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Going concernという会計用語を理解できれば、会計やファイナンスへの毛嫌いも半減するワケとは

こんにちは!長年、海外に住み、日本に帰国後、英語を教える帰国子女の、スグリンガルです。

会計とか、数値とか、とかく嫌いという声をよく耳にします。

でも、恐らくそれは、"going concern"という考えが身についていないから。

この"going concern"という考え、ご存じでしょうか。

going concern = 継続企業の前提

という日本語訳が充てられています。

"going"=「継続企業」という意味?
"concern"=「前提」という意味??

本当にこれが日本語訳なのか?

みたいな日本語ですが、究極的には、どちらの質問にもYESです。

つまり、前半は

go = 行く、歩いていく、やっていく

go-ing = これから~するつもり、ずっと~している

going = 継続して~していく、~し続ける

※for the company to go on operating = 会社が運営し続けるために

になりますし、

concern = 企業、ビジネス
I am concerned. = 懸念している。☛これの意味で使うことがありますが、これではなく。
※懸念している対象、関心を持っているもの、という意味合いで、「concern=企業」という意味にもなります。

なぜ「前提」という日本語にしたかというと、それは先ほどの

"going"

を意識しているからです。

つまり、ずっと継続していく、ずっとビジネスを続けていく、という前提があって、初めて成り立つ概念なわけです。

この用語の小難しい定義は、こうなってます:

「ゴーイングコンサーン (Going Concern)とは、「継続企業の前提」とも呼ばれ、企業が将来にわたり存続し、事業を継続していくという前提のことを言う。」(グロービス経営大学院サイトより)


つまり、ずっとこれから半永久的に会社が存続し続けるという前提があるよ、という意味になります。

考えてみれば、会社に投資したり、会社から利益が出たり、その利益から配当というおこぼれをもらえたりすることを予想できるのは、その会社がずっと存続する、という前提があるからですよね。

皆さんが、毎日毎日しんどいのに会社に行くのは、

働かないと食っていけないから(激しく同意!)、or

働くのに喜びを見出しているから(羨ましい!)、or

働いて生きることの意義をゲットしたいから、

どれでしょうか?

いずれにせよ、これからしばらく長い間生きていく、という前提があるからですよね。変な話ですが、「あと10年で死ぬ」という前提で働いている人はほとんどいません。

だから、余命を告げられた人は、人生に対して全く異なる価値観を持っているわけです。

※余談ですが、5年で必ず終わらせるプロジェクト5年で一旦終結させる会社を立ち上げる場合、このgoing concernは存在しません。

みんな、going concernという前提があって初めて、いろいろな利益やプロジェクトの計画を立てていくわけですね。

お金の計算をしたり、将来の業績を予想したりする『会計』も、このGoing concernがあって、初めて成立する学問と言えるわけです。

そう考えると、いかにこの『半永久的に存続する前提』が今の社会の形を作ってきたかが分かると思います。

今は、温暖化や地球変動など、このGoing concernという社会の根幹ともいうべき前提が揺らいでいる時代に突入しています。

それを考えて行動してみることが、人生を豊かにするかもしれませんよ。




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