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野崎まど 「パーフェクトフレンド」

こんにちは、匤成です。「【英】アムリタ」と同じシリーズで6作中の5番目の作品。以前レビューした「小説家の作り方」の次作にあたります。


今作は、小学4年生がメインキャラだからか、苗字ははっきりしない。

要約;友達とは何か? 魔法使いの謎と“復活のトリック”を探るミステリー

INO

「友達グループ」と呼んで良いだろう、女の子4人組が主役だ。クラス委員の理桜(りざくら)ややや(名前だ!)、柊子(通称ひぃちゃん)、そして“さなか”ちゃんの4人が主な登場人物だ。

ややや(ややと呼ばれている)は無駄に元気な天然ガールで賑やかし役だ。
柊子は引っ込み思案で読書しておとなしい子。「まほうつかいパピュー」シリーズという児童書にハマっている。INOという倶楽部に所属していて、井の頭界隈の“七不思議ならぬ40個以上の都市伝説”を解き明かそうとしている。これこそ今回のフラグだった。

理桜は4年連続でクラス委員を務めていて、同学年の誰よりも大人だと自負していた。頼られる存在であり、頭も一番良いはずだったが、“さなか”が加わった事で変化してゆく。
この理桜と“さなか”は今回の主人公だ。物語の始めではまだ出てこない。担任の千里子先生からも不登校児扱いされている。なぜ来ないのかも先生は知らない様子だった。

理桜は、千里子先生からプリントを届けるとともに、全く登校して来ない“さなか”の状況を聞き出し、「学校に来るよう懐柔してきて欲しい」と頼まれる。それでさなかの家に行く事になる。

さなかは【数学者】だ。日本にはまだ確かな飛び級制度はない。さなかは小学4年生の時点で大学教育のカリキュラムを全て修了している秀才だったのだ。

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