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LGBT対応の “PRIDE指標”

PRIDE指標とは

「PRIDE指標」は、LGBTに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体work with Prideが2016年に策定した、企業・団体等におけるLGBTに関する取り組みを評価する日本初の指標です。
LGBTの人々が誇りをもって働ける職場を目指して、対象者が働きやすい職場づくりのガイドラインとしても活用することができます。
PRIDE指標には5つの評価指標があり、PRIDEの文字に合わせて次のようになっています。

Policy (行動宣言)
Representation (当事者コミュニティ)
Inspiration (啓発活動)
Development (人事制度・プログラム)
Engagement/Empowerment(社会貢献・渉外活動)

具体的な内容に関しては、任意団体work with Prideの PRIDE指標とはより引用致します。

Policy (行動宣言)

会社としてLGBTQ注1等の性的マイノリティに関する方針を明文化し、インターネット等で社内・社外に広く公開していますか。

方針には以下の内容を含むものとする:性的指向、性自認(または、同等の意味を持つ別の言葉)に基づく差別をしない(または、尊重する)。
単独の方針でも、行動規範や人権方針、ダイバーシティ宣言等の一部に含まれていてもよい。

評価項目(以下1~8の間で4つ以上) ※加点方法見直し
(1) 会社としてLGBTQ等の性的マイノリティに関する方針を明文化し、インターネット等で社内外に広く公開している。
(2) 方針に性的指向という言葉が含まれている。
(3) 方針に性自認という言葉が含まれている。
(4) 会社の従業員に対する姿勢として定めている。
(5) 従業員の行動規範として定めている。
(6) 採用方針として学生等に伝えている。
(7) 経営トップが社内外に対し方針に言及している。
(8) お客様・取引先に対する方針を明文化し公開している。

Representation (当事者コミュニティ)

LGBTQ当事者・アライ(Ally、支援者)に限らず、従業員が性的マイノリティに関する意見を言える機会を提供していますか。(社内のコミュニティ注5、社内・社外の相談窓口、無記名の意識調査、等)
また、アライを増やす、顕在化するための取り組みがありますか。

評価項目(以下1~4の間で2つ以上)
(1) 社内のコミュニティ(LGBTQAネットワーク等)がある。
(2) アライを増やす、もしくは顕在化するための取組みを実施している、またはアライの活動を会社がサポートしている(アライであることを表明することの推奨等)。
(3) 社内外を問わず、当事者が性的指向または性自認に関連した相談をすることができる窓口を設けている。
(4) 無記名の意識調査(従業員意識調査やエンゲージメント調査等)で性的マイノリティの意見も統計的に把握できるようにしている。

Inspiration (啓発活動)

過去2年以内に、従業員に対して、性的マイノリティへの理解を促進するための取組み(研修、啓発用メディア・ツールの提供、イントラ等での社内発信、啓発期間の設定、等)を行っていますか。

評価項目
●研修(以下9項目のうち、4つ以上)※加点方法見直し
(1) 採用担当者を含む人事部門への研修。
(2) 管理職への研修。
(3) 全従業員への研修。
(4) 新入社員や中途雇用社員への雇用時の研修。
(5) 性的指向または性自認についてカミングアウトを受けた際の対応についての教育。
(6) 研修には性的指向および性自認の両方に関する内容が含まれている。
(7) 研修には読む・聞くだけでなく、グループワーク等の演習が含まれている。
(8) 1回限りでなく継続して実施している。
(9) 社内の理解浸透度を確認しながら研修を進めている。

●その他啓発活動(以下5項目のうち2つ以上)
(10) イントラ、ニュースレター、ポスター等の各種コミュニケーション手段を利用して実施する社内啓発活動
(11) 性的マイノリティへの理解を促進する啓発期間の設定
(12) 性的指向または性自認に関する不適切な発言がセクハラに該当することの周知。
(13) 本社・本店および本社機能のない事業所(支店、支社等)での取組み。
(14) グループ会社での取組み。

Development (人事制度・プログラム)

以下のような人事制度・プログラムがある場合、婚姻関係の同性パートナーがいることを会社に申請した従業員およびその家族にも適用していますか(申告があれば適用しますか)。なお、LGBTQのための人事制度・プログラムは、以下の項目に限定されるものではありません。

休暇・休職(結婚、出産、育児、養子縁組、家族の看護、介護等)
支給金(慶事祝い金、弔事見舞金、出産祝い金、家族手当、家賃補助等)
赴任(赴任手当、移転費、赴任休暇、語学学習補助等)
その他福利厚生(社宅、ファミリーデー、家族割、保養所等)
トランスジェンダーの従業員に以下のような施策を行っていますか(申告があれば適用しますか)。

性別の扱いを本人が希望する性にしているか(健康診断、服装、通称等)
性別適合手術・ホルモン治療時の就業継続サポート(休職、勤務形態への配慮等)
ジェンダーに関わらず利用できるトイレ・更衣室等のインフラ整備

評価項目
●同性パートナーがいる従業員向け(以下5項目のうち、2つ以上)
(1) 休暇・休職(結婚、出産、育児(パートナーの子も含む)、家族の看護、介護(パートナーおよびパートナーの家族も含む)等)。
(2) 支給金(慶事祝い金、弔事見舞金、出産祝い金、家族手当、家賃補助等)。
(3) 赴任(赴任手当、移転費、赴任休暇、語学学習補助等)。
(4) その他福利厚生(社宅、ファミリーデー、家族割、保養所等)。
(5) 会社独自の遺族年金、団体生命保険の受け取り人に同性パートナーを指定できる。

●トランスジェンダーの従業員向け (以下7項目のうち、3つ以上) ※加点方法見直し
(6) 性別の扱いを本人が希望する性にしている(健康診断、更衣室、服装、社員証等)。
(7) 自認する性に基づく通称名の使用を認めている。
(8) 戸籍変更の際の社内手続きのガイドがある。
(9) 就職時のエントリーシートで本人の希望する性別を記入できる、性別欄に「その他」「記載しない」等男女以外の回答項目を設けている、または性別記載を求めていない。
(10) 性別適合手術・ホルモン治療時の就業継続サポート(休暇、休職、勤務形態への配慮等)。
(11) 性別適合手術・ホルモン治療時の費用補助。
(12) ジェンダーに関わらず利用できるトイレ・更衣室等のインフラ整備。

●制度全般 (以下6項目のうち、3つ以上) ※加点方法見直し
(13) 制度の存在や利用方法を従業員に周知している。
(14) 制度を利用する際に、通常の申請手続き以外に、周囲の人に知られずに申請できる等、本人の希望する範囲の公開度を選択できる柔軟な申請方法となっている。
(15) 当事者が自身の性的指向や性自認についてカミングアウトした結果、職場の上司や同僚等からの不適切な言動等の問題が発生した場合を想定したガイドラインがある。
(16) 希望があれば、出張や社員旅行等で宿泊時の居室、社宅や寮に配慮する。
(17) 同性愛や異性装が犯罪となる国等への赴任・出張時のリスク対応を行っている。
(18) トランスジェンダーの従業員が望む性別で働くことを希望した場合、人事部門、所属部署、関連部署等で連携して対応を検討している。

Engagement/Empowerment(社会貢献・渉外活動)

LGBTQへの社会の理解を促進するための社会貢献活動や渉外活動を行いましたか。
例)LGBTQイベントへの社員参加の呼びかけ、協賛、出展、主催、寄付、業界団体への働きかけ、LGBTQをテーマとした次世代教育支援

評価項目(以下1~5の間で2つ以上)
(1) LGBTQへの社会の理解を促進するための活動・イベントの主催、協賛、出展。
(2) LGBTQ学生向けの就職説明会、セミナー、イベント等の主催、協賛、寄付等。
(3) LGBTQ関連イベントへの社員参加の呼びかけおよびイベントの周知。
(4) LGBTQのインクルージョンに関する自社所属の業界への働きかけ、業界団体での活動。
(5) LGBTQへの理解促進のための次世代教育支援(出前授業、教材提供等)。

企業の実態

表彰される企業はまだ一部です。
参考までに2020年度に表彰された企業はこちら
もちろん、全ての企業が対応できれば良いとは思いますが難しいのが現状です。
この中で「行動宣言」からなら始められるかも!というように少しずつでも始めることに意味があるのではないでしょうか。


<その他引用>

企業がとるべき対応

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