僕はその夜、夢を見た。佐賀の田んぼ道を歩きながら悩んでいた。 「日本人と黒人は仲良くできないのかな?」 するとそこにジェームズブラウンが現れ、 「日本人と黒人の相互理解が大切だ」 と言ってすぐ消えた。 次の日、参加者がいなくなったハーバー大学のカフェのカウンターで僕とまほろちゃんとアンジュちゃんはくつろいでいた。これからのことを考える。 「ニューヨークで観光でもしようか? どこに行きたい?」 するとアンジュちゃんは、 「舞踏会に行きたい!」 と言
次回から「まほろちゃんとニューヨークの旅」が始まります。この物語は僕・たかひろとまほろちゃんとアンジュちゃんがニューヨークを旅していろんな経験をするお話です。今年の3月まで連載していたハーバー大学編の続きです。もし読んでない人がいたらハーバー大学編の方も読んで欲しいと思います。 ニューヨークストリート編が12話、上流階級編が12話あります。ハーバー大学編が18話あるので、それを含めると42話という長編小説です。 ハーバー大学の時もそうですがこの物語にはいろんな意見を
ということで僕はハーバー大学の生徒たちに僕の教える予定だった未来メルヘンの話を全て教え、カフェクラブは最終日を迎えた。 「皆さん今日は最終日です。今日まで話を一緒にしてくれてありがとう。今日は世界中から集まった生徒たちに自分の理想の未来について夢を語ってもらいましょう。」 イギリス人アーサーくんの未来。 「私は世界中の国々が教育立国になればいいと思う。労働生産性を上げて働く時間は減らして余った時間は教育に費やすという社会を作りたい。 それとみんなが社会のために働
「あんたたち、いい加減にしなさい!」 カフェクラブにいきなり誰かが乱入した。 「カフェクラブは中止よ。解散しなさい。でないと教授に訴えるわよ」 それを聴いてアーサーくんは立ち上がった。 「待ちたまえ。まず名を名乗りなさい」 「私はダイアナよ。ハーバー大学の生徒よ」 ダイアナさんはNY出身黒人女性。ハーバー大学でもトップクラスの成績で知日派でありながら反日家だった。 「よろしい。例え敵であっても名乗るのが礼儀である。私はアーサーだ」 僕も立ち上がった。
ペルー人の女の子メルーカさんが興味深い話をしてくれた。 「ペルーはかつてインカ帝国があったことで有名ですが、インカ帝国は縄文文化と関わりが深いと思います。ペルーのマチュピチュの近くにあるチチカカ湖は縄文語で「父母」という意味です。もしかしたら当時の人々がインカ帝国と日本列島を船で行き来してたのかもしれません。 インカ帝国の文化と縄文文化は魔法を信じる文化ということで共通しています。インディアンの教え、アボリジニの教え、ハワイのホオポノポノなどのように魔法を信じる教えは
今日のカフェクラブは宗教というテーマで話し合った。 僕は語り出した。 「日本にはかつて蛇(へび)を信じる信仰があったんだよ。昔は蛇は神さまだと考えられていた。 例えば川は蛇行するから大蛇だと思われていてね、そして大きな蛇はドラゴン。川は水を与えてくれるから水の神さまでもある。そして水道の出口のことは蛇口って言うね」 「そういえばそうね」 アンさんは呟く。 「蛇の神が水の神だと信じられるのは川が大蛇のようだという考えからじゃないか?」 アーサーくんはそう
僕はカフェクラブのみんなに言った。 「今日はインドネシア人のアデさんとインド人のモディさんがみんなに言いたいことがあるそうだよ」 インドネシア人のアデさんは言った。 「最近インドネシアは先進国の仲間入りつつあります。 インドネシアは食料生産が盛んで人口も多く、特に若者の人口が多いです。敵対している国もあまりない平和な国です。これから食料需要は伸びる見込みがあるので先進国になる要素が揃っています」 インド人のモディさんも語り出した。 「インドもどんどん豊かに
ある日、アーサー君がカフェクラブに入ると床に大きな魔法陣が描かれていた。魔法陣の周りでは他の生徒たちが魔法陣の周りをグルグルも回っていた。アーサーくんはそれを見て驚いた。 「君たちは一体何をしているんだ!」 「見ての通り魔法の儀式を始めるんだよ」 僕は冷静に答えた。僕とアーサーくん以外の生徒は見向きもせず無表情で回り続けた。 「これは魔法陣グルグルっていうマンガで描かれた魔法陣で、それで実際に魔法が出てくるかどうか試してるんだ」 僕は笑顔で説明した。 「なん
ある日、キングくんは正装をしてきた。全身真っ白のタキシードを着て、蝶ネクタイして、シルクハットをかぶって、葉巻をくわえ、ステッキを付いた。 「これは何のカッコなの?」 アンジュちゃんの質問にキングくんは笑顔で答えた。 「サプールだよ。俺の祖国コンゴで流行ってんだ。コンゴにはサプールっていうファッションがあってな、こういう格好をして街中で歌い踊って人々を楽しませるっていう文化があるんだぜ。 実は俺は一流のサプールに認められた本物のサプールなんだぜ」 「へぇ、素敵
まほろちゃんはカフェへのお礼に掃除を始めた。 それを見たアーサーくんは驚いた。 「君は一体何してるんだ?」 まほろちゃんは笑顔で答えた。 「カフェのお掃除をしてるの。ディスカッションのためにカフェを使わせてもらったからお礼しようと思って。」 アーサーくんはそれに対して叱った。 「君は一生そんな仕事をするのか? そういう風に知性の低いものでもできる仕事を君みたいに頭のいい子がするのは才能の無駄遣いだ。そういう仕事は知性の低いものに任せて、もっと知性を高める努
アンさんは日本の萌え文化について語った。 「日本の少女マンガに描かれる萌え、トキメキ、女の子の夢を守るという発想は海外ではなかなか見られない価値観だと思うわ。」 ロリポップさんは共感した。 「私も日本のカワイイ文化好きよ。特にサンリオはカワイイわよね。」 「ロリポップっていう名前もカワイイ名前ね」 「サンリオキャラにいそうな名前でしょ」 ロリポップさんは笑った。 それに対してケイティさんは、 「でも日本のカワイイ文化は、カワイイ女が弱くて男性に守られる
アーサー君が学校の廊下を歩くと周りの女子たちが注目して浮かれ出した。 アーサーくんは貴族の御曹司(おんぞうし)。白馬の王子様なのでモテるけど、本人は恋愛には興味なかった。 「バカバカしい。恋愛などにかまけていてはリーダーとして冷静な判断が出来ないではないか。そんなことよりイギリスには少子化対策が必要だ。国の喫緊の課題なのだ」 僕は質問した。 「アーサーくんの将来の夢は何?」 「私は父の跡を継ぎたいと思う。父はイギリスの政治家である。私も父のように高い知性を持ち
僕は未来メルヘンについて語った。 「未来メルヘンというのはエコと助け合いを実行して平和で豊かな未来を作ろうという僕のアイデアです。 僕は小説を書いていて小説の中で戦争、貧困、環境破壊と言った現代の様々な社会問題が解決した理想の未来を思い描きました。そんな僕の小説を広めつつ小説に書いてあることを実行すれば小説に描いた通りの理想の未来が実現すると考えました。 未来メルヘンの基本は仲良しやり取りです。仲良しやり取りとは物のやり取りを通じて人と仲良くなることです。 例
スピーチを終えた僕の前にピッツギャルド博士がやってきた。 「皆さん、未来少年さんにもう一度大きな拍手を」 会場から拍手が巻き起こった。 「いやぁ、忍者や神社、アニメといった話題はアメリカの学生に受けると思ってたよ。みんな食い入るように聴いてたね」 「ありがとうございます」 「未来少年さんの話をもっと詳しく生徒に聴かせてあげたい。どうだね? もうしばらくハーバー大学でスピーチを続けるのは」 「僕も是非スピーチを続けたいです」 ビッツギャルド博士が生徒たちに聞
最後に中島家のルーツについて語りたいと思います。 僕の先祖である中島家は貿易商でした。日本と韓国の間に対馬(つしま)という島があります。対馬は宋(そう)という名字の一家が治めていた国で、日韓の国交を仲介していました。 宋氏は、政治的な問題はともかく経済では交流しようという考えを持っていて、江戸時代には日韓の友好に尽力しました。 そして宋氏の家来だった人が僕の先祖中島家でした。中島の名字は対馬が韓国と日本の真ん中にある島だから付いたそうです。 中島家の人は九州
次に佐賀の経済について語りたいと思います。 最近の佐賀はコロナが収まって少し景気がいいです。飲食店にもお客さんが戻ってきました。 夫婦でお店を営む人も多いし、女性も経済的に自立しています。 佐賀の中心街やショッピングセンターでは多くの雇用が生まれ、佐賀の会社も生まれています。 佐賀で生まれた人が都会で経験を積み、佐賀に貢献したいと言って佐賀に戻ってきて会社を作ることもあります。 そういう所では佐賀を都会的でオシャレな街にしようとイメージアップに取り組んで