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#TheArticleoftheDay コンサルのメディア化は、ジャーナリストの脅威となるのか

こんにちは。今日は最近突如気になったことを綴ってみたいと思います。

以前から、記事を書く人間として、特に国際的なコンサルティングファーム「マッキンゼー」のような組織がお金をかけて行う調査には、注目してきました。そして、書かれている情報や解説を引用させていただく機会もあります。最近、今更ながらマッキンゼー(米国)のニュースレターにサインアップしてみたところ、毎日届くコンテンツの多さと充実度に驚いたわけです。
すでにコンサルではなく、シンクタンクですね。オウンドメディアの質の高さに圧倒されました。

これまで、私はコンサルが提供する情報は、「大企業」にむけた特殊な情報ばかりだと思っていました。しかし、それはとても間違いだったことにニュースレターサインアップ翌日から早速気がついたのでした。

なぜならそこで綴られるコンテンツは、調査報道レベルの詳細なデータに基づいた記事だったからです。例えば、これ。

アフターコロナの時代において、従業員はハイブリッドな働き方を求めている、という内容です。もちろん、薄々みんなが感じているようなことではあるのですが、そこに1000人を越す人から集めた調査結果がサラッとつけてあるのです。

また今話題のWeb3やメタバースについても、こんな記事がありました

この記事によれば、

私たちはまだ、消費者がメタバースに関与する最初の波かもしれませんが、初期の成功を収めた企業からすでに教訓が得られています。
(中略)
メタバースは、すでに企業にブランド構築やマーケティングの十分な機会を与えていることは明らかです。
(中略)
メタバースがどのように進化しようとも、イノベーションと消費者導入のレベルはおそらく加速度的に向上していくでしょう。
(中略)
メタバースは、マーケティングにとどまらない大きな未来への可能性を秘めています。

マッキンゼー
https://www.mckinsey.com/business-functions/growth-marketing-and-sales/our-insights/marketing-in-the-metaverse-an-opportunity-for-innovation-and-experimentation

となっています。事例も盛り沢山です。

もちろん、マッキンゼーのニュースレター/オウンドメディア記事の読者は「マネージメント」と呼ばれる企業運営側ですがと、エグゼクティブを対象にした「Forbes」といったメディアと同じオーディエンスを持っているわけです。彼らが提供しているコンテンツは、十分大手メディアに引けを取らないと感じます。むしろ充実しているくらいです。

彼らが1964年の創設以来発行している「クオータリーマガジン」は、マッキンゼーが持つ知見として、提供してきるそうですが、当時の「四半期」間隔から、現在は「週に数回」へアップデートされていて、今では彼らの情報収集とその共有のスピードは、オンラインメディアと大差がないといってもいいのではないでしょうか。

さらに、ポッドキャストも提供されています。

ポッドキャストの内容は、記事とリンクしているものなので、オーディエンスのニーズに合わせて、文字情報と音声情報を選べる選択肢まで与えているわけです。

こうなると、

私たちジャーナリストたちが記事を提供するビジネスメディアの存在価値は、どこにあるのでしょうか。

私が思い描くのは、メディアとして、ほとんど登場したことのない人への「独占インタビュー」や、「独特な視点と切り口」、さらに読み手が唸るほどの「質の高い文章力」といったもの。

少なくともこれらを担保できないと、メディアとして存在する意味がないんじゃないかと思ってしまいました。

先日取材したとある企業のCOOは、「古い」メディア(新聞やテレビ)に掲載や取材を受けっても影響がないが、オンラインニュースに掲載され、SNSで拡散された折には、問い合わせが止まらないと話していました。

オンラインニュースが、コンサルのオウンドメディアにすげかわる日もあるかもしれません

ちなみに、日本のマッキンゼーからの情報発信(知見/Our-Insight)はまだそこまで多くはないようです。

つまり、日本人ジャーナリストや新聞、雑誌といったメディアはまだぬるま湯にいるのかもしれませんね。それも、時間の問題な気もしますが。

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