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【易経の言葉】由豫す。大いに得ることあり。疑うなかれ。朋盍簪らん。[16䷏雷地豫:九四]

【結束を固める】0506
由豫(ゆうよ)す。大いに得ることあり。疑うなかれ。朋盍簪(ともあいあつま)らん。
「由豫」は、これに由って楽しむ。「朋」は仲間、同志。「盍」は寄せ集めてとじる。「簪」は冠の付属品であるかんざし。
古代中国の男性は髪を束ねてねじり上げ、かんざしで留め、冠をかぶっていた。多くの仲間と志を行う時は、末端から髪を束ねてねじるように結束を固め、一本のかんざしで志を貫くようにまとめ上げる。この段階を踏むことで、疑念を払拭し、志を達成して楽しむことができるのである。

「易経」一日一言/竹村 亞希子

九四。由豫大有得。勿疑。朋盍簪。 象曰。由豫大有得。志大行也。
九四は、由豫。大いに得るあり。疑うなかれ。朋盍簪あつまる。
象に曰く、由豫大いに得るは、志し大いに行わるるなり。
由はよっての意味。蓋は合と同じ。簪は搢の仮借、速やかの意。九四は大臣の位(五が君、四は大臣)におり、唯一の剛として、六五の君に委任されている。
この卦全体が、それに由ってしみを得るところの中心人物である。そこで辞に、由って楽しむという。占断もめでたい。大いに得るあり。ただし、柔弱の君の側近にあって、天下の事を自分一人でひきうけたのでは、疑われて危険である。疑われるというのは、自分が人を疑って、援助を求めないからである。誠を尽くして人を疑うことがなければ、同じ志の人々が一斉に馳せ参じて、助けてくれるであろう。これは占う人への戒めでもある。

易(朝日選書)/本田濟


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