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言葉の漂流先【9月】

つぶやくほどでもないけど言語化はしておきたくなった気持ちを少なからず不特定多数の人間が見るであろう緊張感を維持したまま放流したくなったので書きました。下書き供養的なやつです。 ※個人の感想です ・常識では考えられない無断転載寛容番組、ラヴィット ・菅田将暉じゃない奴が菅田将暉みたいな雰囲気で歩いていた ・やってないことをやったと言われるのと、きちんとやったことをきちんとやってないことにされるのがかなりイラッとくることに気づく ・実力が大事だということを噛み締める昨今だ

    • 再生と成長。恋と憧憬。映画『ぼくのお日さま』感想

      まばゆいほど繊細で純潔な物語。 いい映画だった。それ以上の言葉は不要なぐらいに。 お日さまの光、ドビュッシーの『月の光』、映像美としての光。 タクヤとさくらの存在は荒川にとって希望の光。 この映画はそんなふうに光が象徴となっている。映像的な美しさと少年少女の心の美しさ、雪景色という舞台設定など、複数の美しさが折り重なって色んな意味で光度の高い美しさを備えていた。 再生と成長の話でもあると感じた。 ほんの少しの再生、ほんの少しの成長。 プロスケーターとしての過去の栄光

      • 「わからない」を引きずりながら生きてみようと思った 『ナミビアの砂漠』感想

        公開初日レイトショーにて鑑賞。 鑑賞後すぐにXに投稿した内容に加筆修正し、感想をまとめた。パンフレットやインタビュー記事はまだ未着手のため、作り手が訴求したかったテーマの本質とは解釈がずれている可能性は大いにあるが、素直に感じ取ったものを載せたい。 新宿シネマカリテは満席で、素敵な空間に仕上がっていた。 受け取った印象は、主人公カナから滲み出る「退屈と苛立ち」だった。 カナはとにかく退屈そうだった。退屈そうで鬱屈としていて、苛立っているし憤っている。その退屈と苛立ちか

        • "詩羽"が生まれるまで/フォトエッセイ『POEM』感想

          詩羽『POEM』 読了 今月初めて詩羽ちゃんのライブを観た。 水曜日のカンパネラではなく、詩羽のソロ名義だ。 新宿LOFTでのワンマンと、タワレコでのインストアライブの両方を見ることができた。それはそれは心揺さぶられるライブだった。 あの日からずっと気になっていたことがある。 ヒシヒシと伝わってくる彼女の芯の強さ、媚びない雰囲気、うわっつらの嘘を拒み、欺瞞に抗う姿勢、軸のブレない反骨精神はどこからくるのだろう?と。 自宅最寄りの書店ですぐにpoemを買った。撮り下

        言葉の漂流先【9月】

        • 再生と成長。恋と憧憬。映画『ぼくのお日さま』感想

        • 「わからない」を引きずりながら生きてみようと思った 『ナミビアの砂漠』感想

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          【※ネタバレあり】映画『ラストマイル』感想/無自覚な欲望が生む絶望。誰もが爆弾になりえるとして

          ※ネタバレを含みます!!! 公開日初日、レイトショーで観てきました。 どんなに気になる作品でもこれまでわざわざ平日の仕事終わり、疲れの溜まった身体を引きずってまで公開初日かつレイトショーを選んで観たことはなかった。それほど先んじて観たいという気持ちが強かった。 事前に誰の感想も目にしたくなかったので、Xでは【ラストマイル】をミュートワードに設定していた。ネタバレを避けるためだけでなく、先入観を排除して、初見での純度の高い自分の感情を大切にしたかった。 今はSNSのタイム

          【※ネタバレあり】映画『ラストマイル』感想/無自覚な欲望が生む絶望。誰もが爆弾になりえるとして

          MAPAという最高のアイドルによる最強のライブを観た日

          MAPAワンマンライブ 「TOKYO SUMMER SHOOOOOOTER 2024」 渋谷WWW 本当に心から素晴らしいライブでした。 Xにもつぶやいていた感想を肉付け補足し、まとめました。あとから思い出して、文章に残したくなったこともいっぱいありました。 基本的にはMAPAオタク向けの、またメンバーや関係者に向けた感謝を伝えるような内容なので、勝手な備忘録ぐらいのつもりで読んでもらえると幸いです。 セットリスト1曲ずつ振り返りながら想いを綴ります。 On The

          MAPAという最高のアイドルによる最強のライブを観た日

          "誰が、いつ、そうしない"と断言できる?"不気味な怪作『Chime』感想

          怖いしヤバいと今話題の黒沢清監督の映画『Chime』を観た。 恐怖とはつまり、前触れのなさ、理屈のなさ、予測のつかなさ、全容も説明もないまま想像を強いる無神経さではないか。 不気味な音響、没入する上映時間わずか45分のカメラワーク。 "誰が、いつ、そうしない"と断定できる? 得体の知れない何かに信頼や希望を見出し命を預かり合って奇跡的に成立してたに過ぎない日常、それがいかに過信で脆いのかを思い知る。 今ある世界は、人類は、"たまたま"こんなふうに発達して成長して、わ

          "誰が、いつ、そうしない"と断言できる?"不気味な怪作『Chime』感想

          でか美祭2024 全出演者感想

          でか美祭2024を観に行きました。 昨年初めて参戦し、素晴らしいエンタメとの出会いがあり、今年も絶対に行きたいと思っていた自分にとっていわば唯一の"夏フェス"です。

記念すべき5回目。 場所は今年も渋谷Spotify O-EAST。ライブハウス入り口には『キョコロヒー』はじめ、でか美ちゃんがいかに業界で横断的な活躍をしているかを物語るお花たち。のぼりも立派に並んでいた。 
このnoteでは当日のすべての出演者に対する印象ないし感想を綴っています。 ※初見の出演者も多

          でか美祭2024 全出演者感想

          魔性の魅力を放つ傑作!Netflixシリーズ『地面師たち』全話感想

          筆者の視聴前の予備知識について いやあ、すこぶる面白かった!!! 前評判以上。期待や想像よりずっと良かった。 エピソード1~7の全7話構成だったが、視聴し始めると止まらなくなった。 Xに投稿した内容も含め肉付けして、1話ずつの感想をまとめてみた。 以下、ネタバレ回避したい人は読まないことを推奨します。 #1 綾野剛と豊川悦司の妖しい調和 すぐに心を鷲掴みにされる。冒頭からNetflixらしいスケール。予備知識のない視聴者にも物語の輪郭を理解させ、そして軌道を予感

          魔性の魅力を放つ傑作!Netflixシリーズ『地面師たち』全話感想

          Netflix実写版『幽遊白書』を見た感想

          ・アクションシーン 総じて素晴らしい。役者、スタント、アクション監督、映像班含め技術スタッフ、関係者全員の妥協なき熱意が伝わる。まじでどうやってこんな画になんのってレベルのクオリティ。アクションの成功がすなわちこの作品に対する評価に直結することを確信した力の入れよう。 特に街のなかでの戦闘シーンはその場のありものや環境を駆使して見ていて楽しかった。 幽助vs剛鬼は見応え抜群。 ・技 主要メンバーの技に関する演出も質が高い。大仰でもなく地味でもなく、ちょうどいい塩梅。必殺技名

          Netflix実写版『幽遊白書』を見た感想

          眉村ちあき×斧出拓也 ツーマンライブ 下北沢の夜に再び音楽は交わる

          かの有名な伝説的ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』の最終話、カラーギャング同士の抗争が街全体を巻き込み、サンシャイン60のビルが見下ろす西口公園の広場で、黄色をチームカラーとしたGボーイズと、黒を象徴としたブラックエンジェルスが激突した。 仲間が殺され、血が流れ続ける抗争の末路に、互いのチームのトップがサシで喧嘩をして決着付けるという展開。 立ち会い人を頼まれながらも遅れて駆けつけた主人公の真島マコト(長瀬智也)は、両者の殴り合いを止めに入る。そんなマコトにGボーイズのキ

          眉村ちあき×斧出拓也 ツーマンライブ 下北沢の夜に再び音楽は交わる

          孤独な既読、気の毒な未読

          分かろうとするのも愛。分かったふりをしないのも愛。傷の舐め合いを略して作ったキズナでも誰にも奪わせはしない。他愛もない時間があるから特別は特別な時間として屹立する。偏愛なあのひとの偏愛対象になりたい。笑かすなよ。手垢が付きまくった月並みな自意識あるうちはまだまだ途方もない距離。けれど距離があるからこそ美しく感じるものが無数にある。夕陽も満月も星も滝も打ち上げ花火も水平線も地平線も。あの場所に辿り着きたいと誓う殊勝な決意、あのひとの心に重なりたいと願う健気な憧れ。未練は試練。遠

          孤独な既読、気の毒な未読

          出川哲朗が泣いた日 すべての表現者と応援するファンに捧げたい言葉

          出川哲朗はすごい。 8/17の25:00〜27:00でオンエアされた出川哲朗のオールナイトニッポン。 普段はナインティナインの2人が務めるこのラジオ枠。一日だけ代わりを担当したのはナイナイとの関係性は言うまでもない出川さんだった。 還暦を迎える出川さんが横浜で「男・出川哲朗 還暦祭り」を開催することは、今年2月のオールナイトニッポン55時間スペシャル内のウッチャンナンチャンのANN(コンビとしては15年ぶりだったらしい)を聴いていたので知ってはいた。 ただイベントの場

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          『でか美祭2023』全出演者の印象と感想。各方面から引っ張りだこ!でか美ちゃんの凄みと魅力とは

          先日の8月8日、でか美祭りに初参戦してきました。 「でか美ちゃん」に改名してからは今年が4年目。 場所は渋谷Spotify O-EAST 。 付近には同系列のライブハウスも揃うが、EASTはその中でも最大規模。 このnoteでは当日のすべての出演者に対する印象ないし感想を綴っています。 でか美ちゃんの魅力もたっぷり書いてます。 認知の歪みや推しバフ(自分が好きだしよく知ってるがゆえ、推しの言動全てをポジティブに捉えてしまう錯誤や現象)がかかっていない、かなり客観的な

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          堺雅人が紡ぐ言葉の魅力とは

          堺雅人のインタビューなどで語る言葉が好きだ。 台詞を流麗に発するお芝居も好きだが、それ以上に理性と知性に満ちた素の言葉に惹かれる。 独特、というとちょっとニュアンスが異なるかもしれない。ただ、ほかの役者とは明らかに異なるアプローチや表現を、堺雅人が語る言葉のなかには感じるのだ。 丁寧かつ機知に富んだ物言い。テレビや雑誌等のインタビューを読むたびに感じる。「声に出して読みたい日本語」そのものというか。 エッセイは2冊とも読破しているけど、エッセイよりもインタビューの言葉

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          POPでハイセンスなガールミーツガールMovie!『アイスクリームフィーバー』感想

          本日公開されたばかりの映画『アイスクリームフィーバー』を観てきた。 ラッキーなことに舞台挨拶付きが取れて、TOHOシネマズ六本木ヒルズへ。このシネコンの中でも最も大きいらしいスクリーン7は、おそらく自分がこれまで訪れた映画館の中で最も広かった。 ポップで可愛い超オシャレ映画 映画は期待以上に素晴らしかった。 勝手な先入観や予告のイメージから、もっとミュージックビデオ的な作品かと思ったらそうではない。しっかりと筋があり、ドラマがあり、感情の起伏と機微が丁寧に散りばめられ

          POPでハイセンスなガールミーツガールMovie!『アイスクリームフィーバー』感想