110 なつかしい約束
すっかり春になった空の下で、その日も電車に乗りました。
ゆらゆらと揺れながら、繰り返されてきたいくつもの午前と同じように
その日も電車の中で立っていました。
冬は曇り空が多かったので本ばかり読んでいましたが、まばゆい光が
美しい今の季節は、電車の窓から見える風景を楽しんでいます。
仕事場に着くまでに電車は3つの川を超えます。
川はそれぞれの輝き方で太陽を受け止めています。
大きめのたっぷりとした川、幅はやや細いけれど土手が充実している川、緑色の橋がかかった川。
どの水面も