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【小説】私は空き家(西宮市築39年)エピローグ

株式会社フル・プラス


エピローグ


「所有者の気持ち」と「空き家の気持ち」
「経済合理性」すなわち「損か得か」

空家対策において、その解決の鍵となるのが、この2点である事が多い。
将来の所有権者が複数になるケースが多い空き家問題。
特に問題となるのが、”誰が、どれくらい収益を得るのか、費用負担をするのか”という点だ。
デリケートな問題であるため、親族間でもなかなか本音を切り出せないものである。

本件は、室内の一部改装と外観の美装、設備の一部交換を行い、毎月5万円程度の家賃を得る構想とした。
改装工事費が約400万円、表面利回り15%という設定だ。

費用負担に難色を示す姉弟もいたことから、空き家の活用会社が改装費用の一部を負担し共同で運用する『with制度』を採用することとなった。

改装費用の内、【所有者であるお父様が4分の1の100万円】を、【きよみさんが4分の1の100万円】を、残りの【2分の1の200万円を空き家の活用会社】が負担した。

家賃収入は、月額でそれぞれ【お父様12,500円】、【きよみさん12,500円】、【活用会社25,000円】を受け取る形とし、運用期間を10年間と定めた。

またその期間中、万が一お父様が亡くなった場合には、法定相続に則り、「きよみさんが買い取るか、ご姉弟にて共有とするか」の選択を行う事を『覚書』にて私文書化し、お父様・ご姉弟がそれぞれ署名捺印の上、締結した。

通常、弁護士などが行うべき手続きのように感じられるが、親族間の約束事の多くは口頭でされる事が多く、後々のトラブルの元となる事も多々ある。
この場合のポイントは、「空き家にとって最も良い選択」という視点から、第三者を交えて、法律を踏まえながらの着地点を見出す事で、問題の解決がスムーズとなる。

覚書の締結から約3ヶ月後、手続きと改装工事を終えた本件の空き家は、ご親族の「資産運用」という形でスタートを切った。



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『私は空き家』とは
「空き家」視点の小説を通じて、【株式会社フル・プラス】の空き家活用事業をご紹介いたします。
※『私は空き家』はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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