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ふみぐら社 / Yunde Ippei
2016年3月22日 10:34
先生が転校生を連れてきた。背のちっちゃな女の子だ。自己紹介をしなさいって言われても、じっとうつむいてる。仕方がないので先生が、みんなに仲良くするように、じゃあ席は、またちゃんと席替えするからとりあえずモトヤの隣、教科書も見せてあげるようにって言って授業を始めた。え? まじ? 俺の隣かよとか思ったけど文句を言うのも面倒だし、なんか意識してるみたいでいやだったので席をくっつけて教科書も転校生に
2016年3月11日 09:30
誰にだって人に言えない悩みはある。この国にもいろんな人がいるのだから、どんな悩みだって存在理由があるのだろう。と思う。もう今では撤去されてしまっているのが残念だけど、とある駅前に《拳銃の悩みでお困りの方へ》と記された電話相談の看板があった。ほとんど誰も気に留めない中で(まあ、だいたいどんな看板もそうだけど)、僕はそこを通るたびに気にしていた。といっても、僕が法に問われるようなものを所持
2016年3月1日 17:10
陽が落ちてから、わりと知らない道を歩く。看板が、斜めってる。 『気をつけよう 甘い言葉と 夜の道』そうか。気をつけなければいけないのだな。とくに何も起こらないまま、ずんずんと夜は進む。沈黙する道。道。だんだん、夜の道より甘い言葉が気になってくる。甘い言葉ってどんなのだろう。いままで誰かに甘い言葉をかけたことも、かけられたこともあまりない。わざわざ看板を立てるくらいだ