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#12 ふたりのキャリアをトレードオフにしないために

こんにちは、XTalent(クロスタレント)という会社の代表をしています、上原達也と申します。弊社では、withworkというワーキングペアレンツ向けの転職サービスを運営しています。

こちらの記事では、デュアルキャリアカップルな方々へ、それぞれのキャリアを考える上で参考になるお話ができればと思います。

デュアルキャリア・カップルとは?

「二人とも自分の職業生活が人生に大切で、仕事を通じて成長したいと考えているカップル」だそうです。
デュアルキャリア・カップル――仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える より)

例えば、子どもができてからも夫婦フルタイムで働くとか、それぞれの年収が近い水準にあるようなカップルが該当するかもしれません。

よく「専業主婦世帯より共働き世帯が逆転しています」というグラフを見たことある方も大いのではないでしょうか。そのデータを見ると、2000年に入る前くらいから専業主婦世帯より共働き世帯が増えています。

ただ、その共働き世帯の多くは女性が非正規雇用の比率が占めていることから、いわゆる「子育てが落ち着いたので母親がパートに出る」といった世帯も含まれています。

何が言いたいかというと、この「デュアルキャリアカップル」は社会においてはまだマジョリティとなっていない存在であるということです。

私はワーキングペアレンツの転職支援をしてきて、このデュアルキャリアカップルを阻むキャリアの壁を沢山見てきてました。

この記事では、その壁の正体と、それを夫婦で超えていくための考え方についてお話できればと思います。

長時間労働とワークスタイルの壁

1つ目の壁はこちら。
やはり家事や育児などをお互いシェアしていくとなると、長時間労働や働き方が障壁になります。

今までは共働きといえど「家事や育児は女性がメイン」という考えが色濃かったと思います。その一方で「夫婦でフィフティ・フィフティに分担しています」という方も徐々に増えてきているのではないでしょうか。

そうなってくると、どちらかが長時間労働をするとフェアな分担が難しくなることもあります。また、都心の住宅価格が上昇していき、通勤時間の長い郊外に住む方も増えていくかもしれません。リモートワークの活用有無も影響してきますね。

また、時間の柔軟性も重要です。例えばフレックス勤務の会社であれば、保育園の送迎前後に仕事をしながら一時的に中抜けするようなスタイルも可能になります。

今までは子どもが生まれるとどちらか(主に女性)が時短勤務を選ぶことが普通でした。ところがこうした働き方ができると、夫婦フルタイムでやりくりする、という選択肢も取りやすくなるかもしれません。
実際withworkでも、フルタイム勤務希望で転職活動をする方が増えています。

▼参考

ここでは特に、男性の働き方の変化が重要となってくるでしょう。

アンコンシャス・バイアスの壁

2つ目の壁は「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」という言葉です。耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、誰もが潜在的に持っている「無意識の偏見」として、無自覚のうちに持つようになった物事への見方や考え方のことを指します。

例えば、育児中の女性が残業や出張をしていると「お子さん大丈夫!?」と心配されたという話をよく伺います。でも、男性に同様の声をかけるでしょうか?

ここには、「育児は女性がするもの」というアンコンシャス・バイアスがあるといえます。

こちらの記事でも紹介していますので、宜しければご覧ください。男性へのアンコンシャス・バイアス、という観点にも言及しています。女性は家事育児を〜という価値観を裏返すと、「男性は稼いで家族を養うべき」ということでもあるのです。

▼参考

仕事を通じて成長したい、家庭にもしっかり向き合いたい。そうした想いに対して、無意識の偏見からくる、悪気のない振る舞いに辟易とすることもあるかもしれません。
これは社会がもっと変わっていかないといけない点であることは間違いないです。

そしてこれは、周囲だけでなく当事者も抱きがちです。
「母親としてしっかりしなきゃ」「自分は男なのだから〜しなきゃ」と、知らないうちに自分に対して固定観念を抱いてしまっていないでしょうか。

自分は第一子が生まれたとき、「仕事を頑張らなきゃ」「でも家族との時間も大事にしたい」という葛藤に悩んだことがあります。
そういう方は、まずは夫婦同士でそれぞれのアンコンシャス・バイアスについて考えてみてもいいかもしれません。


夫婦でお互いにどう在りたいかを話し合おう

さて、ここまで書いたことはあくまで自分がwithworkというサービスの運営を通じて感じたことですが、もしかしたら実感のある方もいらっしゃるかもしれません。

まずは何から取り組んでいくべきなのでしょうか。
自分としては、夫婦の対話の時間を持つことをおすすめしたいと思います。

例えば目指したいキャリア、収入、家族との関わり方など。お互いのWillをちゃんと聴きあい、お互いでどう支え合うことができるか。
意外と「そういう話をしたことがありません」という方も多いのではと思います。

「こうあるべき」という社会の固定観念にとらわれず、それぞれの人生を大切にするために話し合ってみてください。

ちなみにwithworkでは、夫婦そろってのキャリア相談も歓迎しています。
実際、女性の方の転職支援をしながら、「自分の夫の転職相談に乗って欲しい」と言われることもよくあります。
また、相談いただく方がワーキングペアレンツに限らないことも増えてきました。

あなたたちのキャリアとライフをトレードオフにしない選択のため、何かしらお役に立てると嬉しいです。



XTalent株式会社 代表取締役 上原達也さん

キャリアと家庭をトレードオフにしない社会の実現に向けて奮闘する2児の父。ベンチャー企業でのハードワーク時代に子供が生まれ、自分の仕事と家庭のバランスに葛藤した原体験から、ワーキングペアレンツ向けの転職サービス『withwork』を立ち上げる。ベンチャー企業を経営しながら、自らも家事と育児に勤しむ日々。主な担当は食事と掃除と家計管理。小学2年生になった長女に宿題を教えるのが下手すぎることが、最近の悩みだとか。


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