本当に忘れられないAimerのLIVEになった話
「こっからはド派手にいくぜ!」自分の内なる宇髄天元がずっと頭から離れなかった。
2年ぶりのAimerのLIVEなのだから気持ちはソワソワして仕方がない。実際に足を運べることがこの上なく嬉しかったからだ。
「どんな曲を歌うのか……」想像しながら、神戸三ノ宮駅から神戸国際会館こくさいホールまで駆け足で向かう。足取りが軽やかだ。気持ちが前のめりになっていた。
会場に着き、スマホを取り出しローチケのアプリを開く。受付の方に確認してもらう。座席に着きスマホの電源をオフにして視覚、聴覚を研ぎ澄ます。楽しむ準備は万端だ。音楽が流れ幕が上がる。
ONE AND LAST
「劇場版 あなたの番です」の主題歌、ドラマ版の「STAND-ALONE」の対をなす楽曲。MVに元乃木坂46の西野七瀬が出演している。
サビの部分が「STAND-ALONE」みたいだけど何か違う。もしも〜○○ならばという仮定からはじまるというドラマ版とは違う別視点からみたもう一つの物語のような楽曲。歌うとは思っていたけど、この曲からはじまるとは思わなかった。いい意味で意表を突かれた。
cold rain
タイトルのように冷たい雨に打たれながらも、それでも強くなりたいと願い。色々なものを犠牲にしても前に進もうとする人の姿勢を歌詞から読み取れた。Aimerのバックに移るスクリーンには激しい吹雪を感じさせる映像が流れていた。いずれ花を咲かせられるように今は突き進む。そんな一曲だった。
ever after
先程の今は弱くても強くありたいと願った曲の後に人のぬくもりを感じる楽曲だった。冒頭からサビ1に入るところの歌詞が一気に涙腺を刺激した。この2年、LIVEに行けなかったことと孤独感を感じていた気持ちをAimerの声がそっと包み込んでくれたように感じた。
調べてみると、ドラマ「ホットママ」の主題歌だった。主演は西野七瀬。
トリル
涙目になりながら舞台にいるAimerの姿を観ていた。本当に眠れない夜に枕元でそっと流していたいと思った一曲。 忙しい現代社会だけど、真夜中の静かなちょっとした時間の余白に入れてみたいと感じた。令和の子守唄かもしれない。脳内にお布団が出てきたのであった。ここで一度小休止に入ったように感じ場面が変わるような気がした。
地球儀(Aimerソロ)
舞台がパッと明るくなり音楽が流れる。Vaundyとのコラボ曲である。白を基調としたMVに二人が対面で座り「まさかのコラボ……!」に驚いたのを覚えている。今回はソロでありVaundyのところもAimerが歌っていた。舞台をゆっくりを動き手を振っていた。近づいてきたときだった。こちらも手振ったら応えてくれたように思う。(多分)
どこかの会場でAimerのLIVEにVaundyがサプライズで来てくれたらな〜と思ったのは言うまでもない。
wonderland
ここで一気に「Walpurgisnacht」の世界観に沿う。
今回のLIVEのテーマに深く潜るような曲に入る。歌詞から伝わるのが、不思議な国に迷い込んだ男女が冒険をしているような描写が頭に浮かんでくる。ここでダークテイストな曲になり、歌い終わる頃にはAimerが舞台の奥に吸い込まれいくようなカタチなって前半戦が終わるのであった。
残響散歌
白の衣装から黒の衣装に着替え、バンドセッションから音楽のバトンを引き継ぐ、スクリーンが一気に桜吹雪になる。残響散歌だった。観客が一斉に立つ。ブワッと感情が高鳴り、鬼滅の刃のキャラクターたち、MVの映像が頭の中に浮かんできた。3分ちょっとの疾走感溢れるテンポ、溢れんばかりの感情がド派手に出ていた。そして気づいた頃にはもう次の曲になっていたのだ。
Run Riot
勢いは止まらない。スクリーンが薔薇の花が映る。花びらが散る描写がバックに映るのだが歌詞の意味のように狂い咲く。残響散歌のその先を歌っているような印象だった。より高いところに一気に飛んでいくような、不思議な感覚になる一曲でした。
hollow-mas
ここでガラッと変わる。舞台が暗くなり緑のような青のようなライトがAimerを照らす。スモークが幻想的な表現していた。暖季から寒季へ季節の移り変わりを感じさせていた。
コイワズライ
恋に悩んでいるときの描写を否定せずに、肯定してくれて背中を押してくれる曲。我慢をしなくてもいい。自分の感情に素直になればいい。それだけではなく、スクリーンに手書きの文字の歌詞が歌とともに表れる表現がなんとも人間味のあるものになっていた。
春はゆく
これはもう 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」のヒロイン間桐桜を表現した曲。「花の唄」「I beg you」も同じ作品の主題歌であり、3部構成になっている。物語が進むにつれてヒロインがどんどん堕ちていく様がなんとも言えないのだが、この作品を通じて考え方によって正義は立場によって変わるということを教えてくれたように思う。3部作のMVが浜辺美波であり、作詞作曲が梶浦由紀である。冬もいずれ終わり、春に向かっていると歌っている姿から伝わってきた。
SPARK-AGAIN
火花散るようなイントロから始まる。スクリーンに燃え盛る炎の映像が映った。ふと、2020年6月のことを思い出す。久しく会っていない友人とzoomをしていた。弾丸で旅行に行く話になり、その2週間後、御前崎の朝日を拝みに行くことなる。しかし、当日は雨。朝日を拝むことだ出来なかったのだ。「一緒に朝日を拝みに行こう!」と声をかけなければ実現しなかった。そんなときに、ずっと聴いていた曲だったため重なる部分があった。自分の背中を熱量で後押ししてくれたのだ。懐かしい気持ちになりながら、今年こそ朝日を見に行こうと決意を固める。
ONE
『SPARK-AGAIN』で広がった熱量が『ONE』に集まっていくように感じた。まさか歌うとは思わなかった。この曲も5年ほど前の曲で、最近では「報道特集」の番組テーマ曲になっている。夢を諦めないこと、憧れていることを実際にカタチにしていく。もっと遠くまで人は翔んでいける。そんな希望を抱くことができる前向きな曲。スクリーンも雲と雲の間を進む映像が映し出されていた。
朝が来る
再び、和を表現した映像が映る。「朝が来る」が始まった。こちらも昨年から2月の中旬まで放映していた『鬼滅の刃』のエンディング曲。障子から溢れる朝日の光やド派手な扇子の表現でバックから盛り上げる。
鬼たちとの戦闘後の鬼殺隊側を歌っているような……。
鬼側からの視点で歌っているような……。
どちらの考え方ができる。
希望のカタチを個々に委ねられるように不思議な感覚を感じた。
季路
2月の冬から始まる。季節が進んでいき春夏秋冬を表現していた。歌詞の中にある時計の針という単語がより時間の流れの早さについて考えさせられそうになった。時間はかけがいのないもの。自分をつくる要素となっていること。2月から3月にかけての卒業をテーマにしていて、出会いと別れもまた突然やってくる描写も歌っている姿から見えた。
星の消えた夜に
アンコールの拍手の後、今年のTシャツを着て登場した。いつものことなのだが、緊張して「いつも以上にMCがグタグタでごめんね……」と、
何もかもがうまくいかなった夜にそっと流したくなるそんな一曲。自分も不安なんだけど、ただ傍にいるだけで力になれるのなら力になりたい。力がなくても他人のこと思えるそんな優しい気持ちを歌詞に込められており、尊い気持ちになった。
RE:IAM
アンコール最後は、『RE:IAM』
『ガンダムUC』のとある1話でしか流れなかった幻の曲である。
歌っている途中のことだった。
「ごめんなさい!歌詞を間違えてしまったのでもう一回いいですか」
まさかの展開で驚いた。
「ごめんなさい。最後失敗で終わりたくなかったんです」
「やり直してないよ。初めてだよね……」
「聴いてください RE:IAM……」
そして、今度はしっかりと歌い上げたのだった。人前に立って歌を歌うアーティストのプレッシャーは計り知れないと感じたのと同時に素直に間違いを認めて、誠実な対応をしたAimerの姿がカッコよく見えたのだ。そして、アーティストもひとりの人間だということを知れたのだった。
*
会場を後にして、気持ちが興奮したまますぐさまTwitterにてLIVEの感想をつぶやく。2年ぶりのLIVEということもあり、溢れんばかりの熱い気持ちが出ていた。すぐさま、帰りの電車の中でSpotifyを開きこの日のセットリストをつくった。
「ああ、やっぱりLIVEっていいな……」会場に足を運ばなければ体験できないことと言葉にできないほどの熱量を再確認できた2月の終わりだった。
今年もまたどこかのタイミングでAimerのLIVEに足を運びたい……!
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