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子どものゲーム依存 大人にできることとは?

ブレインワークス・ジャパンの講座で、
この本の著者である吉里恒昭さんと
依存症の臨床経験20年の八谷隆之さんから

ゲーム依存についてのお話を聞いた。

依存症とは

まず、八谷さんによると

アルコール依存や薬物依存なども含めて

依存症のエビデンスとして
たくさん出ていることに

「やめさせる」は
ほぼ効果なし


なのだそう。

なぜ、
その依存状態になるのか。

繰り返すことで
安心感を得ている


ということも一つ言われていた。

依存症の状態
(どこからが依存症かという
線引きは難しいとのこと。
自分でコントロールできない、
やめたくてもやめられない
という状態ではあるかもしれない)

というのは、

自分の中に安心のバランスが他にない
エネルギーがない状態
=過剰に自分以外にエネルギーを使っている

ということなのでは、
と話されていた。

アルコールや薬物などの依存症の人に
「あなたはどうしたい?」と聞いても
答えられない
のだそう。

「自分を見る」ことに
ものすごく不快感を感じる

ということ。


また、依存症克服のためには
「好き」がものすごいパワーになる
という話もあった。

「好き」な状態って、
安心、ゆるむ、エネルギーがあふれる
そんな状態だろうか。

その子にとって何が好きなのか、

その「好き」の感覚を聞いてあげることで
大脳にその感覚が意識として入っていく
という話もあった。

安心を手渡す

ただ、ゲーム依存に対して、
「どうしたら?」の具体策は
全員には当てはまらない。

対話の中で
本当にその子がしたいことを見つけていく

ということが必要。

そうして
対話をしたり、
大丈夫と信じて
子どもを見守っていくためにも、


どうしたら良いか
より

その対象者がどうあれ
自分は「どう在りたいか」

ここがポイントだという。

近しい人の「安心」
最も効果がある。

だから

いかに周りの人
エネルギーを自分で充電するか

ということが重要になってくる。

相手をどうこうするのではなく、

自分を満たすこと
自分がその子の

「安全基地」になる。

その話の中で
印象的だった

「安心を手渡す」
という言葉。

親御さんが
お子さんに対して不安になる時、
大事にしてほしいのは

安心を手渡す
ということ。


安心を手渡すと言うのは

自分が安心な状態でいる

ということ。



外にあるもの
(ex.子どもが不登校だから、
子どもがゲームばかりだから)

自分を安心させてくれない

ではなく、

自分で自分を
安心させてあげられる

方法を

たくさん見つけてほしい
と言うこと。


安心を手渡すには、

自分がエネルギー切れでは
手渡せない。

手渡すのは
50でいい。

自分:相手=50:50
でいい。

50は自分に残して、
50を手渡せたらいい。


10:90とか
90くらい多くを
家族に渡してしまう
ことがよくある。

でもそうすると
自分の「安心」が
残らない。

安心が自分にも残らないと
エネルギー切れになり
安全基地ではいられなくなる。


安心を
手渡すには、

自分をまず
癒すこと
満たすこと。

自分が楽なやり方でいい
自分が楽しくて、楽で、近道になるのが、
この方法なのだそう。

身体を知って整えるポリヴェーガル理論

じゃあどうすれば
安心を手渡せる状態
になるのか。

ここで
このポリヴェーガル理論
とても役立つ。

思考や考え方、気持ちなどの
心理的なアプローチではなく

体(自律神経)への
アプローチ。

体から
安心の状態に

向かっていく、

というのが
面白い。

体から心にアプローチする

というより、

今自分の表面に出てきていることは

心の問題ではなく
体(神経系)の問題
だという

考え方。

だから
体を整えれば

自ずと
心の内面にも
影響がでてくる

ということ。

上記の本のポリヴェーガル理論では
神経の状態を赤、青、緑で表す。

赤: 逃げるか戦うか 心拍数が高い
青: やる気がでない 動けない 心拍数が低い
緑: 安定 リラックス ちょうど良い心拍数

この緑の状態が
「安心」の状態。

自分が今
赤や青の状態だということに
気づいたら、

たとえば

深呼吸
自然の音を聴く
空を見る
美味しいものを食べる
体をぶらぶら揺らす
歌を歌う
ヨガやラジオ体操で体を伸ばす

など
神経が緑の状態に向かえるように
心地よさを感じられるものを
取り入れてみる。

人によって
心地よさを感じられるもの
ちがうので

自分が緑の状態になれるものを

自分の感覚
普段からどんどん
見つけていくことが
大事。

ここに答えはない。
正解不正解もない。

あるのは

自分の感覚に正直でいること
だけ。

どれが心地良くて
どれが心地良くないのか。

この
「心地良くない、不快」
を感じるものは何なのか

これを知ることも
大事だと
思う。

そこにいつもより
少し
繊細に気づいてあげること。

だれよりも
自分のことは

自分の身体がよく知っている


身体は嘘がつけない。

とても正直
だと
つくづく感じる。

何をすると

呼吸がしやすいか
呼吸が少ししにくいか

体の力が抜けるか
体に力が入るか

五感をつかって

自分の快・不快を
感じ取る。

心というより

気持ちいい
リラックスできる
呼吸がしやすい
落ち着く
力が抜ける
心地よい

と言った体の感覚を
どんどん見つけることが

安心を手渡す
ことにつながる。

その「安心」の空気感

その場や、
その場にいる人たちに

大きな影響を与える

ということは
間違いないと
思う。

逆を想像すると
よくわかる。

たった1人の
「不機嫌」な空気感が

その場に与える影響を
想像してほしい。

人には
体や表情、状態から
何かを受け取ると言う
感覚がそもそも
ある。

後ろに誰かいる気配だったり
見られてる視線を感じたり

触れていなくても
見えなくても
聞いていなくても

何か感じられるものがある。

自分の全身から発する
言葉にならない

空気、気配など
「気」のようなものが

あるのだとすると、

その「気」を整える
というのは

何より
ものすごく
大事なことだと
感じている。

子どもたちの
安全基地
「安心を手渡す」人に
なるために

自分の感覚を大事にして

身体から
「自分が安心している状態」
を知って、


自分自身を癒して満たす
「安心する」方法を
たくさん見つけていきたい。

「安心・安定」に向かうための
引き出しを

どんどん増やしていきたい。