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「言葉」が変わると考え方も変わるということ:「言葉」使いとともに成長するヒトの「意識」

 ヒトは生まれた後に何年もかけて「言葉」を覚え「意識」し、自身に問いかけ、そして他者とのかかわりの中でしだいに「語彙」と「文法」を増やし、社会生活の中で「言葉」と「意識」を作り変えてゆく。

●「言葉」使いとともに成長するヒトの「意識」


 ヒトは、誕生から3年、10年、20年以上かけて、「言葉」の扱い方を学習・習熟する。最初は親に自分の欲求を伝えるために、しだいに他者と協調生活をするために「言葉」使いを覚える。「言葉」の扱い方が変わるということは、脳内での意識(認識・想起・思考)の扱い方も変わるということだ。子供のころの高い感受性と好奇心は、「言葉」の習熟とともに論理と慎重さに置き換えられていく。「言葉」は、後天的に直接「脳」の働き方を変える特別な「道具」なのだ。

 「言葉」は「意識」して認識・想起・思考するための体内の仕組みであるにもかかわらず、ヒトが人口的に創り、改造し、世代を超えて伝えることができる「道具」でもある。「言葉」が変わると、脳内の均衡を保つためにヒトの「意識」の仕方も変わる。

●「言葉」と「意識」の相互作用

 「石器」を創るためには「ヒラメキ」を「意識」する必要があり、その「ヒラメキ」を具体的な「段取り」に落とし込んで形にする「論理的な思考」が必要となる。大人が「道具」を作っているのを子が真似る際にも失敗しては学ぶ「論理的な思考」が必要だ。狩りにおいても、最初は家族、親類などの小集団だったものが、しだいに大集団で連携して獲物を追い立てるようになる。それぞれの必要に応じて「言葉」の「語彙」と「文法」が変化し、変化した「言葉」を使うヒトの「意識」の仕方も変わってゆく。「言葉」は、「意識」というソフトウェアをのせて表現するための「プラットフォーム」なのだ

 6万年前に発生した「言葉」の進化とともに、最初はゆっくりと、そして「言葉」と「意識」「社会生活」の相互作用により、加速度的にヒトの「意識」を、「道具」を、「社会」を変化させてゆくこととなる。


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