未済は、亨る。小狐汔済る。其の尾を濡らす。利するところなし。[64䷿火水未済]
未濟。亨。小狐汔濟。濡其尾。无所利。
「未済」という概念は、川を渡りきっていない状態、すなわち何も成し遂げていない、未完成で未熟な状態を指します。この未熟さは、小狐が川を渡る様子に喩えられています。狐はふさふさした大きな尾を持っていますが、これが水を含むと重くなり、泳ぎにくくなります。成熟した狐は川を渡る際、尾を高く上げることでこの問題を避けますが、小狐はその知恵がなく、岸まであと少しのところで尾を濡らし、渡りきることができません。未熟者はしばしば蛮勇で物事に取り組みますが、