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たけのこ
2020年9月20日 16:38
その白いドアをあけ、ズボンを下ろすと、俺はあわただしく便座にすわる。 その時、初めてヤツの存在に気がついた。真正面のドアの下から30センチほどの場所。そこにいた1匹のクモ。それがヤツだ。大きさにして1センチに満たず、ごげ茶色。巷でもっともよく見るクモの姿と言ってもいいだろう。 自慢ではないけれど俺はクモがたいへん苦手だ。子供のころ、木々の間を走りまわって遊んでいてたときに、顔中にクモの巣