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偏愛日記【パリとマヨネーズ】

2017年夏、パリ。
究極のマヨネーズ料理を味わった。


大学の夏季休暇を利用し約3週間のひとりヨーロッパ鉄道旅行中だった私は、治安の悪いブリュッセル中央駅を午前4:40に出発。
5回乗り継いで午前8時38分、パリ・リヨン駅に降り立った。治安が良さそうだ。


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リヨン駅。この他、北駅、東駅とあって全部似てるから結構間違えやすい。


マレ地区に予約しておいたホテルにバックパックを置きに行く。オーナーはイスラム系、まだ朝早く清掃中なので少し嫌な顔をされた。

身軽になりパリの街を忙しく駆け巡る。ルーヴルにシャンゼリゼ、凱旋門。鉄板コースだ。
メトロに乗らず全て徒歩移動なので疲労困憊。
この日まともな飯を食べていない。ジェラートとクロワッサン一個だけで凌いできた。


安く済ませようとスーパーで何か買ってホテルで食べようかとも考えたが、折角のパリ。翌日18時にはミラノ行きの夜行列車に乗らなければならない。なのでディナーは一夜限り。

贅沢しよう。


ガイドブックは持っておらず、美味しい店の下調べもしていない。あるのは容量オーバーで使い物にならないWi-FiとiPhone。オフラインで使えるmaps.meだけが頼りだ。

セーヌ川を挟み、エッフェル塔を眺望できるトロカデロ広場のすぐ近く、メトロ・トロカデロ駅横の『Café Kléber』へ。観光客も多く、テラスが開放的だ。賑わっていたので入店した。


今見てみるとカタツムリ料理が有名らしい。評判高くて安心。

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お一人様は旅先で外食に困る。このレストランも例外ではなかった。周りは皆家族、カップル。アウェーである。

何よりギャルソンに気づいて貰えない。当然フランス語は分からず "excuse me“ と言ってみるも声が通らず断念。忙しそうだ。メニューにありつくまで10分掛かった。

ようやくありついたメニューを読むのに10分。
ステークフリットのコース(35€ドリンク別)を頼む。
お通しの如くフランスパン。カールスバーグが喉の渇きと一日の疲れを癒した。

お次は前菜。はやくステークフリットが食べたくて仕方ない。

ドン。


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てっきりサラダが来るかと思ったら、ゆで卵とマヨネーズに気持ちばかりのトマト(トマトは苦手だ)。食べてみると衝撃だ。写真でも分かる通りこのマヨ、黒胡椒の粒が見える。

口に入れると物凄く香りが良い。間違いない、トリュフの香りだ。これが卵と物凄く合う。

後々調べると、これは「ウフマヨ」というれっきとしたフランス料理。

作り方は様々だが、基本的に
⚪︎マヨネーズ
⚪︎すりおろしニンニク
⚪︎オリーブオイル
⚪︎塩
⚪︎レモン汁
⚪︎黒胡椒

で構成されている。


これに好みでカレー粉など入れていくそうだ。
似たようなものに卵黄でつくるアイオリソースがある。というかほぼ一緒だ。

そしてこの店はトリュフ。ヤツの強さは凄まじい。これぞシンプルかつ最強のマヨネーズ料理なのではないだろうか。

この「ウフマヨ」の感動にメインのステークフリットが完全に霞んでしまった。

最後はエスプレッソとクリームブリュレで〆。めちゃくちゃ愛想のいいオーランド・ブルーム似のギャルソンとお互いにぎこちない英語で会話してお会計。勿論チップもね。

ちょっぴり緊張したけど良い体験。
パリメトロで帰路に就いた。


2017.8.12  in Paris.



ps.4年後自宅でウフマヨ再現。トリュフはないけど美味しいね。

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