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2024.03.08(金)価値と相性

前職で勤めていた土木系企業との打ち合わせ。現職の会社に隠れてやっている、アドバイザー的仕事。「広告的な視点が欲しい」という依頼で、仲のよかった先輩から声がかかったのだった。

打ち合わせは建設的な議論に終始した。果たして俺は力になれたのかなと思っていたら、先方の責任者が「ほんとありがとう、タサキさん」と。自分達だけでは生まれなかった発想があったおかげでずいぶん助かった、と。せっかくこうして繋がった縁、できればまた同じような機会があればご協力いただけないか、と。

俺、自己肯定感爆上がり。

同時に、今の会社で上司からディスられ続けた11年間は何だったんだろう、と。

例えば、俺は企画を立てる仕事が苦手だ。企画を立てる。おそるおそる上司に見せる。「つまらない」と問い詰められ、やり直しを命じられる。クライアントと直にやりとりする案件の場合は、クライアントから突き返される。

こんなネガティブな経験が積み重なった結果、企画を立てていても「どうせ駄目出しされるだろう」「どうせ通らないだろう」との気持ちが先走り、企画を立てるのが嫌になっていった。それでもクライアントからは企画の立案を求められるし、自社内での自分のプレゼンスを高めて年収アップにつなげるためにも、客に企画を提案して、なおかつ通さなければならない。でも、つまらない。やっていてつまらないくらいだから、面白いアイデアが生まれるはずもなかった。

アイデアを提案する仕事ほど、心理的安全性にかなり依存するのだと思う。やはり相手ありきの工程だから。極論すると、上司とも顧客とも、合わなかった。

これを言うと上司からは「自分以外の何かのせいにしているうちはクリエイターとして駄目だな」と言われるが、最終的に仕事への向き不向きを判断するのは自分でしかない。プロ野球のおける戦力外通告は、非情なように見えてわかりやすいし、むしろ優しいと思う。

環境が変わることで自分の価値が上がるのなら、それでよいではないか。置かれた場所で咲こうと頑張る選択もあるが、咲けそうにないなと判断したら、別のフィールドに行っていいと思う。転職市場というセーフティーネットがある時代で、本当によかった。

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