いるんだな、って思うときがあるんだよね

少し前のこと。祖母が亡くなって、お葬式を終えて帰ってきた日の夜、ふとんのなかで、今更哀しくなって妙に泣けてきて、ぐすんぐすんと泣いていたとき、「わかるよ。わかる。でもねぇ、いなくなるわけじゃないから。いや、いないんだけどさ、俺もそうなんだけど、親父がさ、変な意味じゃなくてね?」と言った後、続けて夫がそう言った。

天国から見守ってくれる、なんていうのは、陳腐な言いまわしで、なんというかまじないみたいなものだと思っていた、2年前に祖父が亡くなるまでは。でも、祖父を亡くしてからは、見えないけどそばにいる、支えられている、というのが実感を伴うようになっていて、おじいちゃんの存在を何度も感じてきた、変な意味じゃなくてね? でも夫とそんな話をしたことは一度もなかったんだけど。

まるですべて知っているかのように、彼はそう言っていた。

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