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なぜ人はお金を貰うとやる気がなくなるのか?

皆さんは人生で一度は誰かから無償で
頼まれごとをされたことがあると思う。


勉強教えて
お皿洗っておいて
旅行中ペット預かって
ゴミ捨てておいて
洗濯物取り込んでおいて


そんな時にこう思ったことが
あるかもしれない。


なぜ何の見返りもなしに
私が手伝わなければいけないのか?


そこで、今日は本当にその見返りを貰えたら
あなたは喜んで働くのか?ということについて
とある本に書いてあったことを紹介したい。



この記事は3分で読み終わります。



お金を渡した方が悪い結果に?


上記の本では、


人間の行動は不合理であるが、
その不合理性にはパターンがある


ということを紹介している。

その中で報酬と行動の相関を示す
実験として以下のような内容が紹介されていた


ある学生達を3つのグループに分けて
パソコン上で左側の○を右側に移す
という単純なタスクを与えた。

学生達には1分以内で出来るだけ
多くの○を左から右に移すように指示されている。

そしてグループは以下のように分けた。

1つ目のグループ: 5ドルの報酬をもらう
2つ目のグループ: 50セントの報酬をもらう
3つ目のグループ: 無償で協力してもらう


実験を行った結果、1つ目の5ドル貰った
グループは1分間に平均159個の○を右側に移した。


では、2つ目と3つ目のグループは
何個の○を移したと思うだろうか?


50セントを貰ったグループの
平均101個の○を右側に移した。

報酬が1つ目のグループより少ないので
差が出たのは予想通りだと思う。


注目すべきは3つ目のグループである。

無償での協力を求められたグループが
1分以内に○を右側に移した数は


平均168個!!!


何と5ドルを貰った人よりも無償で協力
してもらった人の成果が良かったのである。

お金を貰わない人の方が貰った人より
パフォーマンスが高いのは違和感があると思う


念のためもうひとつ別の事例も紹介したい。


以前、全米退職者協会が、弁護士に
1時間30ドルで失業者の相談を乗って
もらうように依頼を行った。

だが、なかなか協力してくれる
弁護士は集まらなかった。


そこで、その協会は


無償で相談に乗ってもらうように依頼した


のである。

すると、相談に乗ってくれる
弁護士が大量に集まったのである。

これまた不思議な現象である。。。



社会規範と市場規範


人は報酬を与えれば与えるほど
頑張る生き物だと思われている。

では、先程の例ではなぜお金を渡さない方が
お金を受け取ったグループよりも
協力的に振る舞ったのだろうか?


実は人間は2つの規範に従って生きている。

1つ目は社会規範である。

これは倫理観や道徳観のように人として
大事にされているルールのようなもの。


2つ目は市場規範

こちらは相場感のようなイメージで、
例えば1時間働いたら1000円とか、
お祝儀だと大体3万円とかそう言ったルール。


ここで先ほどの例の話に戻ると、お金を貰わない
学生グループは社会規範に従って行動した。

つまり、人助けとして行動したのである。


一方でお金を貰った学生グループは、
市場規範に従って行動した。

つまり、報酬のために行動したのである。

結果として、1分間で5セントというのは
相場と比べても安過ぎるのでかえって
やる気をなくしてしまったのである。


もう一つの弁護士の事例では、
1時間30ドルと言われた時は彼らは
市場規範に従って判断しようとした。

結果として、彼らの通常の報酬と比べると
30ドルは割安過ぎるので協力を渋った。

ただ、無償で協力を依頼された時は
社会規範に従って協力的になったのである。



プレゼントだとどうなる?


ここで先程の学生の実験の続きとして、
お金のためにプレゼントを渡したら
どうなるのかを調査した。

5ドル渡す代わりにゴディバのチョコレート、
50セントの代わりにスニッカーズ
を与えたのである。


すると、3つのグループにほとんど差が
生まれなくなったのである。

つまり、学生達はプレゼントを貰った時は
市場規範ではなく、社会規範の中で
留まるようになったのである。

言い換えれば、プレゼントをもらっても、
"人助け"の範疇に収まることができた。


ちなみに、プレゼントを渡す時に、
「50セントのスニッカーズです。」と
お金を伝えて渡すとどうなっただろうか?

これは現金で渡した時と全く同じで
50セントのスニッカーズを渡した時だけ
パフォーマンスが著しく落ちてしまった。

金額を伝えると、社会規範ではなく
市場規範が適用されてしまうのである。



感謝の気持ちは、、、


このことから僕達が学べる
教訓はどんなことだろうか?


僕なりにまとめるとすると、


相場より低い報酬であれば、
無報酬でお願いした方が協力して
もらえる可能性がはるかに高い。


もし、無報酬が申し訳ないなと思う時は、
値段が分からないような形で簡単な
プレゼントを用意すると良い


直観的に言えば家事を手伝って欲しい時に、


家事を手伝ってくれたら200円あげるよ、
と言うよりも、冷蔵庫の高級プリン食べて
いいよと言われた方が断然やる気を引き出せる


たとえそのプリンが200円だったとしても、
プレゼントの形にすることでその人を
社会規範に留めておけるのである。




いかがだったでしょうか?

僕は結構お金で解決してしまいたがる人間(笑)
なのでこの内容はかなり驚きでした。

確かに、ボランティアの方が無報酬でも会社員
と同じように頑張っているのも違う価値基準で
考えていると思えば納得できますよね



みなさんは人のやる気を引き出すための
処世術みたいなのご存知ですか?



今日も一日お疲れ様でした!
明日も良い1日を😊

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