びみょうな夕焼け
逃げ続けた課題を教室に一人残って、やる
同じ偏差値の馬鹿たちの馬鹿笑いを遠くに、
意味の部分で本当に『大きい』音楽を、あの馬鹿たちにバレないくらいで聴いている
窓の外の色が、
わたししか気づかない程度に体表に熱を帯びていた。
わたしは片耳を、机と、私のダウンの腕枕に伏せて音楽を聴いた
今日は学校で寝てばかりだった
今この時間だからわかるのは
「
授業中の空に魅力を見出せないのは頭がいいからかもしれない
でもわたしは馬鹿になりたくないわけじゃなくて自分で気づかないくらいに狂って人に見つけて欲しかった
なんで誰もわたしを見てない、撮らない
わたしが狂ってないから
」
いつも同じ結論に辿り着く
いつ何時でもわたしが感動してしまう
感動は鳥肌が立つ、憧れに劣等感が混ざる
震える
いつでもわたしの恋した感動の最終地点には最大の恐怖が紐付いていた
わたしがいちばん好きなことをするたびに堕ちる
「その窓から落ちる」
恋しい声の虚像が語る
「18の冬って?」
わたしがやめるとき
「いまも求められてないのに」
そうだったんだ。知らなかった
いくら詩的に表現しても、感動したとしても、写真を撮りたいくらいではなかった夕焼けの写真を見返して「わたしは一番馬鹿だ」と思う
その夕焼けは、微妙だった
カーテンが揺れて、
わたしは
夕焼けを横目に還った
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