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転職活動のあらすじ(下)採用結果と決断

前回は転職活動中盤の記録として、挫折からの立ち直りと初めての一次面接突破、それから最終面接までの流れをまとめました。

今回はいよいよ転職活動最終章、採用結果と決断です。

内定通知

最終面接から3日経った土曜日の朝、エージェントから電話がありました。内定の速報でした。企業からかなり高い評価を得ていることと、正式な内定通知は週明けに改めて送付されるとのことでした。

ついに待ち望んでいた内定です!

苦しかった1ヶ月半を経て初めての内定獲得はとても嬉しかったですが、いよいよ自分の進退と家族の在り方を決断する時が来たという緊張感もありました。(ちなみに同時期に受けたもう一社は一次面接で落ちました。。。)

約束通り、月曜日には企業からメールで内定通知書が届きました。役職や給与、手当などの諸条件が明示されており、どれも文句のないレベルでした。転職というと、給与条件の交渉が大変というイメージだったのですが、さらりと希望年収を超える額を提示してきたため、交渉の必要性を感じませんでした。さらに重要なポイントとして、もし単身赴任になる場合は別居手当と帰省手当も出す、ということが明記されていました。

それから実は、面接の段階では(当時の)現職と同等の職位、つまり係長クラスとしての採用を考えていますとの説明があったのですが、蓋を開けてみると管理職採用でした。収入については、管理職ということで残業代が出なくなりますが、それを考慮しても年収は1.2倍近く上がる計算でした。

さて、条件的には満足のいく内容でしたが、友人からのアドバイスとして、内定承諾の返事を出す前に、一緒に仕事をするメンバーとの面談をした方が良いとのことだったので、面談を申し入れました。職場やメンバーの雰囲気が自分にフィットしそうか、実際の業務イメージはずれていないか、などを確認するためです。

先方は快諾してくださり、すぐに面談がセットされました。人事の方のほか、実務に関わる4名の方が参加してくださり、IoTビジネスのすべてがこれからのゼロスタートであること、精通したメンバーがおらず活動が思うように進んでいないことなど、赤裸々に現状を話して下さいました。

職場の雰囲気については正直よくわからなかったのですが、悪い印象は持ちませんでした。

家族との話し合い

仕事の内容、それから給与等の条件面含めて、またと無いチャンスという確信もあり、内定は受ける気満々だったのですが、家族と今後どうするかが焦点となりました。

まず、子供のこと。家族ともども年末に海外赴任から帰国したばかりですし、長女は受験も控えていることから今の学区から引っ越すことは考えにくかったです。小学生の次女については、かわいい盛りに一緒にいられないことは辛いですが、誕生日や運動会などのイベントには、会社の帰省手当を活用して帰ってくることも可能ですし、家計に関しても帰省手当とは別に別居手当が支給されることも安心感がありました。

また、マイホームについては、海外赴任で4年間空き家にしていたこともありますし、購入時に親に大きなサポートもいただいたため、今すぐに手放すということもできないよね、ということを話しました。

そうなると当然「単身赴任」という選択になりますが、これまで僕が家を空けるなんていうのは、1−2ヶ月の長期出張が最長でした。それでも妻は「あなたのやりたいことなら挑戦するしかないでしょ」と背中を押してくれました。

たしかに、この機会を逃せば、もう転職というチャンスはないかもしれない。このまま家族との時間だけを優先して悠々と現職を過ごし、そこそこの出世をして社会人生活を終えるのか。それとも、荒波かもしれないが自分の力試しのチャレンジをして、後悔のない人生を送るのか。

決断

やはり答えは明確でした。単身で、転職することを決意しました。今までの人生で最大の決断と言えるでしょう。

後日妻の話によると、「私(妻)のせいであなたが挑戦を諦めてしまうということは避けたかった。そのためには、後押しするしかなかった」という話を聞かされました。本当に感謝しかありません。

また、リモートワークも導入されていることから、将来的には自宅を拠点とした働き方もできるかもしれないという魂胆もあります。これまでの経験から、ホワイトカラーの仕事で(好き嫌いの好みは置いておいて)リモートワークができないなんてことはあり得ないと確信しています。もちろん、まずは新しい仕事の立ち上げが優先ですが。

退職願

さて、そういったわけで回答は「内定受諾」一択で、家族との話し合いも済んだ上で内定通知書に承諾のサインとハンコを押して返信しました。転職活動を始めてちょうど2ヶ月、6月末のことです。

しかし先方からは「現職の会社への退職願を確実に伝えること」を強く念押しされました。エージェントの方曰く、円満退社までのプロセスがうまくいかず、転職まで色々と揉めたりして入社がずれ込んだりするケースもあるらしいのです。

そんなわけで、すぐに上司に退職の意向を伝えました。これまで、退職を検討しているとか、転職を匂わせるような素振りは一切見せてこなかったこともあり、上司は驚きを隠せない様子でしたが、「それがあなたの決断なら、サポートする」とおっしゃってくださり、その後も一切引き留めに会うことはありませんでした

それから、実は最終面接の数日前に、家族揃ってコロナウィルスに感染してしまいました。前職では、コロナ陽性になるとたとえリモートワークでも問答無用で休養=仕事ができなくなるのがルールでした。そのため会社を10日ほど休んでおり、なんとその間に最終面接をオンラインで受け、休み明け早々に退職の意向を伝える形になってしまいました(汗)

完全に偶然の出来事とはいえ、上司にとっては、本当に迷惑な部下だったろうと思うのですが、何一つ僕に向かって文句を言ったりすることは無く、本当に感謝しかありません。。。

退職

その後は、いよいよ退職日の調整です。転職先の企業とも調整して、7月いっぱいは現業務のやり切りと引き継ぎ、8月は有休消化をいただき、退職日は8月31日。転職先への入社日は9月1日で決まりました。

退職願から有休消化前の最終出社日までは約1ヶ月でしたが、個人的にはかなりギリギリだったなと感じました。退職の手続きをしながら業務もやり切るのはそれなりに大変でしたし、会社の同僚や先輩・後輩にどのタイミングで退職を伝えるのかなど、神経を使いました。

それでも、最終出社日には退職のセレモニーを開催いただき、花束やメッセージカードなど、とっても心温まるお見送りをしていただきました。最後の最後まで、人に恵まれたなぁと思います。

最終出社日以降の有休消化中は、とにかく家族と共に過ごすことに徹しました。もちろん、ありがたいことに別れを惜しんでくださる仲間から送別会のお誘いもありましたが、今後も帰省で帰ってくることも頻繁にあると想定していたので、送別会は最小限にさせていただきました。その他、次の家を探しに行ったり、入社の準備も忙しかったです。

それでも家族で旅行に行ったり、庭仕事をしたり、たった1ヶ月でしたが、かなり濃厚な時間を過ごすことができました。

こんな感じで前職の最後を過ごしつつ、8月31日にいよいよ正式に退職となりました。実に、勤続年数17年と5ヶ月でした。これまで自分にありとあらゆるチャンスを与えてくださり、そして成長させてくれた前職には、心の底から感謝しています。

転職活動のあらすじ(下)まとめ

さて、これまで3回にわたって私の転職活動についてまとめてみました。40歳で初めての転職、挫折ばかり続きダメかと思ったり、最後の最後で良い出会いができたりしたものの、家族は離れて暮らすべきではないという考えは変わらないので、家族の在り方を見直さざるを得なかったことについては、決してパーフェクトと言えるものではありません。

しかし、自分の意志で決めた道なので、あとで振り返った時にこの決断が「ベストだった」と言えるように、悔いのないように生きていきたいと思います。

転職活動のあらすじはこれで終わりになりますが、書類作成や面接対策など、工夫したことや友人・エージェントからのアドバイスなどについて引き続き記事にしていきたいなと思っています。

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