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夫がそう言っていた

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私とは異なる言語世界にいる夫の発言記録です。夫婦は似るというけれど、どうかそのままでいてほしい。
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パン屋さんとかー、本屋さんとか

就活に行き詰まりを感じてしまい、「このままだと私、働かない人になっちゃうよ」と言ったら、「んーーーー、じゃあ、とりあえずバイトしてみたら?」と前置いて、続けて夫はそう言った。

私が希望している職種はWeb関係だし、高時給の派遣社員に限定して探していて、それは夫も知っていることのはずなので、唐突な提案にめそめそ涙が引っ込んでしまった。「え、バイト?パン屋?本屋?」そう聞く私に、夫は変わらずまじめな

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そこで止まってよ

「今日の『相談は踊る』の相談がさ〜、スーさん節炸裂でさ〜」と最近の定番になったラジオネタから、「結婚の話が浮上して仕事に身が入らなくなる相談者に、違う何かに乗っかりたいんじゃね? 悪いこと言わないから仕事はしとけ!(要約)って言うスーさんの言葉が刺さってさ、、」と話したあと少し暗い顔をしたらしい私に、「まあ俺なるべく長生きするようにするけどさ」と前置いて「ネガティブな思考って想像しやすいからさ。考

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いいなぁ、うらやましい

ひょんなことから(500)日のサマーの話になって、「観たことある?」と聞かれたから「ないね」と言ったら夫がそう言った。そして続けて「これからあの映画を新鮮な気持ちで観れるのかぁ。すごくいいよ」と。

実は夫にこういう返事をされたことは前にもある。私はいわゆる名作映画をほとんど観たことがなくて、ホームアローンもプリティウーマンもスターウォーズもアルマゲドンも、ストーリーも出演者もまったく知らない(も

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いるんだな、って思うときがあるんだよね

少し前のこと。祖母が亡くなって、お葬式を終えて帰ってきた日の夜、ふとんのなかで、今更哀しくなって妙に泣けてきて、ぐすんぐすんと泣いていたとき、「わかるよ。わかる。でもねぇ、いなくなるわけじゃないから。いや、いないんだけどさ、俺もそうなんだけど、親父がさ、変な意味じゃなくてね?」と言った後、続けて夫がそう言った。

天国から見守ってくれる、なんていうのは、陳腐な言いまわしで、なんというかまじないみた

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なまれよ!

我らの世代ではスーパーカーの淳治という認識のいしわたりさんが、関ジャムの「プロが選んだすごい歌詞」という回に選者として登場し、歌詞プロデューサーという妙な肩書きを背負って(作詞家でいいんじゃん)語っているのを見て、ふたりで「あらー、まるでりっぱなセンセイだね」「もうナカコーと交わることはなさそうだな」など若干揶揄していたのだけど、まあぺらぺらぺらぺら流暢に歌詞の解説をする淳治に、我慢の限界がきたの

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そういうことじゃないんだよ

ララランドの感想が賛否両論に分かれていると小耳に挟んだ夫(絶賛派)が、「なんでだよーどこがだよー」と私に否定派の意見を尋ねてくるので、ネットで見聞きした意見を述べてみた(私も絶賛派なのに…)。

「ミュージカル映画としては物足りない」
「映画館のシーンとか微妙」
「そもそもなんで惹かれあったかわからない」
とまあこんな具合。

夫はあーとかうーとか言いながら私の話聞いていたけど、「あとゴズリング?

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見ててよ、俺の営業を

夫が休日に仕事で代々木のイベントに行くというので、冗談半分で「私もついていこうかな(イベントなら邪魔にならないし代々木ならそのあと遊びやすいし)」と言ったら、仕事感が薄れてうれしいのか「そうしなよ!」とノッてきて、続けてて夫はそう言った。言った瞬間、私はすごく困惑した顔をして、夫はもちろん恥ずかしくなって「って何言ってんだ…」と大照れしていた。まじめな話、夫の営業している姿は好きなので見ていられる

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俺だけ本名なんだよ?

夫が変な夢を見たというので、どんな夢か聞いたら「あやまんJAPANに加入する夢」という回答。お、おう…と返事したら「それも」と続けて不満げにそう言った。本名じゃないならまだよかったのだろうか。夫の夢には夢があるなぁ。

大葉が入ってるのはわかったよ

炊き込みごはんを食べていて、夫に「梅干し入ってるのわかった?」と聞いたら、「全然わからない!でも、」と間髪入れずに自信あり気な口調で夫がそう言った。その口ぶりがおかしくて、私も間髪入れずに「入ってないよ」と言った。夫は「ええっ」と小声で言って、恥ずかしそうにしていた。残念でしたね。

ふみふみふみ、指輪持ってきて

ふだんは私のほうが早く出勤するのだけど、今朝は夫のほうが早かった。見送ろうと玄関に向かったら、夫がそう言った。夫は私のことを「ふみ」か「おふみ」と呼ぶのだけど、「ふみふみふみ」ってなんだろう。「ふみ」を3回繰り返したのか、新たな呼び名なのか。ふみふみふみは、不思議に思いながら指輪を渡しました。

そこが、いいところ

猫がソファで爪とぎをしてしまい、ぼろぼろになった部分をチャッカマンと毛玉トルトルでちまちまきれいにしていたら、「でかけるときだけでもカバーかけたほうがいいねー」と夫。つい「いやぁ、できる?そもそも私たちマメじゃないし。ってか本当にマメじゃないよね私たちふたりともさ」とたたみかけてしまった。夫は当然のごとく同意。苦笑いしながら「マメじゃないねぇ…」とつぶやいて、それから夫はそう言った。
ちょっと照れ

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ちょっと小さくなっちゃったけど

ちょっと小さくなっちゃったけど

朝風呂をする日に、寝ている夫に「先はいるよ」と言ったら、夫がそう言った。「え、なにが?」と聞いたら「ちょっと小さくなっちゃった…」と繰り返していた。寝言だね。どんな夢見てたんだろう。

どうやったのか聞かないの?

夫のセーターをふつうにハンガーで干したら、思いっきりハンガー跡がついてしまって、「もう一度 洗うしかないね」と言っていたのだけど、会社から帰ってきた夫がそのセーターを着ていて、「直ったんだよー!」と言うので「お、よかったね」と返したら、夫がそう言った。どうやら直した方法を聞いてほしかったらしい。

促されたので「どうしたの?」と聞くと、スチームアイロンをあてたら「シュルシュルーっと!」一発で直った

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そういうのはすぐにやったほうがいい

今シーズン、学が10番を背負うことが発表されて、「ああいう形で俊輔が抜けたから、空きが長くなるよりはよかったかな」と言ったら、夫がそう言った。私は、あ、じぇにおさんと一緒だ、と思った。

じぇにおさんは、私がツイッターでフォローしてるマリサポのおじさん。シニカルな表現が多いけど、考え方にはだいたい共感していて、マリノスネガキャン中に彼のポジティブなツイートに救われたりして、絡みゼロだけど勝手に心の

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