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05:わたしと家族 その2

こんにちは、yuyaです。

今回の記事では、家族からの愛情について書いていきます。

父親の口癖

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父親はハングリー精神のある人で、

いつも満員電車に乗って仕事に行き、

暇があれば勉強をしていました。

もちろんそれだけの堅物というわけではありません。

休みの日は必ずといって良いほど母親と一緒に出かけ、

私もいつかこんな夫婦になりたいと、よく考えたものでした。

仕事と家庭を両立していた父親ですが、

事あるごとに、こんなことを言うのです。

「お父さんは大学に行きたかったんだけど、

家が貧しくて行かせてもらえなかった。」

そしてこう続けるのです。

「お前たちが学生の間は、

必要なお金を全て出してあげるから、

好きなことをしなさい。」

今考えても、この言葉には胸が痛みます。

「お前たち」というのは、私と3歳離れた妹と両方を指しているのですが、

このような恵まれた家庭に生まれ育ったにもかかわらず、

私は両親の、特に父親の期待に応えることはできませんでした。

反対に妹は順調に成長し、

大学までストレートで卒業して、

ワーキングホリデーを経験するなど、

かけたお金に相応の成果を出しました。

それが全てではないにしろ、

兄妹で大きな差ができてしまったことを、

私は申し訳なく思うのです。

妹の存在

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もし、私が一人息子だったら。

こんな恐ろしいことは考えたくもありません。

一緒に住んではいませんが、

今でも家族が集まることは珍しくありません。

もしも私が一人息子であったら、このような関係性は望めなかったでしょう。

妹との差を気にする私でしたが、

それは嫉妬ではなく、安堵から来るものでした。

妹が普通に育ってくれたから、家族が、両親が、

円満に暮らせているのは明らかです。

普通の子が家の中にいなければ、

私が子育ての基準になってしまいます。

そんなことがあってはなりません。

子育てについて失敗しか知らない、

両親をそんな境遇に追い込むことにならなかったのは、

全て妹のおかげです。

日本に住んでいる限り、

学校に通うのは当たり前です。

卒業できて当たり前です。

今でこそ多様な考え方が受け入れられていますが、

両親の時代は違います。

兎にも角にも、妹の存在があったからこそ、

私たち家族は、今も一つでいるのです。


つづく