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マーケティング講座1周年で町工場の通販事業部はどう変わったのか?

(定型文)こんにちは。名古屋を中心にウェブ制作、マーケティング、商品開発、企画、釣り事業マーケターなどなんやかんややっているUtility-arts.comの大林と申します。記事の最後にリンクなどまとめておりますので良かったらそちらもご覧ください。
今回は長年お引き立ていただいている”人を助ける印刷屋さん®”でおなじみの太美工芸株式会社(名古屋市西区)にて、1年間実施してきたマーケティング講座の成果としての「通販事業部におきた変化」について紹介します。なお、こちらのアカウントでは執筆の負担を減らすため、基本的に常体にて記述しています。

実直で真面目。自社工場生産にこだわったスクリーン印刷会社

コロナ禍で新たな社内事業の立ち上げとして通販事業が立ち上がってまる3年。社外人材を多数お招きして、それまで受注生産を生業としてきた製造業がD2Cへのチャレンジを始めました。その過程でのデータ解析や広告の展開のような実務、そして思考法の訓練、マーケティングの基礎知識といった講座をお任せいただき、今日に至ります。

自社生産でスクリーン印刷を用いた高品質、高耐久なステッカーやマグネットなど、工場や屋外でも長年にわたって使用されるようなシチュエーションに耐えられる商品を作り続けています。社風は実に堅実で、真面目で、実直で、丁寧。その姿勢はここ数年より力を入れているESG経営にもよく現れていると言えます。

記憶に新しいところでは、メ~テレ「ESG Leaders」でテレビ取材を受け、放映されました。後に紹介する公式noteでも当該記事を執筆しております。

さて。

マーケティングの勉強をしたい、という店長の希望に沿ってマーケティング基礎知識の勉強会を開催した

通販事業がスタートしてからしばらくすると、また新たな課題に突き当たるもの。もっと効率を良くするには?よりたくさんのリーチを獲得するには?広告の費用対効果は?客単価を伸ばすには?…

そのスタートのきっかけになったのは、マーケ界隈でも話題になったあの本である。

「女子大生、オナホを売る」

実名noteでオナホと入力する勇気よwwwww
ところがこの一冊は開いてみれば非常に真面目な本で、Amazonで商品をよりよく売るための施策の展開が丁寧に解説されており、またその内容は実に基本に忠実な王道を行くものであり、また誰にでもできる工夫に絞ってまとめられている。ただ、扱う題材が強烈だ、ということを除いて、実に実直な一冊だ。

著者はおそらくメッチャクチャ賢く、行動力モンスターである。あの強烈な馬力を持って働くというのは、逆に高いコントロール力が必要であり、天才が地道な努力をするというのはどういうことか、という一例だと言える。

ただそのスピード感を一般的な企業で模倣するのはなかなか大変だ。周囲をその気にさせていくまではとにかく難しい。

とにかく、その本に関するセミナーを受けた店長はマーケティングの知識欲が強烈に刺激されたのである。私はすぐさまくだんの本を購入し、その内容の丁寧さに驚いた、というわけである。

かくして、マーケティング講座は「例の本の解説・概論」からスタートした。これはある意味伏線とも言える。

マーケティングの授業は専門学校で実施している内容を社会人向けに味付けした

当方、かつて小さな事業をサポートしていた時につくづく思ったことがある。事業を動かすには「謎の努力的なもの」にまかれてはいけないと思ったのであるが、その時に強烈に意欲を持ったものがWebマーケティングであった。ちょうど、Google広告の配信、SNS活用などでトラフィックを集め、見込み客を集める、という小さな成功体験があり、これをちゃんと学んで経験を積むことが次の自分が目指す道だ、とその時思ったのだ。

そしてちょこちょこと当時のクライアントに協力してもらいながら経験を積みつつ、専門学校でもビジネス関連学科の学生向けに科目を担当することになった。講義の枠も増えるし、教えることはより深い学びにつながる、ということで、一石三鳥である。セコいぜ。

そして、いわゆる教材系の出版社からもマーケティングの教科書は出ているが、WEBやAIを活用した現代マーケティングに言及しているものになかなか出会えず、その年の学生の興味関心の程度に合わせて市販の教本から選択している。

その授業でやっているような内容を社会人というか、その現場の実務に合わせて味付けし直して1年ほどじっくりと進めてきて今に至る。それでも、用語やマトリクスの概念の理解がけっこう大変らしい。例えばSTP分析のSとTの違いをきちっと言語化できる(概念を把握する)まで何度となく訓練を繰り返した。

売れ筋商品のさらなる成長と、本来もっと売れるべき商品の発掘などをこなしつつサイトの細かい改善

といった、データをもとにした改善策を地道に続けていく。もちろん多少の波はあるが、トラフィックも、売上も伸びていく。さらには、新メンバーも加入し、イベントに出店して対面販売も行った。

次の段階に進むために大きな脱皮が必要だ、という潜在的な欲求がチーム全体になんとなく湧いてきた。

「面白いものを作りたい」という欲求

ある頃から店長が「面白いものを作りたい」としばしば話すようになってきた。私は思わずニヤリとした。

「例の本」から非言語的かつ無意識的に印象付けられた「狂気とも言える行動力と発想力」の伏線が回収されるフラグが立ったのだ、と思った。

我々の取組の範囲でやれること、あるいはその範囲を飛び出してしまう必要があるのか、そのへんはまだなんとも言いようがないが、少なくともアレから一年経ったタイミングを境に、チームの雰囲気や興味関心は変化してきた。

そして最近如実に行動に移しつつある。もちろん、社長の受け入れられる範囲の中で、の話だが。。。

前記事でも触れたが、まずこんなものが登場した。

謎にピザの描写が細かいでおなじみの

よく玄関先にある、「〇〇お断り」のマグネットであるが、このシリーズに最近「ピザ屋以外のチラシお断り」というラインナップが追加された。しかもPVまで作られた。

前の記事でも書いたが、このPVに私が趣味を兼ねてやっているSuno AI生成作曲ツールにて作成した楽曲が採用されている。ノッているとこんなものが半日もたたずに完成してしまうのだ。撮影、作曲、編集、アップロードまで含めて要したのが「他の仕事をしながら(私は帰宅して昼食をとりながら)」4時間程度である。

これが売れたら社長はビビる!…私もビビる…

この商品が売れるかどうかで言えば正直アレである。ピザマニアが全国にどれくらいいるかをリサーチしたわけでもないし、ピザ屋とタイアップしたわけでもない。マーケティングを一年学んできた結果出力されるものとしてどうなのか、と普通の人は思うはずである。

でも、いいのだ。いや、外様の私がそう言い切っていいかどうかという問題はあるが、社長の顔色をうかがう限り、まだセーフだ。多分。

これは小さな一歩である。今までと違う世界に踏み込もうとする一歩である。これが売れるかどうかよりも、尖ったチャレンジ、非凡な発想、やっちゃう行動力の掛け算がパチっとハマる日に向けて動き始めた、ということが重要なのだ、と思う。

誰か、買ってみませんか?ピザマニアの方に届け…!(サムネは他のバリエーションですが、遷移先ページ下の方にちゃんとあります)

しっかり事業を成立させたら次に考えることはなにか

普通の企業は、ある程度売れ筋ができて安定化してきたら、それを維持しようとする。しかし、ライフサイクル理論でも言われているように、やがて陳腐化、衰退期がやってくることは避けられないのである。

より強力な開発力、マーケティング力、そして組織力。正論である。

しかし私はそこにもう一つ、存在感をもって市場に訴えかけるには必要なものがあると思っている。

情熱?やる気?

いやいや、十分あるからここまでこれた。

普通ではやらないことを敢えてやる狂気。なにかに極端に振り切った狂気。誰も追いつけない存在を目指す狂気。

これを的確なマーケティングスキルで後ろ支えできたら、強いのではないか。

爆発力は基礎理論をぶっ壊す狂気からしか生まれない

私はまずは基礎に忠実なマーケティングに基づいた地道な展開を、時間を掛けてじっくり取り組むべし、と話しているが、それがある程度進んだらその先は振り切って飛び出す力も必要になってくると思っている。

すごく遠回りなアプローチだが、一年でなんとなく開きつつある次の道筋。一見突飛だったり、どうかしていることをやっていく、という自由奔放さは、おそらく地元に愛される「"街"工場」としての実直そのものな気風の会社にまた違う風をもたらしていくのだ、と自分を正当化して締めくくろうと思う。

次のアイデアが楽しみだが、一体どうなるだろうか。少なくともアイデア出しのブレインストーミングはずっと良くなった。本当に良くなった。

ただ、スパイスはスパイスなので、配分量は考えようね

もとが実直、真面目、堅実なタイプの会社なので、こういう方法論を提案してみたわけですが、逆のパターンもあるわけで、ぶっとんだ社長率いる企業の場合はもうちょっと地道に、と説得する事例もあるにはある。というかこれまでの事例ではそっちのほうが多いかな…?w

狂気マーケティングを言語化したものは有料記事で書こうと思っている

当アカウントでも有料記事に挑戦しようと考えている。

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