未来少年

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〈26.ジェームズブラウンを知らない?〉

 僕はニューヨークの高校生たちに「慎吾ママのオハロック」という曲のPVを見せてみた。SMAPの香取慎吾さんが歌ってる曲だった。実はこの曲のPVの中にジェームズブラウンも…

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18時間前

〈25.ニューヨークの高校生は日本好き〉

「私たちがこれから行く高校は黒人ばかりが通ってる高校じゃなくていろんな人種がいるわ。但し白人は少なめね」  僕たちはニューヨークの高校に連れて行ってもらった。放…

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2日前

〈24.♪忍者ラップ〜日本人からのメッセージ〜♪〉

作詞作曲・歌・演奏・振り付け 未来少年 ♪♪♪ 臨兵闘者皆陣列在前N I N J A R A P 俺の心に燃え盛る、炎は全てを焼き尽くし、 滅却すれば火もまた涼し、飛んで火にい…

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4日前

〈23.ラップバトル〉

 ダイアナさんがいつもダンスの練習を一緒にしているダンススクールの仲間に出合った。僕たちもダンススクールでダンスの美学を学ぶことになった。 「アンジュちゃんとま…

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6日前

〈22.ニューヨーカー風の軽口〉

「ちょっと寄り道しましょ」  僕たちはニューヨークの高校に行く前にダイアナさんが通っているダンススクールを見せてもらうことになった。  ダイアナさんに従ってニュ…

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8日前
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〈21.パワートゥザピープル〉

 僕は質問した。 「ねえ、思ったんだけど、ゲットーの人がいくら貧しいって言ったって全くお金がなければ1日も生きていけないよね。少しはお金があるの?」 「少しはお…

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10日前

〈20.ダイアナさんの生い立ち〉

「ほらここが有名なアポロシアターよ」  アポロシアターはジェームズブラウンなど著名な歌手を輩出したライブハウスだった。ダイアナさんはニューヨークの観光案内をしな…

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12日前
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〈19.アーユーレディトゥゴートゥブランドニューワールド?〉

 僕はその夜、夢を見た。佐賀の田んぼ道を歩きながら悩んでいた。 「日本人と黒人は仲良くできないのかな?」  するとそこにジェームズブラウンが現れ、 「日本人と黒…

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2週間前
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〈まほろちゃんとニューヨークの旅〜あらすじ〜〉

 次回から「まほろちゃんとニューヨークの旅」が始まります。この物語は僕・たかひろとまほろちゃんとアンジュちゃんがニューヨークを旅していろんな経験をするお話です。…

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2週間前

〈18.カフェクラブ完了記念パーティーを開く〉

 ということで僕はハーバー大学の生徒たちに僕の教える予定だった未来メルヘンの話を全て教え、カフェクラブは最終日を迎えた。 「皆さん今日は最終日です。今日まで話を…

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1か月前

〈17.ダイアナさんの抗議〉

「あんたたち、いい加減にしなさい!」 カフェクラブにいきなり誰かが乱入した。 「カフェクラブは中止よ。解散しなさい。でないと教授に訴えるわよ」  それを聴いてア…

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1か月前

〈16.魔力の源〉

 ペルー人の女の子メルーカさんが興味深い話をしてくれた。 「ペルーはかつてインカ帝国があったことで有名ですが、インカ帝国は縄文文化と関わりが深いと思います。ペル…

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1か月前
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〈15.水の神さま〉

 今日のカフェクラブは宗教というテーマで話し合った。  僕は語り出した。 「日本にはかつて蛇(へび)を信じる信仰があったんだよ。昔は蛇は神さまだと考えられていた。…

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1か月前
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〈14.インドの大逆転〉

 僕はカフェクラブのみんなに言った。 「今日はインドネシア人のアデさんとインド人のモディさんがみんなに言いたいことがあるそうだよ」  インドネシア人のアデさんは…

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1か月前

〈13.魔法の儀式〉

 ある日、アーサー君がカフェクラブに入ると床に大きな魔法陣が描かれていた。魔法陣の周りでは他の生徒たちが魔法陣の周りをグルグルも回っていた。アーサーくんはそれを…

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1か月前

〈12.キングくんは踊る〉

 ある日、キングくんは正装をしてきた。全身真っ白のタキシードを着て、蝶ネクタイして、シルクハットをかぶって、葉巻をくわえ、ステッキを付いた。 「これは何のカッコ…

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1か月前
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〈26.ジェームズブラウンを知らない?〉

 僕はニューヨークの高校生たちに「慎吾ママのオハロック」という曲のPVを見せてみた。SMAPの香取慎吾さんが歌ってる曲だった。実はこの曲のPVの中にジェームズブラウンも出てくる。

 ジェームズブラウンが出てきた所で教室に歓声が巻き起こった。

「スゲェ!」

 予想通りみんな驚いてるみたいだった。と思いきや、ハックくんから意外な発言が出た。

「J-POPのPVに出れるなんてこの黒人すごいね。」

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〈25.ニューヨークの高校生は日本好き〉

「私たちがこれから行く高校は黒人ばかりが通ってる高校じゃなくていろんな人種がいるわ。但し白人は少なめね」

 僕たちはニューヨークの高校に連れて行ってもらった。放課後に高校生がマンガを描くマンガクラブに入ってみた。

 生徒たちはみんな教室でマンガを描いていた。僕はマンガ好きな一人の生徒に声をかけてみた。

「どうしてマンガが好きなの?」

「マンガはアニメと違ってDVDプレーヤーとかもいらないし

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〈24.♪忍者ラップ〜日本人からのメッセージ〜♪〉

作詞作曲・歌・演奏・振り付け 未来少年

♪♪♪

臨兵闘者皆陣列在前N I N J A R A P

俺の心に燃え盛る、炎は全てを焼き尽くし、
滅却すれば火もまた涼し、飛んで火にいる夏の虫

日本人はみんな黒帯、密かに手裏剣使える忍び
稲荷に祈り、将棋で勝負、柔道、剣道、合気道
空手にカルタに神社に忍者
なんじゃもんじゃにどんなもんじゃ?
江戸と京都を3日で走る 飛脚がお客と徒競走

清潔、勤勉
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〈23.ラップバトル〉

 ダイアナさんがいつもダンスの練習を一緒にしているダンススクールの仲間に出合った。僕たちもダンススクールでダンスの美学を学ぶことになった。

「アンジュちゃんとまほろちゃんはいいとして、隆弘くんにはセクシーさが足りないね。」

 美男子のスモークが言った。

「日本人にはセクシーさが足りないんだよ!」

 熱血漢のシャックは叫ぶ。

 日本語ではセクシーと言ったら女性のイメージだけど英語でセクシー

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〈22.ニューヨーカー風の軽口〉

「ちょっと寄り道しましょ」

 僕たちはニューヨークの高校に行く前にダイアナさんが通っているダンススクールを見せてもらうことになった。

 ダイアナさんに従ってニューヨークのストリートを歩いていった。通りに音楽が流れていた。ダイアナさんはその音楽のリズムに乗りながら体を動かして歩き続けた。

「道を歩いてて音楽が流れてたらこうやってリズムを取るのよ」

 それにアンジュちゃんが共感した。

「分か

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〈21.パワートゥザピープル〉

 僕は質問した。

「ねえ、思ったんだけど、ゲットーの人がいくら貧しいって言ったって全くお金がなければ1日も生きていけないよね。少しはお金があるの?」

「少しはお金はあるわ。ゲットーの人の半分ぐらいは生活保護で生きてるわ」

「なんだお金あるんだ。じゃあ安心だね」

 アンジュちゃんは安心した。

「でも生活保護があるとそれはそれで大変なの。お金を麻薬に使う人がいたり犯罪の資金源にする人がいたり

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〈20.ダイアナさんの生い立ち〉

「ほらここが有名なアポロシアターよ」

 アポロシアターはジェームズブラウンなど著名な歌手を輩出したライブハウスだった。ダイアナさんはニューヨークの観光案内をしながら自分の生い立ちを語ってくれた。

 ダイアナさんはニューヨークの貧しい地区の生まれ。

「ニューヨークの貧しい地区はゲットーっていうのよ」

「ゲットー?」

 アンジュちゃんは聞き返す。

「インナーシティとも言うわ。日本の言い方だ

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〈19.アーユーレディトゥゴートゥブランドニューワールド?〉

 僕はその夜、夢を見た。佐賀の田んぼ道を歩きながら悩んでいた。

「日本人と黒人は仲良くできないのかな?」

 するとそこにジェームズブラウンが現れ、

「日本人と黒人の相互理解が大切だ」

 と言ってすぐ消えた。

 次の日、参加者がいなくなったハーバー大学のカフェのカウンターで僕とまほろちゃんとアンジュちゃんはくつろいでいた。これからのことを考える。

「ニューヨークで観光でもしようか? どこ

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〈まほろちゃんとニューヨークの旅〜あらすじ〜〉

 次回から「まほろちゃんとニューヨークの旅」が始まります。この物語は僕・たかひろとまほろちゃんとアンジュちゃんがニューヨークを旅していろんな経験をするお話です。今年の3月まで連載していたハーバー大学編の続きです。もし読んでない人がいたらハーバー大学編の方も読んで欲しいと思います。

 ニューヨークストリート編が12話、上流階級編が12話あります。ハーバー大学編が18話あるので、それを含めると42話

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〈18.カフェクラブ完了記念パーティーを開く〉

 ということで僕はハーバー大学の生徒たちに僕の教える予定だった未来メルヘンの話を全て教え、カフェクラブは最終日を迎えた。

「皆さん今日は最終日です。今日まで話を一緒にしてくれてありがとう。今日は世界中から集まった生徒たちに自分の理想の未来について夢を語ってもらいましょう。」

 イギリス人アーサーくんの未来。

「私は世界中の国々が教育立国になればいいと思う。労働生産性を上げて働く時間は減らして

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〈17.ダイアナさんの抗議〉

「あんたたち、いい加減にしなさい!」

カフェクラブにいきなり誰かが乱入した。

「カフェクラブは中止よ。解散しなさい。でないと教授に訴えるわよ」

 それを聴いてアーサーくんは立ち上がった。

「待ちたまえ。まず名を名乗りなさい」

「私はダイアナよ。ハーバー大学の生徒よ」

 ダイアナさんはNY出身黒人女性。ハーバー大学でもトップクラスの成績で知日派でありながら反日家だった。

「よろしい。例

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〈16.魔力の源〉

 ペルー人の女の子メルーカさんが興味深い話をしてくれた。

「ペルーはかつてインカ帝国があったことで有名ですが、インカ帝国は縄文文化と関わりが深いと思います。ペルーのマチュピチュの近くにあるチチカカ湖は縄文語で「父母」という意味です。もしかしたら当時の人々がインカ帝国と日本列島を船で行き来してたのかもしれません。

 インカ帝国の文化と縄文文化は魔法を信じる文化ということで共通しています。インディ

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〈15.水の神さま〉

 今日のカフェクラブは宗教というテーマで話し合った。

 僕は語り出した。

「日本にはかつて蛇(へび)を信じる信仰があったんだよ。昔は蛇は神さまだと考えられていた。

 例えば川は蛇行するから大蛇だと思われていてね、そして大きな蛇はドラゴン。川は水を与えてくれるから水の神さまでもある。そして水道の出口のことは蛇口って言うね」

「そういえばそうね」

 アンさんは呟く。

「蛇の神が水の神だと信

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〈14.インドの大逆転〉

 僕はカフェクラブのみんなに言った。

「今日はインドネシア人のアデさんとインド人のモディさんがみんなに言いたいことがあるそうだよ」

 インドネシア人のアデさんは言った。

「最近インドネシアは先進国の仲間入りつつあります。

 インドネシアは食料生産が盛んで人口も多く、特に若者の人口が多いです。敵対している国もあまりない平和な国です。これから食料需要は伸びる見込みがあるので先進国になる要素が揃

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〈13.魔法の儀式〉

 ある日、アーサー君がカフェクラブに入ると床に大きな魔法陣が描かれていた。魔法陣の周りでは他の生徒たちが魔法陣の周りをグルグルも回っていた。アーサーくんはそれを見て驚いた。

「君たちは一体何をしているんだ!」

「見ての通り魔法の儀式を始めるんだよ」

 僕は冷静に答えた。僕とアーサーくん以外の生徒は見向きもせず無表情で回り続けた。

「これは魔法陣グルグルっていうマンガで描かれた魔法陣で、それ

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〈12.キングくんは踊る〉

 ある日、キングくんは正装をしてきた。全身真っ白のタキシードを着て、蝶ネクタイして、シルクハットをかぶって、葉巻をくわえ、ステッキを付いた。

「これは何のカッコなの?」

 アンジュちゃんの質問にキングくんは笑顔で答えた。

「サプールだよ。俺の祖国コンゴで流行ってんだ。コンゴにはサプールっていうファッションがあってな、こういう格好をして街中で歌い踊って人々を楽しませるっていう文化があるんだぜ。

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