マガジンのカバー画像

読後感を保証するコラム

23
ハッピーエンド至上主義者による、絶対上向きにおわる話。後味だいじ。いちばんだいじ。
運営しているクリエイター

#NHK大河

花のようなる秀頼さまを、鬼のようなる真田がつれて。この戯れ歌にこめられた願いの色

花のようなる秀頼さまを、鬼のようなる真田がつれて。この戯れ歌にこめられた願いの色

かなしい旋律シリーズ。

大坂城、落城。
落城という響きに、哀感がないわけがない。
落つるは、涙か。流るるは、血か。
それでも、いのちまではとられなかった。ひとはそう思いたい。
秀頼は死ななかったのだ。落ちのびたのだ。
歴史の舞台には、もうもどってこないのかもしれない。
政争に負けたのだ。
ふたたび、頭上にいただくことはない。
それでもかまわない。
生きていさえいれば。

花のようなる秀頼さまを

もっとみる
ほんとうは故郷なんてどこにもないんだとわかっているのに、どこかへ強烈に曳いていく、わびしさもない、つらさも息苦しさもない、透きとおった感情だけがあるような音色。

ほんとうは故郷なんてどこにもないんだとわかっているのに、どこかへ強烈に曳いていく、わびしさもない、つらさも息苦しさもない、透きとおった感情だけがあるような音色。

大河ドラマ清盛の第1回、子どもの歌が流れたときの、あの、頭をなぐられたような感覚は忘れられない。

遊びをせんとや生れけむ
戯れせんとや生れけん

画面のこちらで、目をむいた。
梁塵秘抄だ!音色があったんだ!
音階がひとつかふたつ、少ない気もする。
7音に慣らされているのか、元来、ひとの心のうちはそういうものなのか、この音の落ちぐあいは、どうも不穏な気持ちにさせられる。
この2行だけを、延々とルー

もっとみる