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【感想文No.1】アクロイド殺人事件(ネタバレなし…ストーリーには少し触れる)

今日は饒舌である。

先ほど、アガサ・クリスティの「アクロイド殺人事件」を読み終えた。この超有名な推理小説を読まずしてミステリ好きを自称する資格はないと思うのだが、恥ずかしながら初めての通読であった。

【感想(ネタバレなし…ストーリーには少し触れる)】
アクロイド殺し
作:アガサ・クリスティ
訳:大久保康志
創元推理文庫


 なぜか早い段階で犯人の予想がつき、果たして結果は予想通りの展開であった。ストーリーや登場人物の名前はまるっきり見覚えがなかったのだが、なぜか既視感があり、「驚きのどんでん返し」という触れ込みほどの驚きが私にはなかった。
 解説には、このパターンは推理小説史上初めてではないが、当時としては珍しく、その優れたストーリー構成から大きな話題を読んだ、というようなことが書いてあった。(手元に本がないため、正しい引用ではありません。うろ覚えで書き綴っています。)
 ところが現代では、その模倣とは言わないまでも類似したパターンの作品が多数発表されてしまい、逆にそれらの作品を先に何処かで読んでしまっている現代っ子としては、おなじみのストーリー展開と感じられてしまったのだ。
 そして、最後のシーンは、私としては残念な終わり方であった。探偵が犯人に最後のセリフで示唆した言葉は我が目を疑うし、現代でそれをすれば捕まってしまうだろう。(100年近く前の作品に現代の感覚で批判をするのはお門違いなのは重々承知しているのだが‥)
 だが、そのあたりを差し引いても、面白い。面白いと感じたのは、それぞれのキャラクターの魅力である。どれも個性豊かで、それぞれの思惑にはその性格による説得力があり、ストーリー上の都合によってキャラクターが動かされた感はまったくない。
 個人的には医者の姉のカロラインが特にお気に入りで、彼女が最初に読者を引き付けてくれる。長編となると、途中で説明的になってしまったりで中だるみすることがあるが、ストーリー上関係なさそうな立ち位置にいる彼女が話に色を付け、最後まで勢いを衰えさせずに引っ張っていってくれていると言っても過言ではない。

これ以上書くとネタバレをしそうなので、また今度の機会に続きを書こう。

読みたい本はたくさんある。
自分の人生を豊かにしてくれる本に出会っていきたい。

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