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ふうね|読書好きの本音
2023年6月3日 07:02
「リビングで、菅沼が死んだ犬を作っている。」──この物語の最初の一文です。最初の一文で えっ?と惹き込まれ、ユニークな文章の引力に引かれながらぐんぐん読み進めました。「わたしは揺れる車内でやや寄り目になりながら、自分の存在を消すことに集中した。」「わたしには蕎麦の個体差がよくわからないから、とろろ蕎麦が想像通りの味や食感であることに満足した。」など、所々に様子のおかしい描