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風通しの良さ、高知の漁業への『愛』、暖かい気持ちで溢れるフルノの高知営業所です。

四国山脈と土佐湾で囲われた高知県は、昔から漁業が盛んに行われてきた地域です。みなさんの高知県といえば、"鰹の藁焼き"なんて印象もあるのではないでしょうか。他にもカンパチやマグロ、サバ、ウツボやマンボウなど魅力的な海産物が豊富にあります。
そんな高知に、フルノは創立20年目の1968年に高知営業所を設立しました。設立からおよそ半世紀、お客様の近くで漁業を支えてきた高知営業所をご紹介します。

高知営業所は所長、営業員1名、フィールドエンジニア2名、管理スタッフ2名の6名が在籍
左から管理スタッフの小松さん、川村さん、営業員の姫野さん、藤川営業所長
フィールドエンジニアの阿部さん、中西さん

カバーするのは高知だけじゃない?
船と共に移動する高知のフィールドエンジニアの仕事

まずはフィールドエンジニアの阿部さんと中西さんからお話しを伺いました。

阿部さんは新卒として入社し今年で16年目。大学で学んだ電子工学をどのように活かすを考える中で、フルノの屋台骨である"漁業"というフィールドに魅力を感じ入社を決めたそうです。
入社後は銚子・焼津といった国内でも有名な漁業の街でフィールドエンジニアとして経験を積み、地元四国へ戻ってきました。

中西さんは現在入社12年目。元々は造船関連に就きたいと考え、高校時代から溶接・フォークリフト関連の資格を取得していたそうですが、東日本大震災の影響で業界を取り巻く環境が厳しくなり就職先も絞られる中、趣味の釣りがきっかけで高校の先生からフルノを勧められ就職に至ったそうです。

阿部さん「高知営業所は西の土佐清水から東の室戸岬までが主なエリアとなっています。東西200kmくらいの横長の形をしていて、県の南全体が海に面しています。そのため高知県の右から左まですべてが対応エリアになります。」

基本的に日帰りで対応することが多いとのことですが、高速道路が通っていないエリアも多く、場所によって高知市内から車で4時間程度要する事もあるのだそう。日々移動も含めて大変な業務を担われていると感じました。

また高知の漁業者ならではの特徴があるそうで、そこが他の地域の営業所と高知営業所の違いだと教えてくれました。

中西さん「高知県の漁業といえば近海かつお一本釣り漁船が有名ですが、これらの漁業者さんは高知県内だけで操業しているわけではありません。カツオの北上・南下に合わせて南西諸島から三陸沖まで幅広い範囲で操業しています。こういった旅船たびぶねは千葉県の勝浦や宮城県の気仙沼などの漁港にも水揚げしています。そのため修理・メンテナンスの際は私たちも現地に伺う事もあります」

県外まで出張修理もあるとは知らず、高知営業所のフィールドエンジニアのカバー範囲の広さには驚かされました。

旅船:本記事では魚の回遊に合わせて、季節と共に各地を移動しながら漁を行う船を旅船と呼称します

営業所を支える縁の下の力持ち
管理スタッフが作る営業所の雰囲気の良さ

続いて、管理スタッフの川村さんと小松さん。共に他社を経験してキャリア採用として5年前に入社されました。普段どのような業務をされているかをお話しいただきました。

小松さん「基本的には支払・請求処理を行っていますが、先ほど旅船の話もあったように高知内だけでなく、気仙沼や石巻から送られてくる書類の処理も行っています。他にもお客様の要望を受けてフルノ製品以外の商品を仕入れることもあります」

川村さん「高知営業所の管理スタッフは2人いるのですが、四国内の他の営業所では1名しかいないところもあります。管理の方が中長期で休まざるを得ない場合に備えて“チーム四国”で連携もしています」

キャリア採用で入社されたお二人に高知営業所の雰囲気についてお聞きしたところ"雰囲気の良さはピカイチ"と口を揃えて言っていました。

川村さん「私も小松さんも高知県生まれの"はちきん娘"。はっきりものを言うタイプなので、その分営業所の方々と日々コミュニケーションがしっかりできていると思います。特に藤川さんが所長になられてからはより一層和やかな雰囲気となったように感じます」

小松さん「フルノの製品は専門的なものが多い上、フルノ以外の製品や部品手配の種類も多く、難しさを感じることはありますが、働きやすい良い職場なのでこれからも頑張っていきたいですね」

インタビュー中も元気なお二人、終始和気藹々とした雰囲気を作っていただきました。この方々がいるからこそ、高知営業所は雰囲気良く、それぞれが自信の役割をこなせているのだろうなと感じました。

高知の漁業を未来へ繋ぐ
営業スタッフと他部門の連携のカタチ

そして、営業の姫野さん。九州で生まれ育ち、キャリア採用で15年前にフルノに入社、佐世保営業所、宮﨑営業所を経て2022年に高知に着任した経験豊富な営業スタッフです。

ですが転勤してまだ1年程度、地域によって漁法が異なると、必要となる製品知識が違うこともあります。そうした苦労もあったのではないかと伺ったところ「高知に着任してからちょうど1年経ちましたが、だいぶ仕事は慣れてきました。苦労することももちろんありましたが、この異動は自身にとってプラスになっています」と力強い言葉が返ってきました。

営業の姫野さん

高知営業所に異動して姫野さんが感じたことはやはり旅船が多いということでした。しかしそこでもこれまでの経験が活かせていると言います。

姫野さん「やはり旅船が多いというのは高知営業所の特徴ですね。銚子・千葉勝浦などに修理を依頼する、実際に訪れる機会が多くあります。
以前、宮崎営業所に在籍していたときに気仙沼に行く機会がありましたが、高知営業所でも気仙沼に行く機会があるなど、これまでの経験が活かせているなと感じます」

お客様と日々向き合う中で、従来の漁業の形だけでなく、これからの漁業の形、仕組み作りを考えることも意識していると姫野さんは言います。

姫野さん「高知営業所では開発部門のフィールドテストにも積極的に協力しています。高知県も漁業人口が減少していく中、新しい技術やシステムで効率的な漁業を実現していくことがフルノにとっても漁業者さんにとっても良い形だと思います。フィールドテストなので試行錯誤の連続でうまく行かないこともありますが、開発部門の努力に現場も応えたいなと考えています」

こうして他部門の方とも交流があること自体が自身にとっても良い機会になっていると教えてくれました。だからこそ、忙しい日々の業務の中でも、"感謝"を忘れずにしていきたいのだそう。
電話やメールなどで都度、関係者にはお礼をしているそうですが、直接”ありがとう”の言葉を伝えたいという気持ちが強いとのことです。

姫野さん「気仙沼営業所や銚子営業所、地域の代理店などの担当者には本当に感謝していますね。高知県には旅船以外にも大小多くの漁船があるので、常に旅船に付いて県外に営業しに行くわけにもいきません。
多くのフォローを旅船が寄港する地域の方々からいただいています。また営業はお客様と接する”最前線”にいるため、お客様から感謝の言葉を直接いただきますが、それも開発や製造などの部門があってこそ。本当にありがたく思っています」

"明るい営業所を作る"
高知の自由な風が吹く営業所

最後にお話しを伺ったのは営業所長の藤川さん
所員のみなさんが"営業所の雰囲気がとても好きだ"と言っていたことを伝えると嬉しそうに話を聞かせてくれました。

藤川さん「私は入社後、高知、宇和島、徳島と四国各地の営業所で勤務してきました。四国は近いようで実は県ごとで空気感や県民性が異なります。その中でもお客様には恵まれたなと感じながら仕事を続けてきました。
自分が営業所長となった今思うことはやはり風通しの良い職場を作りたいということですね」

"何事も押しつけすぎると若手が報告しづらくなる"と話す藤川さん。若手が多い高知営業所でも所員の方々と日々のコミュニケーションが大切だと言います。

藤川さん「日常会話では冗談のひとつも言いながら楽しくやっていきたいと考えています。もちろん締めるところは締め、厳しいことも伝え、業務は回していかないといけません。しかし、やはり所員あっての営業所、明るい営業所にしたいと常々考えています」

これまで何度か出てきたカツオ一本釣り漁についても伺いました。

藤川さん「たくさんのお客様がおられる中でひとつ名前を挙げるのは良くないかも知れませんが、11年連続で近海カツオ一本釣り漁で水揚げ全国1位となった明神丸さんを担当させていただいていることは誇らしく思いますね。また、新製品のフィールドテストを明神丸さんにお願いすることもあります。そこで結果を出さなくてはならないプレッシャーもあります

漁業の世界では、口コミで製品の評価が広がっていくことも多いとのこと。全国的にも有名な明神丸さんが沖で実際に使って良い評価を得られる場合、一気に広がっていくこともあるのだと言います。

最後に藤川さんにこれから高知営業所をどのような営業所にしていきたいかお聞きしました。

藤川さん「現状、高知県では漁船や漁業者さんが減少傾向にあります。ですが、その中でもしっかりと今の規模を維持しつつ、新しい良いものができればしっかりと既存・新規のお客様問わず提案していきたいと考えています。高知営業所では数年前から新しい市場に向けた製品開発を本社と連携しながら進めています。
漁船数が減っていったとしてもまずは現状維持、さらにはそれを上回る成績を残せれるように所員のみなさんで力を合わせて頑張っていきたいです」

高知営業所の方々へのインタビューを通して印象に残ったことは、『高知県の漁業への想い』でした。高知県の近海カツオ一本釣り漁は全国でも有名ですが、「お客様の船が近海カツオ一本釣り漁で水揚げ全国一位になったらやっぱり嬉しいし、その時期になると速報が毎日上がってくるので、その情報を見て営業所内で一喜一憂している」という言葉が印象的でした。
そのことを誇りに思い、自分たちのことのように喜んでいる姿に高知県の漁業への愛を感じました。



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