おやじのお年玉

新年を迎えてさ　僕の一番の楽しみはね
お正月に貰えるさ　おじさんからのお年玉なんだよね

だって僕のお父さんよりさ　おじさんのお年玉のほうが沢山だからね
それにおじさんはお父さんより立派な車でさ　とてもかっこいいからなんだよ

だから将来僕もさ　おじさんみたいに立派になってね
子供たちにお年玉を渡したいとね　思っているんだよ

でも僕のおやじはさ　どうやら必死になってね
二千円札探してさ　僕のお年玉袋に入れたみたいなんだよね

だってその二千円札のね　紫式部と光源氏がさ
泣いているようにね　僕には感じたからなんだよ

確かそれは源氏物語の話だったよね　その中で美男子の光源氏はさ
何度も恋をしてさ　そして振ったり振られたりして恋をし泣いただろう

それと同じだけさ　おやじは僕のお年玉を驚かせるのにさ
必死になって探してさ　僕の喜ぶ顔を期待していたんだろう

その気持ちが僕にも伝わってさ　僕はお正月から少し温かい気持ちにね
そんな気持ちにさせてくれるね　おやじからのお年玉だと思ったんだよね

だから僕もさ　子供に夢を与えられるような立派なおとなになるよ