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タスマニア料理の驚きを、VAN BONEで。

こんにちは。
フミです🍇

2024年のヴィンテージ(醸造シーズン)は、
ヴィクトリアとタスマニアをハシゴしています。
ともに醸造の最繁忙期であったので、休日ほぼなし。

そんなヴィンテージ中にある祝日、イースター。
祝日は時給が4,500円程になるオーストラリアでは、
祝日のピッキングが避けられがちです。
その隙を狙って、友人とドライブに出かけました。

わたしの一番の目的はレストラン「VAN BONE」!

目の前の畑から採れる野菜や、近隣の食材を使う、
田園地帯にある有名レストラン。

220ドル(約20,000円)のコースのみ
予約必須
提供時間は全部で3〜4時間
アレルギー以外のメニュー変更不可
ベジタリアン、ペスカタリアン(肉を食べない)、
グルテンフリー、乳糖不耐性、ビーガンは対応不可
18歳未満はレストランに入れない
時間厳守

Personal food preferences will not be taken into consideration!!!
個人の好き嫌いは考慮しません!!!
と、はっきり書かれています。
「!」が3つもついているのは、原文ママです。

強気〜!と思うけれど、これで超人気店だからすごい。
ドレスコードとかないよね…とビクビクしながら予約。


ホバートから45分ほど車を走らせたところにあります。
ドアを開けると、とっても気さくな感じで安心。
これは、緊張しすぎなくていいお店だなと感じます。

秋の訪れを感じさせるしつらえ

どっからきたの〜、とか
シェフのティム〜よろしくね〜、とかゆるゆる会話。
出てきたタオルがコロッケみたいだったから、
「コロッケかと思っちゃったよ。
 もう料理が出てきたのかと。
 お腹減りすぎてるわ、わたし😂」
とか言って、ひとしきりみんなで笑って食事開始。


あれこれ言うより、どんなご飯出てきたか、ずらり!
ほぼ写真撮りました笑

一つ目に出てきた、ズッキーニとバターミルクのスープ。ラベージというハーブが使われていて、さっぱりと食べられる一皿。
葉物野菜のブーケに卵黄のドレッシング。オイスターにチリ&スモークサーモンの香りづけ。ふだん生牡蠣を食べない私もタスマニアではたびたび食べてみています。
毎日焼かれるサクサク生地の上に、フレッシュのシェーブルチーズ、エディブルフラワー。どの味わいも優しく、チーズが口いっぱいにとろけます。
焦がしフィグと極薄グアンチャーレ。甘じょっぱの最上級バージョンにほんのり苦味をプラス。焼き加減で出たほのかな苦味と火の香りが調味料になっているのがおもしろい。
パドロンペッパー(ほぼししとう)のグリルにチェリービネガー、ダッチクリームポテトチップス、コッパとはくれい(かぶ)の漬物。全体的に和を感じるラインナップ。
ポテトブレッドと発酵バター。色んな意味でびっくり。一番のびっくりは、永遠に食べられそうな前菜が少しずつ出てきていたのに、急にお腹を満たしにかかってきた、このコースの展開。
ビンチョウマグロ。マリネはしてないらしいのだけど、漬け込んであったかのようなしっとりとした肉質。マグロの下にはトマトやオリーブ、ケッパーが隠れているのもたのしい。

ここで一つ写真を撮るのを忘れていたのですよ〜!
というか、撮れていなかった笑
落ち着け自分。

アーティチョークとサマートリュフのスープ。水分量に対して確実に過去最高量のトリュフが載ったもはやトリュフな一品。
(むしろ載せていくスタイル)
タコと豆とグアンチャーレ、XOソース。ソースがめちゃくちゃおいしい。中身もう一回聞けば良かった。ビンチョウマグロから塩味がパワーアップしてて、お酒がすすんでしょうがないです。
メインの鴨。オニオンペースト的なものと。友人が頼んでいたムニエのchilledと合いすぎて奪いまくった。鴨と軽めで酸味のある赤ワインの組み合わせが好きすぎる!

ここで急に、
「お腹いっぱいになったでしょ〜
 前の庭お散歩でもしてきたら〜?」
と、謎の提案をされます。

なんか、じゃあ、せっかくだし…、と席を外します。
レストラン目の前の畑は、それほど大きくないものの、
所狭しと色んな野菜やハーブ、花が植えられています。
見せるように特別に飾られていないのが、また素敵。

これさっき食べたやつだよね、なんて話しながら散歩。
今日はこれが採れそうだからこんな料理にしよう、
なんていう会話が毎日されているんでしょう。

ケール、ズッキーニ、じゃがいも、ネギなどなど、ほんとうにさまざまな植物が植っています。

戻ってきたら、デザートが待っています。
しかも3皿。ほんっとお腹いっぱい。待って。

フィグリーフを使ったシャーベット。味わいは本当に抹茶かき氷みたいな。コンデンスミルクみたいなのが添えてあるのもまたかき氷感を強めている。
ブリオッシュ、ヘーゼルナッツ、季節のはちみつ。ザクザク、ねっとり、食感も香りもひとつひとつ違って組み合わせて食べるのも楽しいデザート。
ルバーブのゼリーみたいなものに葉っぱを纏わせた不思議な甘味と、ルバーブをハチミツの中で発酵させた不思議な甘味と、マッシュルームの香りがガッツリ付いた不思議な生キャラメル。つまり不思議〆。

2時前に入店し、出たのは5時過ぎ。
本当に3時間以上のコースでした。
夕食もぜんぜんいらない満足感。

たしかに、なかなか手の出ないお値段。
2人で料理お酒合わせて590ドル(約6万円)。
文字にすると恐怖さえ感じます。

でも、ちょっといいホテルに泊まる旅行とかあるじゃん、
それとおんなじで、たま〜になら、ね。

タスマニア生まれ育ちの同僚にも話してたのですが、
タスマニアって、人口に対しての美味しいお店が
他の都市よりも多い気がする、質が高い気がする。
食材の豊かさと、美味しいもの食べたい気持ちの高さ?

VAN BONEでは、驚きの詰まった食体験ができました。
食べたことのない食材
初めて出会う味の組み合わせ
調理の仕方、切り方で生まれる味のバランス
それが、この土地で生まれたものであること
それを、この土地でいただくこと
尖りすぎてないから、素直に受け止められる。
興味の湧いた方は、ぜひ行ってみてくださいね✨


最後に、あまり触れられなかったワインたち。
ワインリストを載せます。

しょっぱい!と感じる、超ミネラリーなシュナンは
前菜たちにドンピシャでヒットしていく最高の一杯。
冷えたムニエはほんとうに鴨とミラクルマッチでした。
そのほか、スキンコンタクトのリースリング、
3 Pinot’sをいただきました。

ワイナリー作業で手が真っ黒なのをお許しください😵‍💫
黒ぶどうの色素が手洗いでは落ちないのです😭


生きるために食べていると同時に、
食べるために生きている!
一生食いしん坊でいたいなあ。

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