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キューバで学んだ! 競争のない世界の幸福度の高さ

キューバを訪れたのは2017年の年始。なのでもう3年も前のことになります。当時のアメリカの大統領はオバマで2015年に54年ぶりにアメリカとの国交が回復。2016年にはオバマ大統領がキューバを訪問、キューバ革命の父と言われたフィデル・カストロが永眠するなどキューバにとっては激動の年でした。

「アメリカとの国交が回復したら数年でキューバは変わってしまう」
「今のうちにキューバをみておかなきゃ!」

これが旅人たちの当時の合言葉で旅好きはこぞってキューバに出かけました。私ももれなくその一人でした。

帰国者が口を揃えて「キューバは本当によかった」絶賛されるキューバ。何がそんなにいいのかというと、人がとても良いというのです。私はそれを自分で確かめてみたくなりました。

キューバの社会主義

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もともとはスペインの植民地であったキューバですが、キューバ共和国として1902年に独立。19世紀になるとアメリカがキューバのサトウキビ農園を支配下におき、1950年代に親米のポジションを取っていたバティスタが独裁政権を樹立。この政権を倒しキューバ革命を起こしたのがフィデル・カストロとゲバラでした。

またキューバ革命の前にはキューバはソ連に接近し社会主義革命が起きています。成功した社会主義国と呼ばれることもあるキューバ。フィデル・カストロは後に首相に就任し、2016年に亡くなるまで国民に父として慕われました。

スーパーに物の種類がない

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社会主義ということで国民の医療費、教育費が無料。未だに配給があり、キューバ人の家には米、パン、野菜、肉、卵などの項目が書き込まれた配給手帳があります。

またスーパーに立ち寄って気がつくのは、どの商品も1メーカーしかないこと。上の写真が見て分かると思いますが、缶詰の棚がどの段も同じ商品。

マーケット(市場)がないので、競争がおこりません。各商品1種類しかないのです。

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キューバの平均月収といえば3000円ほど。スキルに関係なく同等の給料だそうです。税金は基本的にありませんが、プライベートビジネスを行う場合はがっつり取られるそう。

そんなキューバでも2019年にキューバ新憲法が施行。経済自由化に向けて歩みを進めています。近年は観光地としても人気のあるこの国で国民はカーサパルティクラルと呼ばれる民泊や観光客向けのビジネスに精を出している人も多くいます。豊かになるにはこの道が王道なのです。

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(ハバナの中心部にある公園の様子)

これもインターネットで他国の情報を得られるようになったからかもしれません。とはいえキューバでは高級ホテルにしか基本的にWi-Fiは導入されていません。しかしWi-Fiカードを購入することはできます。上の写真では人々は公園にたむろするWi-Fiカードの売人からカードを購入し、各々で繋いでいます。私の宿泊した民泊のホストもAirbnbのメッセージのやりとりをする場合、このカードを購入してWi-Fiに繋いでいるようでした。

アメリカとは絶縁状態にありましたが、国民がアメリカヘイトかというとそうではありません。ハバナでキューバリブレをご馳走してくれたおじさんは、Japan No 1、Cuba No2、America No3 としきりに言っていました。アメリカカルチャーに憧れているキューバの若者も少なくないとか。

人々が親切でフレンドリー

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キューバで驚くのは人々の屈託のない笑顔と人懐っこさ。観光客に声をかけてくる人の中にはたかりのような人もいますが、基本的には皆とても親切で人との間に壁を作らない印象。

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ハバナの街を歩いていたら突然「日本人か!?」と呼び止められ、自宅でキューバをご馳走してくれたり、ネイルサロンではスタッフのお姉さんが自分のおやつのドーナツを半分くれようとしたり。(しかも施術中!)

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またふらっと迷い込んだクラブでは、おばさまが私を見るやいなや嬉しそうに「チーノ!(中国人)」と絶叫。あまりに嬉しそうだったので、中国人ではないけど訂正しなくていいやと思うほど。バスの中では手持ちスピーカーでサルサのBGMを流したり、とにかく自由!日本人にありがちな同調圧力とか人の目を気にするとか神経質な感じは皆無な様子。彼らに憧れてしまいました。

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資本主義と社会主義では国民のメンタリティが大きく違うのではないか?

私たちが心から人の幸せを喜べないことがあるとしたら、資本主義は競争を原理に動いているからではないかと思います。他社より性能がよく、他社より優れていないと売れない。他人より賢く、他人より金儲けが得意ではないと生き残っていけない。資本主義の前提はこの競争です。例えば社内でリストラがあった際に、あなたと隣の同僚はライバルとなり、どちらかは職を失うのです。

私は元社会主義の国、ミャンマーでも同じことを感じました。屈託のない笑顔がミャンマーとキューバの共通点。出し抜いてやろうという狡さや比較競争という他人への厳しさがないのです。

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そんな人たちがかつてどの国とも違う「なんかいい!」な雰囲気を作っているのではないかと思いました。

AI時代になれば競争を手放し幸福を手に入れることができる?


AI時代の予測には、従来人間が行なっていた生産はAIに代替えされ人々は政府から支給されるベーシックインカムで暮らすことになる、というシナリオが多いのではないかと思いますが、政府が国民の生活を保証するという点で(現在は公務員以外のほとんどはプライベート企業ですね)、目指す方向としては社会主義なのではないかと思います。

これまでの社会主義の失敗といえば、競争が発生しないことによるモチベーションの低下が主でしょう。モチベーションに関しては人間特有のものなので、ネオ社会主義ではここは問題なくクリアできるでしょう。

資本主義の過渡期に立たされている今、AIによる労働の代替えを新しい社会の構成に注目が集まっています。

AIに仕事が代替えされネオ社会主義では人々は他者を心から思いやれる豊かな心を取り戻すことができるのでしょうか。

もちろん

こういった弊害も出てくるかもしれませんが、時代の進化が楽しみでなりません。



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