コーヒーが割とすき(日記)

 むしろ普段より少し早く起きられたくらいなのだが今日は日記を書く。ペンキぬりの話はめちゃくちゃ続く予定だが私の都合である。そもそもこのnoteは私の都合である。私の都合へ誰かにお付き合い頂いてしまうわけだからインターネットとは有り難いやら申し訳ないやら、しかしそれがなくては物事を続けられない性格だから、やはり有難い。
 日記というからには日々起きたことを書くべきなのかもしれないが、朝起きたばかりで書くことにしているnoteなので、昨日以前に起きたことを書くのが常である。

 お茶の類がすきだ。コーヒー、紅茶、緑茶あたりのことだ。ココアなどもすきだが飲み物が甘いと食べ物の甘さと一緒になって胃のあたりがむかむかとしてくる場面が多いため、甘さはあまりない飲み物を選ぶことが多い。フラペチーノの季節限定品だけごくまれに気が向いて飲んでみる。味というよりもイベント事として楽しんでいる。
 すきといってもあまり詳しくはない。出てきたものを美味しいなあ、と思えればそれでよく、銘柄を知っているわけでも、淹れ方や茶器に譲れないこだわりがあるわけでもない。インスタントでも美味しくいただける(インスタント食品メーカーの企業努力には日々感謝している)ため、職場での眠気覚ましや気晴らしに重宝している一方、自宅では急須やコーヒーメーカーなどで淹れることにしている。実家がそうだったから、おのずと自分の城もそうなった、そうした、という具合である。

 紙フィルターを使うタイプのコーヒーメーカーを愛用している。
 一度、紙のフィルターが要らないタイプ(メッシュフィルターが付属している)をクレジットカードのポイント交換でもらって使っていた時期があるのだが、フィルターを洗うのが面倒すぎて手放してしまった。正直、紙フィルターを都度買ったほうがずっと楽だ。このとき、もしかして紙フィルターとメッシュフィルターとでは味が違うのかも、と少しだけ実感した。買い直した紙フィルターのメーカーで淹れると、慣れ親しんだ味がしたので。
 でもやっぱり別に豆にはこだわりがなかった。
 当時住んでいた近くで、評判のお店に豆を買いに行ってみた日もあるけれど、あまり違いが分からなかったのだ。

 ところが最近、友人の家へ遊びに行った際のことである。
 この友人夫婦には学生時代からさんざお世話になっていて、時折夕食をご馳走になっている。美味しいカレーを頂いたあとには、決まってこだわりのコーヒーを淹れてくださるので、これまた美味しく頂いている。こちらのご夫婦は豆にこだわりがあって、ご自宅の近くの豆屋さんで購入してきては常に複数種類をキッチンに常備しているのだ。
 その日もいつものようにコーヒーを淹れて頂いて、「いつもお世話になりっぱなしだから、今度地元に帰ったらお土産に地酒のひとつも……」なんて考えつつカップに口を付けたところで、私は目をぱちくりとさせてしまった。

 お、おいしい……。

 美味しいのである。いや、元々コーヒーはすきだから「苦手だったけどこれは飲めました」とかそういうやつではないのだが、これは美味しかったのである。えったしかに友人夫婦の家で飲むコーヒーはいつも美味しいなあと思っていたが、それは私に自宅で買う豆を変えさせる段階には至っていなかった(なにしろ私は何かを変えるのが面倒なタイプだし、新しい店へ行くのはとっても億劫である)。
 しかしこれは美味しい。美味しいごはんで膨れたおなかと心地よい疲労感の降りてきた夜にじわりと沁みるような苦み。美味しいのである。美味しい美味しいと言いながら飲みほした私は友人夫婦へ訊ねた。店の名前と詳細を。

 そんなわけで今、私の目の前にあるのは件の店で豆を買って淹れたコーヒーである。ああ美味しい。
 ほかのものを書くために今日は日記にしたはずが、思ったよりも日記が長くなってしまったので今後こういう日は5分だけ書く、などに留めるべきである。

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