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『生きるための哲学』 愛を望み、愛を諦め、次の愛へ【読書感想文】

こんばんは、こんにちは♡

わたしは、基本的に誰かからすすめられた本は、ひと通り読むことにしているんですが…。
今回は、尊敬する友人のひとりから教えてもらった本『生きるための哲学』について書いていきます。


人間って、大体毎日なにかかしら悩んでいると思うんです。その約8〜9割は人間関係になってくるのかなと。こうやって、ぐるぐる考えていることこそが哲学。


私もここ最近、まったく理解できない人のことに関して、あーでもないこーでもないと頭の中で考えていて、「もう疲れちゃったな。」って思っていたんです。
彼女がこの本を教えてくれて、出会わせてくれて、本当に感謝しています。

すっかり、悪いつきものが落ちたみたい。ありがとう。


さ、また前書きが長くなったので、いきまーす。


そもそも「哲学」とは何なのか?
哲学って聞くと、「難しいこと言ってるな」「意識高い系かよ」って思う。

この本では簡単に、『正解のない問いを問うこと』と書かれている。

自分の生き方・あらゆる事柄・人間・世界。その真理をとことんまで追求すること。


『生きるための哲学』では、人間との関わりや経験を経て、どんな変化が起こったのか。どのようなものを失い、再生していったのか。といったことが、実際の事例をもとに書かれている。
中には、『車輪の下』などで知られているヘルマン・ヘッセ、『夜と霧』のヴィクトール・E・フランクルといった人物も。教科書に出てきたような著名人の過去についても、まざまざと書かれている。


そんな彼らの生き様を見ることのできる面白さもあってか、堅苦しい『哲学』のイメージから、誰もが抱いている人生に関わる『哲学』といったイメージに変換されたようで、自分ごとのように、時には涙を流しながら読んでいた。


人間は、愛を求めていきるものだ。しかし、愛されることを求めすぎてはバランスを崩してしまうし、期待して裏切られたときは、より多く落胆する。

本の中でたびたび登場する『安全基地』という言葉。
多くの場合、それは親であったり家族であったりする。もちろん、恋人や友人という人もいるだろう。


幼少期に確立した『安全基地』が得られなかったケースについて、のちにどのような傷を刻んでしまうのか、どこまで深く刻まれるのか、修復していく方法は……オブラートに包まず、残酷なケースまで、多すぎず少なすぎず記されている。


自分も、もしかしたらその影響を少なからず受け、また自らの子供に対しても、何らかの影響を与えているのではないのか、と悲しくもあり怖くもなる。
与えすぎず、求めすぎず、何の見返りも求めない愛とは。そんな神さまみたいなこと、私にはできるのだろうか。


人生は最初から無意味だということになれば、自分の期待した人生というのは、単なる思い込みに過ぎない。どんな生き方でもよいのだ。

引用元『生きるための哲学』



恐らく現代人は、いまここにいる意味、生きる意味を求めすぎている。

『自分は何かを成し遂げなければならない』と思い、「何かしなくては」と思い込みすぎている。

『何かを成し遂げたい』と強く思っているのは、自分自身だ。
そう、これはただの自意識過剰というものであって、もともと自分は何者でもなく、世界の中ではアリンコみたいなもの。
ただ、世界の流れに逆らわず、揺蕩っていくしかない。

もちろん、守るべきものだとか、任せられている仕事があるだとか、こういったことをもつことで生きる意味を見出し輝ける場合もある。


特別なことを持たず、からっぽでいることは、怖いことではない。
持ち物が多いほど、重たくなって、なかなか捨てられなくて、思い出が増えて、結局、自分を脅かすものが増えていく。

なにも持っていかなくても大丈夫。

生きる意味なんてなくても平気。
ほとんどすべての事柄に、意味はない。
毎日が、人生の暇つぶしであるが故に、特別がんばる必要なんて、さらさらない。

無こそが最強である。


引用させていただいた一節。読んだ時、すんなりと心に入ってきてくれて、妙に安心させてくれた言葉です。
そう、もう期待して傷つけられたり、余計な気を回して裏切られたりしたくないんだ。
あぁ、そうか、すべては無意味で、考えすぎで、寧ろ、私とは関係ないことだったんだな。と思えるようになった。

『ニヒリズム】について、もう少し深くまで知りたいな。

自分を犠牲にしてしまう絆なら、いっそのこと切ってしまえ。

誰かに寄りかかることはもちろん、寄りかかられすぎることもまた、悪しき絆である。


愛情を欲するが余り、ズルズルと悪い方向へいってしまっては良くない。

あたたかく、いつ何時でも迎え入れてくれる、そして、お互いが気持ちの良い関係でいられるのであれば、絆は、より深いものになっていく。

いくら家族であっても、寄りかかってしまうものや、傷つけ合ってしまう関係は、いっそのこと切ってしまっても構わないのかもしれない。


別れは、新たな出会いのはじまりだから。

新たな希望を取り戻すためには、無残に壊れてしまった現実にしがみ続けるよりも、終わった事態を受け入れ、前に進むことも必要なのである。

引用元『生きるための哲学』




人と人との関わりに悩んでいたり、今までのしがらみから抜け出したい場合、ちょっぴり心がしんどい時に読みたい本です。


自分の弱い部分の起源を掘り起こすキッカケにもなったし、それを知ることで、妙に今の自分に納得して許せるようになった気がする。




まだまだ紹介したい言葉はたくさんありますが、まとまらなくなりそうなのでこのへんで。


では、おやすみなさい。


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