パン屋さんとかー、本屋さんとか

就活に行き詰まりを感じてしまい、「このままだと私、働かない人になっちゃうよ」と言ったら、「んーーーー、じゃあ、とりあえずバイトしてみたら?」と前置いて、続けて夫はそう言った。

私が希望している職種はWeb関係だし、高時給の派遣社員に限定して探していて、それは夫も知っていることのはずなので、唐突な提案にめそめそ涙が引っ込んでしまった。「え、バイト?パン屋?本屋?」そう聞く私に、夫は変わらずまじめな顔をして、「うん。なんか、興味があるお店とかさ。いい感じの喫茶店とか、まあこの辺あんまないけど、ほら、何でも働いてみると気づくこともあるだろうし」と言う。う、うーん…、バイトかぁ…バイトねぇ…と、私はその提案にいまいちピンと来ていなかったけど、でも、夫が私に収入面で高い期待を抱いているわけではないということや、焦って興味の低い仕事につく必要はないと思っていることがわかった。というかそもそも夫は私の仕事について、私が意見を求めるときや愚痴るとき以外はとくに口出ししてこない。それはいったいどういうつもりだろう、と、こっちが不安になってしまうこともあったのだけど、この発言で、彼の考えが伝わってきてほっとした。それにしても、たいして高収入でもないはずなのに、アルバイトでもいいと思ってるなんて、度量が広いのか、あまり深く考えていないのか…、どちらにしても、いいやつだな。

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