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こんにちは、匤成です。皆さん、短歌の本や歌集って読みづらいし、よく分からない、何だかつまらないと感じたことはありませんか? 大丈夫です。それは間違っていません。

1. 歌人は、面白いと思ったことを詠む

ひとつには、歌人は瞬間的な、誰も気付かないようなことを見つけては短歌にしているからです。しかもひとつの歌に捻りを加えて文学性を高めているのです。

ひとつ一つの短歌を読み砕いてようやくその歌の趣きを理解していくのですから、1ページにたった三首しか載っていなくても読むのに時間がかかるのです。読む私たちがその歌の出来事を面白く感じないと、その短歌の良さは保留されたままになります。それはよくあることで、どうでもいいと感じることすらあります。

小説であれば文章の連続で物語が流動的に進んでいくので、読み解けなくてもとりあえずは前に進めます。でも短歌の場合は、歌意が分からないとそこで止まってしまうこともある。そんな時は「解らん」と言って飛ばしちゃってください。短歌は難しいものだからです。

2.歌集は人生、思い出のアルバム

歌集の特徴として、短歌に人生を映すことは珍しくありません。10代、20代の頃は恋歌、恋愛を詠ったものが多いかもしれません。片思い中、交際中の読み手は共感できる歌も多いでしょう。
次に、親になったときに短歌は量産されます。親になった喜び、大変さ、子供さんのびっくりするようなエピソードを数多く経験したり目撃するので、短歌のタネに困らないのです。家族に食事を用意することが増えるので、台所短歌も断然に増える時期です。

そして次はいわゆる中年層に差し掛かり、社会詠、時事問題や人生の意味を考える時期に入る頃に、また短歌を詠みたくなる。今年のように惨事が起きた時はなおさらです。今はツイッターのようなSNSがあり、体を動かさずに反対運動する歌人もいます。これまでもデモに参加したり、批判的な寄稿文を寄せたりもしてきました。

そして高齢となり孫や子供たち、短歌結社の若い世代に思いを馳せて短歌を詠みます。自分が子供の頃の地元の風景が蘇ってきて、子供時代を思い出す短歌も多くなります。

まとめ

小説は、同じクオリティ、またはそれ以上の筆力を求められますが、短歌は年齢と共に内容がガラリと変わります。それが普通なのです。何をつまらないことを言っているんだ、と思わないでください。歌人そのものの人生が表れた自伝のようなものです。

ゆっくり、自伝を読むように歌集も読んでみてください。匤成でした。



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