モノ書くゴリラ

いろいろなモノを書くゴリラです。30代のオス。動物業界で働くかたわら、副業で短編小説家…

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いろいろなモノを書くゴリラです。30代のオス。動物業界で働くかたわら、副業で短編小説家やってます~。

最近の記事

吉田知那美選手の「大丈夫!」にみる「楽観的」と「楽天的」のちがい

私は、カーリングと言うスポーツが大好きだ。正確にいうと、4年前の平昌オリンピックで、その面白さに気づかされ、大好きになった。 今回の北京オリンピックでは、運よくほとんどの日本戦をリアルタイムで観戦することができているのが嬉しい。それはもう、めちゃくちゃ楽しんでいる。 さて、試合を観戦していると、日本代表はどの国よりも大きな声を出して、細かいコミュニケーションをとっていることが分かる。そして、その中でもひときわ目立つ声の主こそ、吉田知那美選手だ。 「ナイス―!」 「ライン

    • 高梨沙羅選手の謝罪に想う、アスリートの「シゴト」が作り出すモノ

      お隣の国、中国の北京で、冬季オリンピックが開催されている。普段はウインタースポーツを見ることがない僕も、テレビでアスリートたちの奮闘にくぎ付けになっている。 やっぱり、国際的なスポーツ大会というのは、見ているだけで楽しいし、ワクワクするし、好きだ。 中国には高校生の時、修学旅行で一度だけ行ったことがあって、万里の長城も訪れたことがある。そして、その時は真冬ではなかったと思うけど、とっても寒かったことを鮮明に覚えている。 気温はマイナス10℃くらいだった気がする。さらに風

      • 【短編小説】おえかき

        とある町に、ある家族が暮らしていた。働き者の父親と、家族思いの母親、それと三歳になる娘の三人家族は、毎日幸せに過ごしていた。  父親は、いわゆる仕事人間で、若いころから出世志向だった。休日返上で働くのは当たり前だったが、彼の努力のおかげで、家族は周囲よりも裕福な暮らしを送っていた。  母親は、そんな夫を支えながら、毎日の家事と育児に励んでいた。  ある日、娘は楽しそうな様子で一枚の絵を描いていた。 「あら、上手に描けたわね。何を描いたか、ママに教えてくれる?」 「うん!

        • 賛否両論アニメ「Sonny Boy」が描きたかったものネタバレ考察【峯田和伸とモラトリアム】

          2021年も、これまでにたくさんのアニメが放送されてきた。話題のアニメも、面白いアニメもたくさんあったが、最近見て強烈なインパクトを感じたのが「Sonny Boy」だ。 この作品は、評価が真っ二つに分かれている。一方は「意味が分からない」、もう一方は「私は大好き」。 先に書いておくと、私は「私は大好き」派だが、「意味が分からない」派の気持ちはとてもよく分かる。というか、私自身は「意味わかんないけど、なんか大好き」という感じだ。おそらく、高評価をつけている人も、気持ちが分

        吉田知那美選手の「大丈夫!」にみる「楽観的」と「楽天的」のちがい

          ●短編小説●薬指とコークハイ

          「鼻、高いんだね。」 水滴のびっしりついたロックグラスを左手に、すっかり赤ら顔の武本がつぶやく。何度かグラスに口はつけているものの、15分ほど前から、中身は一向に減っていないようだ。 「…よく言われます。」 実際によく言われることなので、つい素っ気ない返答になってしまった、とクミは少し申し訳ない気持ちになった。 武本は意にも介せず、といった様子で、またグラスに口をつけている。ずいぶん酔いが回っているのだろう。優しげな細い目尻が、いつにも増して垂れ下がっているように感じた

          ●短編小説●薬指とコークハイ

          ●短編小説●車輪は東へ。

          「…明日の朝にはさ、もうお別れなんだね。」  いつもより小さい声で、足元を見ながらつぶやいたその声に、俺はどう答えればよかったんだろう。 「離れたくない。」 そんな女々しいこと、言えるわけない。 「絶対に戻ってくるから、待っててな。」  そんな無責任なことも、言えるわけない。  結局のところ、いつも通りぶっきらぼうに「うん。」と答えることしかできなかった。 いつもと違う、暗い笑顔が頭から離れない。瞼に焼き付く、という表現は、こんな時のためにあるんだろう。明かりを落とし

          ●短編小説●車輪は東へ。

          努力の方向性、というハナシ。

          昨日、妻ととあるテーマについて話していた。それは、「努力の方向性」。 まぁ、もちろん「努力の方向性について話そうか!」といった感じに会話がはじまったわけではないが、何気ない妻との会話から、いろいろなことを考えた。 ことの発端は、妻の知人のお子さんの話題だった。そのお子さんは大学受験を控える高校生で、やっとこさ合格した進学校で勉学に勤しんでいた。 いや、勤しんでいた、なんてレベルじゃないだろう。どうやら彼女は、毎日のように睡眠時間が3時間ほどしか確保できず、体調を崩しなが

          努力の方向性、というハナシ。