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女性の3人に1人が育休中に転職を検討。その裏側にある、「時短で給与大幅ダウン」問題について

こんにちは、ワーキングペアレンツのための転職サービスwithworkを運営する、XTalentの上原です。引き続き在宅勤務によって、運動不足です。最近ジムの契約をしましたがオミクロンの流行を言い訳に一瞬で死に会員と化しました。


育休中の女性の転職背景は「給与が低いから」

本日、こちらのプレスリリースを弊社にて出しました。

ワーキングペアレンツx育児休業という切り口の調査はまだ世に少ないのではと思います。この4月から育児・介護休業法の改正も控えておりますので、ぜひご覧ください。
今日は、こちらの内容に触れたお話をさせてください。

そもそも育休に転職活動を行う人は今とても多く、まさにこのタイミングで「保育園が決まったので」とwithworkにご登録する方も増えています。
そして今回の調査から、女性の転職理由で最も回答が多かった項目が「給与が低いから」という理由でした。

意外に感じられたでしょうか?それとも、「やっぱりそうだよね・・」と納得でしょうか?

時短で給与が大幅ダウンするからくり

ご自身で体験された方ならお分かりかもしれませんが、この裏に想像されるのが「時短勤務で給与大幅ダウン問題」です。(勝手に名付けました)
ロジックとしてはこうなります。例えば8時間勤務のフルタイムから6時間勤務の時短になった場合、基本給が6/8掛けされます。加えて、特に中小企業やベンチャーでは固定残業代が含まれているケースが多く、その金額が除外される。また場合によっては賞与の対象外となることもあります。
では、年収600万円(固定残業代45h含む、賞与なし)の方が6時間勤務になった場合を想定してみましょう。

・フルタイム時年収:6,000,000円
 ・基本給:4,546,800円
 ・固定残業代:1,453,200円
・6時間勤務時年収:3,410,100円
 ・基本給:3,410,100円
 ・固定残業代:無し
※月間平均所定労働時間176h、割増賃金率1.25倍

高精度計算サイト『keisan』を利用して算出

このようになり、フルタイム時の年収の57%程度の金額となってしまいます。新卒時の給与よりも下がってしまった、という方もいるのではないでしょうか。(ちなみに、固定残業代も8/6掛けして支給するなど、このような大幅ダウンにならないような措置を取っている企業もあります。)

その待遇に業務は見合っているのか?

時短で給与が下がる、ということ自体を批判するつもりはありません。そもそも残業をしなくて済んでいる、その分負荷を減らせている。といった事情もあるかと思います。労働時間と付加価値が比例する業務もあるでしょう。
一方で、withworkに登録いただく方からはこのような声も沢山聞いているのです。

・時短勤務になったけど、時間が短いだけで求められる成果や業務量が変わらない。
 ・そのため周囲が残業している中、必死に16時までに終わらせている。
  なのに自分だけ給与がこれだけ下がっている・・。
 ・時間内に終わらないので、持ち帰って夜仕事してる。
  それでも時短扱いとなって給与は低く、評価もされない。

・時短勤務になってから、やりがいのある仕事を任されない。
 ・確かに負荷は低いし、有り難いと思うべきなのかもしれない。
 だけど、この仕事が子どもを預けてまでやりたいことなのだろうか?
 とふと感じてしまう。

時短勤務自体は本人が選んだ(選ばざるを得なかった)ことかもしれません。しかし、本当にフェアな待遇なのか?と言われると、疑問を感じることは多々あります。
こうした方が所属している企業のWebサイトを見ると「育休・産休復帰率○○%」と誇らしげに書かれていたりします。確かに事実なのかもしれません。しかしその先に、管理職比率が上がったり、多様性がもたらされるイメージは想像できるのでしょうか。

フルタイム希望のワーキングマザーが増加する理由

こちらは昨年末に出したリリースです。withworkの登録ユーザー(女性が半数以上です)に対して行ったアンケートでは、「フルタイム希望」が約8割という結果でした。

withworkアンケート調査より

実際にリモートワークを機にフルタイムに切り替えた事例もあります。こちらの転職トーリーでは、転職して入社するタイミングでフルリモート体制に移行、当初は時短勤務でしたが「リモートワークならフルタイムでも働ける」と本人も気づきフルタイムに切り替えたときのお話を伺っています。




転職市場でフルタイムを希望する方が増えているのは、もしかしたらこれまでに述べたような問題の裏返しなのかもしれません。withworkでも、「リモートワークやフレックス勤務ならフルタイムで働けます」というご相談や、ご入社事例は今非常に多いのです。
一方で、それでも時短勤務という選択肢は必要だと思います。実際、これまで週4勤務での転職支援をしたこともありますし、ダブルケアのためリモートワーク×時短勤務が必要、というケースも有りました。こちらの転職ストーリーもそんなお話です。



働き方の選択肢を増やしていこう


フレキシブルな働き方は、人の選択肢を確実に広げています。メルカリさんのYOUR CHOICEをはじめ、heyさんなど多様な働き方を尊重する取り組みが加速しています。

今までは、「リモートワーク目当てに応募されてもね・・」という企業の声もあったように思います。状況は一転し、柔軟な働き方ができないのなら従業員は組織を離れてしまう、というシビアな時代になりつつあります。

働き方に限らず、「子どもがいるなら時短勤務で、残業や出張は難しいよね」というバイアスを捨てなければなりません。これは企業だけでなく、従業員もそうだと思います。自身やパートナーに対して「こうすべき」というバイアスを持っている事はないでしょうか?

大手企業だけでなく、スタートアップにも多様性が求められる時代。ご自身のキャリア、採用や制度面のご相談など、お気軽にご連絡ください。

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