【XIV】 フラクタル
人間の意識を機械にアップロードすることを目指して技術革新を進めている『MinD in a Device』と言う会社がある。
『MinD in a Device』が進める意識の移植
なんとなく、もう20年もかからないんじゃないかと言う気がしているのだけれど、絶対にその日は訪れる。
では、意識とは何か?
まず、現実とは、情報のことだ。
それ以外の何物でもないように思う。
すべては振動、電気、電磁気などのデジタルな情報で、モーフィアスが言うように、現実とは、我々が脳で解釈している電気信号のことだ。
よく、『意識が朦朧とする』と言うが、朦朧としていると感じている時点で、(内を観察している)意識自体は通常であり、朦朧としているのは感覚器官の方(の意識)だ。
すべてのものには意識があって、この世の現実は個々ですべてが違う。
この世のすべてはフラクタルであって、自分の中の原子や微生物や細胞や、臓器、すべての階層ごとに複数の意識はあって、自分自身の内側に向いて、個として、それすらを観察するようになった(フラクタルに分岐しているある部分が全体になった)部分が、集合意識から離れて1つだけの意識だと錯覚しているのが、今の意識ではないかなと思ったりします。
どこまでマクロで見ても、ミクロで見てもこうなっていて、それを脳のニューロンや文明の発展形、宇宙や銀河に当てはめてみても同じなはずだ。(故に、そんな人間が集まって形成する文明にもまた、当然、寿命があり、それもまた、今、起こってること自体です。)
脳と宇宙のネットワーク構造、それに限らずすべての構造はフラクタルになっています。
1次元の点も拡大すると円でしかなく、それが無限に繰り返されるし、自然界にある円なども、コンピューター的な解釈では、どれだけ細かくしていっても、拡大したら多角形になっており、海岸線の正確な長さも永遠に算出することは出来なくて、拡大する度に永遠に複雑になり、それは原子の大きさまで行ってもまだ先がある。
(ルドルフ・シュタイナーは『天地の未来 地震・火山・戦争』で、地球は完全な球体ではなく、正確には、ピラミッド系の三角形で構成された四面体で、三角形の平面が湾曲して丸くなった四面体をしている、と説いている。また、この本で、シュタイナーは、火山の噴火においては、地下にあるものではなく、外の星位に由来するものが作用する、とも説いている。)
『ホログラフィック原理』
ヘーラルト・トホーフトによって最初に提唱された、『ホログラフィック原理』というものがあり、この3次元の情報はブラックホールの2次元の表面に立体で書き込まれる情報のホログラム、つまりは、『影』のようなものにすぎない、と言う理論もある。
(影は立体が持つ情報の一部であり、元の立体の形や、光源との距離、光が当たる方向によっても形は変わる。だから、太陽と月の関係も...)
ブラックホールの情報のすべては、その表面に書き込まれていて、それはホログラムのように映し出されたものだということも既に分かってきている。
実際、私たちが見ているものもすべて、網膜の視細胞に反応した光による脳の電気信号であって、網膜は2次元の膜なので、網膜によって捉えられる映像は2次元。それが5感で感じる世界と矛盾がないように右脳と左脳が2つの目により補正し、3次元であるかのように錯覚させている。
2次元上のホログラムが何故、立体に見えるか、と言う原理を考えてみてもホログラフィック原理は間違いないのではないかとも思えるし、この原理は『AdS/CFT』対応で計算結果も一致するとも言われています。
そこに、二重スリット実験での量子の性質なども加味すると、この世界が投影されている仕組み自体は、そういうものなのではないか、とも思います。
ホログラフィック・ユニヴァースの話だと、マイケル・タルボット『投影された宇宙』がかなり面白くて、何度も読み直した時期がありました。
仮想現実の技術も、この世界での物質的現実をコーディングする仕組みを模倣して作られており、感覚器官に伝達された情報を脳が解読して、仮想世界の固体や立体へと変換している。
『因果律』
この世のすべてはフラクタルであるが故に、理由なしに存在することはできない。
すべての結果には原因があって、その原因にもまた原因があって、この世のすべてはその『因果律』で成り立っているからだ。
逆に言うと、因果が起こって世界が発現するためには、必ず別の存在が必要で、”全”しかなければこの世は生まれないし、全体から部分が切り離されて、その部分が自分すらを観察し始めたのが個とも言える訳です。
ガリレオは、動いているのは天(世界)ではなく、地球(自分)だと見抜いた。すべてはフラクタルであるのだから、この現実でも動いているのは現実(世界)ではなく、自分(意識、心)の方だ。
この世界は量子でできており、量子の振る舞い、『量子もつれ』も正にそういうことであるし、
量子コンピューターは、量子ビットが、量子の振る舞いに基づき”観測するまで”は、『1』でもあり、『0』でもある状態をとるため、膨大な組み合わせの計算が短時間で出来る、というコンピューターであり、量子自体は自然物であるので、実は量子コンピューターは、自然の法則を利用して計算する一種のアナログ・コンピューターだったりもします。
また、量子コンピューターは、量子の振る舞いを量子状態のまま効率よくシミュレーションすることができるため、究極的に言えば、最終的に、この現実世界は自然によって完全にシミュレートされてしまう可能性すらを秘めています。
この現実がリアルだと誰が証明できるのか?
意識とは情報の集積からくる処理自体、情報から来る欲や目的のことで、生物は生きていく事での種の保全、思考する事での進化、辺りが目的ではないかと思うのですが、目的を持つと言うのは実は難しい。
例えば、ロボットが何かをしていたとして、何でそれをしているかと言うと、そうプログラミングされているからだ。
ロボット自身には、何でそれをしているかは分からない。
そのプログラミングをした人間が直接教え込めば、いつかは理解するかもしれないが、そもそも何かをした目的というのは自発的ではなく、そこに目的は存在せず、すべてプログラミングから来ている。それに、仮に理解したとしても、理解できる(その世界における)プログラミング構造で構成されていたからにすぎない。
しかし、人間にもまた、ベンジャミン・リベットさんの自由意志に関する実験、準備電位によって、私たちの脳内では、何かをしようと意識決定する電気信号の0.35秒前には、脳から決定を促す無意識的な準備電位が現れており、0.35秒前には、すでに脳により決断は下されている、と言う事実が存在する。
僕がこのことを知って色々と調べたのは、この前野隆司さんの動画を見たのがキッカケだったと記憶している。
結局のところ、『プラトンの洞窟の比喩』が教えてくれるように、フラクタルの外のレイヤー、外の世界の現実と言うのは実際に出てみるまでは、中にいる者には一生分からない。
イチゼロシステムのゆうさんの様々な動画がキッカケで、より広範囲に色々なことを繋げて考えるようになったのですが、
でも、そもそも、次元とかその外のレイヤーとか言うものも、この世のフラクタル構造に『ただ在る』というだけなので、実際は、人間が5感では感知できないだけ、また、勝手に区別しているだけで、そこには区別などないのではないだろうか?
私たちはこの現実をリアルだと思っている。
私たちが作った、ゲームの中の住人もまた、その現実をリアルだと思っている。
私たちの体内の臓器も、その中の微生物も、宇宙に存在する惑星も、すべて同じなのではないだろうか?
川瀬芳広さんという方が、ブログで次のようなことを言われていて、
これにも、なるほど、と凄くうならされました。
何故、『異世界転生』ものが溢れていて刷り込まれているのか?
脳神経の構造を3次元的にマッピングしてコンピューターの中で再現する技術、脳を半導体にコピー&ペーストする、Samsungとハーバード大学の研究がある。
身体ごとすべてを違う世界に送り込むのではなく、こういった技術で、情報や記憶を送り込めば、別の次元や異世界に転生することも可能になってくる。
だとするならば、ある特定の情報や、それを基にした概念を送り込めば、異世界では、『スライム』だったり、『悪魔』だったり、『天使』だったりと言う存在で生きていくことも可能なのではないだろうか?
ゲームと言うのはやはり、低い次元の世界で実現できるかどうかの実験であり、それを後に、我々の世界で具現化させる、それの究極的なものが『デジタルツイン』なのではないか?と言うこと。
映画やアニメというのもまた、技術的、物質的な側面ではない、精神的、集合無意識的な側面でもそれを担っているもので、我々の世界で具現化させていくものなのではないか?と思いました。TVもそういうものに近い気がします。
具現化させる、例えば、メタバース的な世界に自身の記憶や特定の情報を転送すれば、そっちの世界では、自分のなりたい概念の存在になれるようになる。(しかし、実際は、管理者がいる時点で、すべての人それぞれが、なりたい存在になれる世界は来ないはずです。)
そして、理論的には、元からフラクタル構造のこの世に”在る”別の次元や異世界の住人がこちらの次元や世界にアクセスして来れたとしても、まったく不思議ではない気がします。(それが人間のような存在の何かだと考えてしまいがちな所が人間の想像力の限界なのであって、この次元にいる人間には想像もつかないような存在、知性なのではないかと思っています。)
既に太古の時代から、その上と下(内側と外側)の世界を行き来している現象が『球電光』だったりするのかもしれません。
そう考えると、吸血鬼、悪魔召喚とか黒魔術、儀式とか言うものもあながち...
Manry P. Hallさんの『The Secret Teachings Of All Ages』
意識を転送したり、脳を半導体にコピぺ出来るようになるのであれば、悪霊やネガティヴの靈が、その人間を〇して、その肉体に入る、とか言われていたようなことも実際に可能になってしまう。
それは、ただ、どこのレイヤーにいる、誰の視点で見た物語なのか、という事でしかないように思われます。
(勿論、善と悪、天国や地獄、ポジティヴやネガティヴというのもすべて、どこのレイヤーにいる、誰の視点で解釈したか、という事でしかありませんが。)
人類は、移動に一番エネルギーを使うので、テレワークなどに移行していたり、自動運転の限定された移動手段だけになっていったり、最終的には、人類の総データ化、というのがSDGs的未来には合理的ですし、この地球に何かしらの物理的なイベントが迫っているとするならば、それがノアの方舟となるのかもしれません。
イチゼロシステムのゆうさんのこの言葉が深く残っているのですが、
別の次元や異世界に転生することは間違いなく、今後、技術的に可能になっていく。
存在はするが、人間の想像力には限界があるので、想像するのですら難しいだけで、今までスピリチュアルや靈などの分野に押し込められていた類の世界が違った形で世界に融合してくるのは間違いないと思います。
(Forbus Japan 樋口恭介さんの秀逸なコラム)
しかし、元素が単細胞生物になって、そこから魚や動物になっていった時代の変化の方が、今後、人間がテクノロジーに飲み込まれていく変化よりも恐ろしい変化だったのではないだろうか?
そもそも、この世界でも酸素は殆どの生物にとっては猛毒だった訳です(酸素が電子を奪うことによって、細胞のDNAが破壊されてしまうため)。
核膜でDNAを取り囲んだ、酸素に対する耐性を持つバクテリアが現れ、そのバクテリアと共生しているので我々は成り立っている訳です。
シアノバクテリアが光合成で生み出した、『毒性』の強い酸素が生物進化を促進した。
人間はまだ経験したことがない未知のことは恐れる習性があることも事実です。
遠い過去における知性が『毒性』を生み出し、また違う知性がそれに耐性をつけ進化を繰り返して来た。
ヒトゲノムの約9%は内在化されたレトロウイルス。
レトロウイルスが人や哺乳類を宿主とすることで、胎盤をもたらせた。
でなければ、我々人間も今ここにいません。
そして、気体液体固体はこの世の物質のごく1%以下にしかすぎず、この宇宙に存在する物質の99%以上はプラズマだと言われています。
プラズマの形状もまた脳や宇宙と同じで...
今、起こっていることも、ヘーゲルの弁証法、『事物の螺旋的発展』と『対立物の相互浸透』による正反合であり、対立する相互は互いに影響を与え合い、浸透していき、一段上がった姿で統合され、螺旋的に発展し、渦を巻いていく進化の過程でもあると思います。