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【note運用1周年】オウンドメディアをどう育てよう?フルノ公式note振り返り。

こんにちは。海の音編集部です。
この度、2023年7月17日の海の日をもって、フルノ公式note「海の音 - umi no oto -」の開設から1年を迎えました。
改めて日頃訪問してくださっている皆様、いつもありがとうございます!

さて、今回の記事は"note開設から1年でどのような効果があったのか"ということを、3ヶ月ごとのアクセス数や実施した社内アクションも交えて振り返ります。これからnoteを始める企業さんや運用間もない担当者さんのマイルストーンのような記事になれば嬉しいです。

フルノ公式キャラクター マイルくんがご案内します!

【note開設前】 BtoB企業だけどnoteを始めたい。どんなことが目的で、どんなことが面白い?

初めてのnote記事「初めまして。海の音を届けるFURUNOのnoteです。」を見返してみました。すると始まりの文章は次のような一文でした。

今読んでくださっているあなたに質問です。「古野電気」ってご存知ですか?街の電気屋さん?

「初めまして。海の音を届けるFURUNOのnoteです。」より

やはりnote運用の目的は"知名度向上"ですね。多くの企業さんも目的のひとつはそうではないでしょうか。
ですが、フルノはBtoBのメーカーで実は船舶用電子機器では世界トップシェアを誇っています。なので船舶業界ではかなり社名が浸透している(はず)。

そのため、一般的な知名度向上が会社の営業成績には直結しづらいため、その目的だけでは「noteを始めたい!」という提案は通りません。
そこで「note開設に向けた社内向けプレゼン資料」に記載した目的はこちらです。

「フルノ公式note 準備資料」より

ここで掲げた"3つの価値"こそが、フルノがnoteを始める理由でした。私自身フルノで働いて10年近くになりますが、とてもユニークな会社だと思っています。
世界初の魚群探知機の実用化、漁船・商船・プレジャーボートと世界中のあらゆる船に航海計器で安心安全を提供していること、創業70年以上たっても日々新規事業にもチャレンジしているスピリッツ、これらのネタを詳しく調べたらきっと色々なストーリーがあって、きっと面白い。そう確信していました。
具体的に挙げると次のような想いをもって記事を書いています。

  • フルノの優秀なエンジニアが精魂込めて作り上げた製品を世の中に知ってもらいたい

  • 日々現場に出てお客様と向き合い、お客様にとってベストな船を作り上げる営業やサービス員の方々の熱意を社内外に届けたい

  • フルノで勤務している様々な社員の色々な活動にスポットライトを当ててあげたい

  • 古野電気を育ててくれた『海』の魅力を古野電気ならではの視点で伝えたい

これらの想いを達成させるためには、ただ記事を書くだけでなく「フルノ」と「海の音」の存在を多くの方に届けなければいけません。やっぱり知名度向上も必要になってきますね。そんなこんなで2022年7月18日、海の日にフルノ公式note「海の音」がスタートしました。

こうして始まった「#海の音を届けるnote」

【開設から3ヶ月】 自分はnote社の人間か?と思うくらいnoteを社内に宣伝してました。

実際に運用を開始し、最初の3ヶ月が経過しました。記事数は月間4~5記事とコンスタントにリリースできていました。当初は魚探・釣り・ヨットと比較的どんなものかイメージがしやすい内容で記事を作成していたようです。
その頃のPV数と参照元データが以下になります。

2022年7月18日~10月17日のPV数と参照元
Twitter 62%、Google 13%、Facebook 10%と続く

ここから6、9ヶ月、そして1年とデータがどう変わっていくかもこの記事でお楽しみいただければと思います。

PV数はなだらかな右肩上がり、しかし参照元を見るとTwitterが60%超です。書いた記事は基本的にフルノ公式Twitterで発信していましたので、ツイートから見に来てくださる方が6割ということ、つまり以前からフルノを知ってくださっている方が多いことが分かります。今後このTwitterの割合を減らしていくのも運用の中の目標となりました。

それとは別に当時の私は課題を感じていました。それはnoteそのものの社内的認知が低いということです。取材申し込みを他部署にしても相手側は「のーと・・・?」といった様子で、note開設時のプレゼン資料も一緒に持っていって概要説明から入ることがほとんどでした。もはやnoteの宣伝を社内にして回っていたような錯覚すらありました(笑)

ちなみにnote開設時は全社に通達メールを出し、記事更新時には社員交流用の社内SNSで発信をしていましたが全然足りてなかったようです。これは後々反省することに。

そうして3ヶ月くらい経つと、ある程度社内にも海の音の存在が知られてるようになっていました。すると「記事に取り上げてください!」とお声がけいただける機会も生まれました。こうして生まれた社員側からの提案記事第1号がこちらです。

ちなみに今でも社員側から提案された記事は海の音のポリシーに合うのであれば、基本的には記事化するようにしています。取材される側の熱量も強く、多くの人に届けたいという想いが相乗効果を生み、良い記事になりがちという経験則がなんとなくありますね。

プロギングの記事はnoteの注目記事にも取り上げていただき、15000ビューを超える初期の人気記事になりました。noteでやりたかったことのひとつである「社員の様々な活動にスポットライトを当てる」こと、そして「社員の活動を多くの方に届ける」という目標が達成できた瞬間でした。

記事はnoteの「今日の注目記事」に選出
取材された方々も喜んでくれました

【開設から6ヶ月】 運用に慣れていくと当たる壁。マンネリ化を防ぐための3つの施策。

「海の音」の記事更新は月3~4回を目標にしていますが、運用半年間は無事コンスタントに記事を書けていました。がしかしPV数はというと、ご覧の通り伸び悩みを見せています。

2022年7月18日~1月17日のPV数と参照元
PV数は10月がピーク、以降は上がったり下がったり・・・・

正直「あぁ少し慣れてきちゃってるな〜」と感じていたのかも知れません。そこでnote運用のマンネリ化を防ぐ施策として3つのアクションを実施しました。

  • 最初の設定にこだわりすぎない、幅広いネタ選定

  • 執筆者を増やす。色んな目線でバリエーション豊かな記事を

  • 自分のテリトリーからより遠いところへ足を運ぶ

・最初の設定にこだわりすぎない、幅広いネタ選定

フルノは船舶用電子機器が屋台骨の会社であったことから、当初海の音は航海計器やマリンレジャーの記事を中心にしていました。しかし全社員のエンゲージメント向上を目的とする以上、陸上機器や気象観測機器といった船舶以外の取材を実施し、記事のレパートリーを増やすことにしました。

これらの記事は私自身の専門外の技術なので、執筆するための知識を得るところからのスタートでした。ですが分からないことが多いからこそ読者目線で執筆することができたと思います。

・執筆者を増やす。色んな目線でバリエーション豊かな記事を

執筆者も増やすことは重要な課題でした(今も苦労中ですが)。1馬力が2馬力になるだけでも記事数は2倍、もしも全社員がライターになったら・・・・・すごいことになりそうですね(笑)

この課題もnote経由で少しずつ改善していきました。取材対象になった釣りマニアな社員や採用チームがnoteの価値に共感してくれて執筆にチャレンジするようになってくれました。特に取材された社員は社内で声をかけられたり、自身のSNSで釣り仲間からも反応があったりと、良い効果を感じてもらえたようでした。

そういった方々の参加で自身にはない引き出しやネタが生まれ、それがnoteの活性化に繋がっていきました。また採用チームにnoteを活用していただけたことで、会社の中でのnoteの信頼性が高まったなと実感がありました。

採用チームに取材を任せて私はカメラマンとして参加することも
古野電気公式サイトの採用ページ
ピックアップコンテンツにnoteのバナーを設置、期待の高まりを感じます

・自分のテリトリーからより遠いところへ足を運ぶ

執筆者が増え、noteの社内認知も広がっていく中、自身が一番やりたかった"現場取材"もこの頃に開始することができました。
フルノの最前線でお客様に向き合っている営業員やサービススタッフにnoteに出演いただき、日々どんな想いで仕事をしているか、またフルノの現場ならではのエピソードなどを紹介しました。

こう言った作業場で黙々と作業する姿にもグッと惹かれます

特にこれらの記事は社内反響が大きく、取材を受けてくださった社員から「noteを読んだよ!と別の営業所の人から連絡をもらったよ。ちょっと有名人になった気分で嬉しかった、ありがとう!」という声もいただきました。

こうしてマンネリ化を防ぐためにとった施策は今後のnote運用にも大きなメリットとなりました。それは取材後により一層社内ネットワークが多岐に広がったこと。以降ネタ探しなどで苦労することが減ったなと思います。

例えばOBに取材したりと活動の幅が広がりました。

【開設から9ヶ月】 社内アンケートを実施。見つかった意外な課題。

参照元もTwitterが40%程度となり、google検索などが増加。SEOが強くなってきたのかも。

施策の効果もあってか、1月以降はまた右肩上がりにPV数を増やすことができました。担当者としては少し安堵できますね。

このあたりに気になってくるのは「noteは社内ではどれくらい受け入れられているのか?」ということでした。「こんな記事を読みたい!」だったり「この記事が面白かった!」などの声をもらいたいという狙いもありました。そこで全社アンケートを実施したのですが、別の課題が見えるという結果になりました。

アンケートでわかったのは「フルノ社員でもnote記事を読んだことがないという方が少なくない」という現実でした。遠くに記事を届けたいという想いが強かった分、足元への発信をおろそかにしていたのではないか?と気付かされる結果となりました。

回答者のうち20%が「読んだことがない」という結果に。
まさに灯台下暗し、「一番身近な読者=社員」という意識を高めるきっかけに

ここから社内発信をより細かく、積極的に実施することに方針を転換。社内だからこそ少し遠慮していた部分を、"逆に遠慮なくいこう"と思い切ることができました。

記事ごとに簡単なチラシを作成し、社内メールで全社配信、全社掲示板に掲載。他にもサイネージや社内チャットといった社内向けのあらゆる発信ツールで情報発信をしています。またQRコードも配置し、ご自身のスマホで読み取り気軽に読めるように工夫しています。

社内のサイネージでも放送し、社内露出を強化しています

そういった社内発信を強化したことでも新しい効果がありました。グローバルチームが記事の内容に興味を持ったことで文章を一部英語化し海外向けのSNSアカウントで発信しています。また1つ、海の音が遠くまで届いていくような予感がしています。

海外子会社の社員や顧客の方々にも記事を届けています

【開設から1周年】 運用1年を前にご褒美も。noteは会社の資産になっていくはず。

この1年間でおよそ50記事を公開してきました。そんな中、嬉しい出来事もありました。
それは12月3日、古野電気の創業日であり、今は魚群探知機の日にもなっているこの日にリリースした"魚探誕生のアフターストーリー"の記事が、半年後にいきなり1日で5000PVを超える躍進を果たしました。

日々noteのアクセス数を確認しているのですが最初は目を疑いました

この記事をSNSで再紹介したことがキッカケとなったのか、著名なまとめサイトに掲載されたことが理由だと考えられます。
この記事は公開時も「noteの今日の注目記事」にも選出いただきましたが、良質な記事は時間が経っても読んでいただける可能性があり、会社の知名度向上や理解促進に貢献するということが実感できました。

そしてこのご褒美で何より嬉しかったことは「noteにフルノの魅力を貯めることがいずれ会社の資産となる」という"フルノがnoteを始める理由"が実証できたことです。これからも良い記事を書き溜めていこうという大きなモチベーションとなりました。

これからも海の音を成長させるために色んなアクションをしていきたいですね
Twitterの割合が減る=メディアとして成長している という認識でやっていました

海の音をゆっくりとどこまでも届けたい。

note運用を始めたこの1年間は自社の魅力とは何か?ということと向き合う1年間だったように思います。そして改めてフルノには「世界初を何度も生み出してきた技術力」、「世界中に広がる販売・サービスネットワーク」、そして「海を大切にする社員一人一人の気持ちや行動」という魅力があると再認識しています。

2年目もこれらの魅力を掘り下げ、良質な記事を作り発信していきたいと考えています。次の目標は「海の音はフルノにとって、あって当たり前の存在」にすること。そのために仲間を増やし、バリエーション豊かで面白いと思える記事を変わらず公開していけるような仕組み作りをしたいと考えています。そして海の音を通してフルノの魅力がどこまでも広がる海のようにより遠くまで届くといいな、なんて思っています。

ぜひ読者の皆様には一緒に「海の音」を末長く応援して愛していただければ嬉しいです。

執筆:高津こうづ みなと

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