしようかな?」と気持ちのままに行動した時って、わりとハッピーに終わったりする。

わたしも、わりと気持ちのままに行動することが多いのですが、最近は歳を重ねたせいか、ビビってしまう時が多くなっている。
今まで、『思うままの行動』で幸せを掴んできたはずなのに…今の今まで忘れていたことに気づいた。

相手のことを考えすぎるのって、あまり重要ではない。
相手が辛い時、もちろんそれに寄り添ってあげたいと思うし、放っておいてあげることも大事なのかもしれない。
けれども…わたしは、見守るよりも、何か行動する人になりたい。


今は絶望が残っていても良い。
これから、最高に楽しい気持ちを持って行くから。待っていてほしい。
ひとりよりも、ふたりで何かを抱えた方がラクになるよね?楽しいこともあるよね?
そんな気持ちにさせてくれた。

なんだか、背中を押された気がする。
相手の気持ちに触れるって、幸せなことなんだなぁ。気づかされた。

ありがとうございました。


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