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2020 2/12 HafH Fukuoka THE LIFE 2020年から2030年へ、生き残るための技術 イベレポ

2020年2月1日グランドオープン HafH Fukuoka THE LIFE 

2月12日(水) 2020年から2030年へ、生き残るための技術

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<登壇者情報>
三浦崇宏 Takahiro Miura 
The Breakthrough Company GO  代表取締役 PR/CreativeDirector 博報堂・TBWA\HAKUHODOを経て2017年独立。社会のあらゆる変化と挑戦にコミットすることをミッションにGOを設立。日本PR大賞・CampaignASIA Young Achiever of the Year・ADfest・フジサンケイグループ広告大賞・グッドデザイン賞。カンヌライオンズクリエイティビティフェスティバル・ACC賞クリエイティブ・イノベーション部門グランプリなど受賞。現在はクリエイティブの力で企業の新規事業開発やスタートアップのブランディング、政策支援活動に領域を拡大。『表現を作るのではなく、現象を創るのが仕事』が信条。2020年1月22日に初の著書「言語化力(言葉にできれば人生は変わる)」を刊行、発売前にアマゾンビジネス書ランキングで1位に。
青木真也   1983年5月9日生まれ。静岡県出身。小学生の頃から柔道を始め、2002年に全日本ジュニア強化選手に選抜される。早稲田大学在学中に、柔道から総合格闘技に転身。「修斗」ミドル級世界王座を獲得。大学卒業後に静岡県警に就職するが、二カ月で退職して再び総合格闘家へ。「DREAM」「ONE FC」の2団体で世界ライト級王者に輝く。

イベント参加のきっかけ

2020年2月1日にグランドオープンしたHafH Fukuoka THE LIFE。オープニングイベントの中に「三浦崇宏」 その名前があった。

記事にある種の熱量を感じ、共感する、この文体が好きだと思うもの、そのほとんどがライターの井手桂司さんのものだと気づいたのはつい最近のことだった。


取材相手やイベントから感じた喜びや興奮の度合いが、まるで行間からこぼれ出ているように思えるその文章。朝渋で20代限定で行われたイベントのイベレポからも伝わってきた。


井手さんが書いた三浦さんの熱量が伝わるイベレポ、私だったらどんな風に思うだろう、どんなレポートが書けるだろうか、そんな思いを胸に抱きながら、はやる心を落ち着かせ、イベントの申し込みを済ませた。そして、いそいそと言語化力を買いに書店へ向かう。

順序が逆だと思われるだろうが、井手さんの記事を読み、以前から気になっていた1月に発売されたばかりの著書 『言語化力』を読み、三浦崇宏さんの考え方、生き方に興味を持った。気になる言葉を抜き出していると、とんでもない量のメモができた。

最初は思いや考えを言語化するための実用書のように考えていたこの本は、読み進めていくほどに哲学的要素を強めていく。また、文章を締めるかのように差し込まれた福音書や文豪、たまにおやっと思わせるような方の一節。

言葉にできれば人生は変わる、言い換えれば人生を変えたいと思うのならば自分の考えを言語化する

感動冷めやらぬうちにイベントの日がやってくる。正直、スポーツにあまり関心のない私は 格闘家 青木真也さんのことは全く情報として持ち合わせていなかった。

まさか、お二人ともがこんなに熱い想いを抱いた人だとは知る由もなく、後に心を動かされることになる。

HafHとゲストお二人の関係

三浦崇宏さんは 『表現を作るのではなく、現象を創るのが仕事』が信条。変化とあらゆる挑戦を応援し、新しいこと、世の中を変えたいという思いを持った人や会社を支える。GOは広告代理店ではなく、ブレイクスルーカンパニーだと語る。

HafHのコンセプトである、家を持たない暮らし、世界に200の拠点を持ち、定額住み放題、暮らし方、働き方を変える、社会から押し付けられるルールがなくなるような生活を応援したいと、パートナーとして出資しているそうだ。

青木真也さんは、大学在学中から格闘家として活躍し、飯が食えないという理由で安定を望み、静岡県警に入るものの2か月で退職。再度格闘家に戻ったという経歴の持ち主。36歳現役、人呼んで格闘寅さん。

固定の家も必要ないと考える青木さんはHafHのアンバサダーでもある。その件に関してはいろいろと背景があるが、今回その説明は割愛する。気になる方は青木さんのコラムを読んでみてください。

このお二人の出会いは、対談。大学生時代、自分の人生をリングの上で表現する青木さんに憧れていた三浦さん。あるメディアでクリエイター対談があった際、アスリートでもリング上で試合をプロデュースするクリエイターであるとして、青木さんと対談させてもらった。そこで仲良くなり、現在、青木さんはGOの名誉社員に。三浦さんはサポーターとして、試合に足を運び、闘う姿に勇気をもらうという仲である。

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三浦さんのスマホを一緒にのぞき込む青木さん


言語化力

YOUTUBEなど動画中心の世の中で、あえて原始的な言葉の使い方、誰もが使える言葉を使うのか。

自分の想いをいかに言葉にするか。言葉の使い方や考えを的確に伝える力は教わってこない。フォームを習い、自由にのびのびと遠くに投げられるようなボールの投げ方を知っていたら、より想いを人に伝えられるようになる。

技術がないのに小手先に走ったコメント、ストーリー性を考えた試合のプロデュース、見せかけの面白さだけでは商品が言葉に耐えきれない。

小手先に走るこの世の中に危惧がある、と青木さんは言う。

耳障りの良い、作られた言葉を使ったとしても、結局は一瞬でバレてしまう。

言葉にならないものが一番大事だけれど、それを伝えるためには言葉しかない。



何を伝えたいのか、何を表現したいのか、それがないなら人前に出るな

傷つける、炎上する、ある程度のリスクを背負った上でメッセージを伝える。批判や炎上に弱い、ここだけは譲れないというものがなければ何も伝わらない。

今は作り手が弱くなっている。信じる人がついてきてくれたらいい。そうでなければ離れていってくれたらいい。そうでなければ面白いものは生まれない。

当てに行くからそこそこは面白い。炎上しないように、みんなに褒められるようにと安全圏を狙う。

表現者とファンの立場が対等であり、挑発し合える仲。だからこそ感動し、成長していける。だから賛否両論あってもいい。

嘘はほころびが生まれる。

青木真也が信じているものを表現する。

表現者の軸がブレてしまったら、本当に愛してくれるファンを裏切ることになる。ファンのためにファンを裏切ることも大事。

それが作り手としてのプライドであり、ファンの権利である。


若い子に習うしかない

キャリアを重ねると新しい技術を否定する、そこから逃げる、新しいものを認めなくなるとどんどん落ちていく。一番大切なことは、日々どれだけのことをやっているか、小手先に走っていないか。

始めることは簡単だが、辞めるのは難しい。青木真也の引退とは、どうやったら辞められるのか。 36歳、現役17年、その間大きいけががない。それは何故なのか。

成長を止めることなく、若い子に習うしかない。成長戦略として、格闘技の場合、アメリカで新しい技を学んできてもらう。年齢のいった者は若い子に多少の金銭的援助して技術を持って帰ってきてもらう。自分がアメリカまで行って学ぶのは既にきついものがある、それならば金銭面の援助をすることで、技を吸収した若者から直接教えてもらった方がいい。

1年かけて100冊読んだ情報量に対し、今の20代はスマホで受ける動画やテキストの情報10倍くらいの情報量を得ることが出来、優秀である。10年後の2030年にはどんな人間になっているか。

20代、30代、40代、年代ごとに世界が違い、違う生き物であり違う国で生きているようなもの。彼らの異文化を学び、彼らに自分たちの知識を渡せたらお互いに貢献できる。昭和のモンスターと令和の天才が掛け合わさることで、とてつもなく大きなものが生まれる。

年功序列ではなく、若い情熱を取り入れることが大事。

自分の物語を生きているか

世の中は踊らされている人でできている。盛り上がるためのものを探している。世の中忙しくないの。誰かに大きい物語を与えてほしい、自分の物語を生きている人ではない。


規模や伝統、権威が持っていた価値観が、オリンピック以降、無名のものがチャレンジし、注目される時代、挑戦者経済に変化する。

青木さん曰く、自分の物語を生きている人は大変だ。俺の夢に乗っかろうとするけれど、これは俺の夢だからやめてと言いたくなる。

それに対し、三浦さんは、我々はノーコスト、実際に命をかけているのは青木さん。それでも抑圧されているから爆発したいと人の夢に乗ろうとする。

人間は物語を求めている 自分の人生を物語にしたいと考える。うまくいっていない人は、人の物語や人の夢に乗りたい、オリンピックがまさにそうだ。それが終わったら、また次の新しい物語を探さなければいけない。

オリンピックは前の世代のお葬式で、古い世代が頑張ったもの、既得権の権化だった。オリンピック後に何をするか、価値観が定まっていないと消耗していくだけである。

無名のやつがチャレンジしているから強い、挑戦者の権威に変化していく、そういう動きにしていきたい。

いいから行けよ

やらないやつはダメ、理屈をこねているよりも動け、身につけるにはやるしかない、やれとは言わないが現実として火は熱い。人の3倍4倍やれよ。

すぐに受け身取れる初速が早い人 モチベーションは何でもいいから一歩目が早い人が必ず勝つ。

少しでも早く取り掛かった方が、金銭、体力あらゆる面でコストが安くなる。

パワハラと言われると大変だが、ある何かを見につけようと思ったら人の3,4倍やらなければ難しい。現実として火は熱い。やれとは言わないが 何を最初に究めるのが向いているか 何だったら最短距離で行けるかを、一度立ち止まり考えることが大事。


夢枕獏「才能とは人より何かが多いのではなく、人より何かが欠けていることをいう」

「答え合わせはまだ先」ってよく言うんだけど、答えが出るまで頑張り続けるしかないと思うんだよね。

自分の評価は人が決める

その時が来たら、向こうから必ず連絡がある。それを決めるには決して自分ではない。人は必ず見ている。

だからこそ自分の中の哲学を大切にする。

俺がやりたいからやるだけ




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お二人の話を聞きながら、最近のワイドショーやツイッターの中身を思い出した。話題になることと言えば、重箱の隅をつつくように、有名人の表現の仕方についてSNSですぐに炎上しがちな昨今、表現者は世の中の反応に対し臆病になりがちだ。しかし、一部のファンの暴走におびえていたら、本来の姿が出せなくなる。それは表現者としての命を脅かす暴力に近い。

実際、本当のファンであれば、不満のぶつけ方が変わるはずなのだ。そして相容れなくなったファンは静かにその場を去っていく。となると、何故深い部分まで見ずに、表面だけで判断し炎上する人たちに媚びへつらう必要があるのか。

そんなファンの風上にも置けない人が束になっていたとして、本質を理解する真のファンが離れていくのは本末転倒ではないか。ふとそんなことを考えていた。

生き残るための技術、生き方を伝えたいと思うのであれば、自分で自分を現し、自分の物語を生きることが大事。

人の夢に乗っかろうとしていたら、自分から動き出そうとしなければ、結局は踊らされる側に回る。自分の軸を持って前に進むことはできない。

これだけ熱い想いで語られたこの言葉、直接受け取ることが出来た私たちがどれだけ自分のものにできるか。

まずは自分の考えや軸を知り、正しく表現できるよう言語化する、世の中の盛り上がりに左右されることなく、自分がやりたいからやる、強い意志を持って動く。伝えようとしなければ何一つ分からない。

行動変容を起こせるだろうか、そう悩んでいる間に初速を早くすることが大事、俺がやりたいからやるだけ、その想いを貫くんだ。

そう背中を押された。



この力強い字を見て勇気を出す。

「急がなくてもいいんですよ、でも頑張ってください」と言われたことを忘れない。

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椅子に座り、足の位置が定まらなかった三浦さん。最前列で音に反応しビクッとなってしまった私に頭を下げて謝ってくださったあの姿、気遣いの人であることを体現していると感じました。まさにその場でお会いしたからこそ分かる一面でした。


イベント開催時の熱量や、参加したからこそ感じた登壇者の素顔、行かなければ気づかなかった空気感をイベントレポートにまとめています。

このイベレポに興味を持っていただけた方、よろしければこちらをご覧ください。



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